ep002:そのバレンタイン・デー、甘々につき
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Scene005【エロ可愛いの破壊力】
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俺が剣道部の練習を終え、部屋に帰ると千紗が迎えてくれた。
「お帰りなさい、晴道」
いつものピンクのエプロン。
しかし違った。
短すぎるスカートにノースリーブ。
見ようによっては、裸エプロンのようだった。
『季節を考えろよ』とツッコミを入れたいところだが、
そんな野暮なことはしない。
その代わり――
「ただいま、千紗。新婚さんみたいだね」
そう言って抱きしめ、深いキスをした。
「あっ……、晴道のバカ」
(濡れちゃった)
『どこがだよ』とツッコミを入れたいところだが、
そんな野暮なことはしない。
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すぐにシャワーを浴びて、部屋着に着替える。
部活の後で汗臭いからな!
この後を期待してじゃないぞ!!
……って、誰に言い訳しているのやら。
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二人だけで食事をいただいた。
「二人っきりの食事って久々だな」
「うん、いつもは賑やかだもんね」
(緊張しちゃうよ)
(何を今更)
(あっ、心の中の声漏れてた)
「千紗、今日の姿、エロ可愛いよ!」
(もう!! こんなの心の中の声抑えていられないよ!!)
その後、温かな時間が過ぎて行った。
「ごちそうさま。いつもありがとう、美味しかったよ」
しかし、千紗の顔が少し沈む。
「花月さんには全然敵わないよ……」
「そんなことないよ。俺は千紗の作ってくれる料理の方が、心がこもっていて好きだな」
千紗はまた真っ赤になって立ち上がり、
「かっ、片付けするね!!」
流しに向かってしまった。
こんな良い雰囲気のところで申し訳ないのだが、
千紗の後ろ姿はスカートが短すぎて、
下着が見えそうで見えなくて――。
でも少し前かがみになると、やっぱり見えてしまって。
チラリズムここに極まれり!!
あまりその後ろ姿を眺めていると変な気分になってしまいそうで、
俺は千紗の横に並んで一緒に洗い物をした。
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Scene006【告白】
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片付けが終わると、千紗が言った。
「部屋で待っていて」
そう言われたので、俺は自分の部屋に入った。
そして、ふと俺のベッドに張り紙があるのに気づいた。
『晴道、このベッドじゃ狭いでしょ。
シーツ換えておいたから、
ダブルベッド使ってもいいわよ』
ダブルベッド、つまりは両親の寝室だ。
母さん、それはないよ……。
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やがて、千紗がやってきた。
その姿に俺は声を上げかけたが――
(ねえ、晴道、聞いて!)
千紗の強い心の中の声に、俺は黙った。
「晴道、私ね、あの日ちゃんと答えてないの」
それは千紗を軍人崩れ達から救った日のことだ。
あの日、俺は千紗に告白して、千紗も『ずっとそばにいるんだから』と言ってくれた。
でもその直後に花月さんが部屋にやってきて、告白はうやむやになってしまった。
そして、その後はタイミングを失ったというか、
俺の周りが騒がしくなり、
そのまま今日に至ってしまったのだ。
「私は晴道のことが大好きです。
だから、私のことを彼女にしてください。
何番目でもいいんです」
健気で可愛い。
だから、俺はしっかりと答えないといけない。
「当然だ、何番なんて関係ないんだ。
俺にとって千紗は特別なんだ。
俺にずっと寄り添って、優しく照らしてくれるお月様。
かけがえのない存在なんだよ」
千紗は泣きそうになりながら、俺の胸に飛び込んできた。
「嬉しい、嬉しいよ。
ずっと一緒だから。
晴道が誰と結婚したって、隣にいるんだからね」
「ああ、そうしてほしい。
千紗には一生そばにいてほしいんだ」
(これって、結婚より凄いよね。もう言質取ったんだからね)
(ああ、勿論だよ)
俺たちは深く深くキスをした。
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Scene007【そのバレンタイン・デー、甘々につき】
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「順番、無茶苦茶になっちゃったね」
そう言って、千紗はチョコの入った箱を差し出してきた。
可愛らしい箱に大きなリボン。
「ありがとう!!」
もう、いいよな。
「千紗、その格好は?」
千紗の装いは、エプロンの上からでも分かっていたけれど――
ミニスカメイドだったのだ。
しかもエプロンを脱いでさらにびっくり。
胸元が「もはや隠す気があるのか?」とツッコミを入れざるを得ないほどに丸見えだった。
「あのね、もしも晴道が私のこと彼女にしてくれなかったら、
晴道専用のメイドさんになって、一生ご奉仕しようかなって……」
ぷっ、そんなわけあるわけないじゃないか。
でも――
「分かった。千紗には一生俺のお世話をしてもらうよ」
「うん、嬉しい」
えっ、嬉しいのか?
それはともかく、もうひとつ。
「それで、その全身に巻かれたリボンは?」
「チョコと一緒に、私も食べてほしいなって♡」
その言葉に異議などあるはずもなく、俺は千紗の初めてをいただいたのだった。
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全てが終わり、俺が千紗を抱きしめている時だった。
「ねえ、晴道」
「なんだい?」
「愛してる」
千紗はずっと「好き」「大好き」と言ってくれていたけれど――
『愛してる』と言ってくれたのは初めてだ。
「俺もだよ」
俺たちはその後、二人きりで静かに過ごした。
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Scene008【閑話】
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『愛してる』
千紗ママがそう言った時、私の胸が痛んだ。
「私の方が晴道を愛してる」
そう言いたかった。
でも、私にはそれを伝える肉体がない。
だったら、どうしたらいい?
私はそれを真剣に考え始めた。




