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人の心が見える俺にはハーレム生活イージーモード、でも一人に絞るのは無理ゲーだったin二度目の人生。  作者: iron-bow
第11話【そのバレンタイン・デー、甘々につき】

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ep001:その企み、優しさにつき

⸻


Scene001【朝】


⸻


栞さんたちとの旅行の日程は2月11日(祝日)、12日(土曜)だったので、その翌日は日曜なのだが、

俺には何の予定も入っていなかった。


なぜなら明日はバレンタインデーなのだから、

みんなチョコの準備中なのだろう。


⸻


そして迎えたバレンタインデーの朝。

千紗がいつも通り朝食を作っていると――


ピンポーン


「「おはよう、晴道」」


花音さんと花月さんがやってきた。


「はい、これ。花音と一緒に作ったのよ」

「ありがとうございます」


それはシンプルな手作りチョコだった。


「花音は学校で渡すわけにいかないしね。

私は今晩予定があって来られないの。

だから早めに渡そうと思ってね」


あれ、花音さんがもじもじとしていて、何も話さない。

いや、俯いて呟いた。


「手作りチョコなんて、初めてなの。

花月が手伝ってくれたけれど、うまくできてるかな?」


かっ、可愛い。

箱を開けて、一粒いただく。


「うん、美味しいよ!」


真っ赤になって、強い心の中の声が漏れていた。


(良かった!!)


花音さんはそのまま学校に行くようだ。

花月さんが千紗に声をかけてから部屋に戻った。


「千紗ちゃん、今晩はがんばってね」


あれ? 千紗が赤くなって、俯いている。

今日の夕食作りってだけじゃないのかな?

その時、沙織母さんが千紗に声をかけた。


「今晩は私たちも帰らないわ。

千紗ちゃん、“晴道のこと”をよろしくね。

晴道、母さんたちね、バレンタイディナーショーに誘われているのよ。

宿泊券付きでね」


えっ、これって、もしかして……?

千紗は必死に心の中の声すら抑えているようだった。


⸻


登校のために部屋を出ると――梨子お姉ちゃんと千鶴さんが並んでいた。


「「晴道、おはよう!」」

「「手作りのチョコよ」」


示し合わせたわけでもないだろうに息がぴったりで、

それぞれがチョコを渡してきた。


(なによ、ちょっとおっぱいが大きいからって……)

(なによ、ちょっと憧れのお姉さんだからって……)

(晴道はね、おっぱいじゃ選ばないのよ!)

(晴道はね、巨乳が好きなのよ!)


心の中の声も、息ぴったりだった。


⸻


Scene002【通学路】


⸻


マンションのエントランスで早紀と会った。

いや、早紀が待っていたのかな?


「晴道、おはよう!」

「おはよう、早紀」

(チョコ、喜んでくれるかな?)


相変わらず、早紀の心の中の声は大きい。


「はい、これチョコ」

「ありがとう」

「今晩はね、ママと守さんと一緒にバレンタインディナーショーに行くの」

「えっ、守さんに誘われたの?」


守さん、旅行から帰ってきたばかりなのに……。


「花月さんからチケットをもらったみたいの」


あっ、もしかしてうちの両親もか?


(千紗ちゃんには先週末譲ってもらったから、今晩はお返しするの)


そうなんだ。

隣で千紗はまた赤くなって俯いていた。


⸻


やがて、由美子とも合流する。

そしてなぜか莉子も一緒にいた。


「おはよう、晴道。これ、チョコレート」


由美子はなんでもないように渡してきた。

そして莉子も。


「あっ、あの……これ、じ、自分で作ったの」

(晴道が受け取ってくれなかったら、泣いちゃう)


そこまで緊張しなくても……。

強い心の中の声まで漏れているし。


「二人ともありがとう、すごく嬉しいよ」

(今晩は千紗の番だから、今のうちに渡したの)

(やった、やった、やったーーー!)

「今日は莉子も一緒にバレンタインディナーショーに呼ばれているの」

「えっ、それって花月さんに?」

「ええ、そうよ」


花月さん、お膳立てが露骨過ぎませんか?


⸻


Scene003【教室】


⸻


早紀と教室に着くと、京子が声をかけてきた。

そしてなぜかクラスの女子全員が並んでいる。


「晴道、これクラスの女子全員から」


京子の手にはいかにも高級そうなチョコがあった。


(晴道にチョコを直接渡せるなんて、嬉しすぎる!! このために頑張って音頭を取ったの)


京子の強い心の中の声が聞こえてくる。


「みんな、ありがとう!!」


いや、これは本当に嬉しい。

でも――


「晴道だけいいよな」


当然そんな声が上がるが、京子がその声に応える。


「みんなの分もあるわよ!」

「うぉーーー!」


盛り上がるクラスの男子たち。


「でも、その前に、大橋くん、大杉くん、大塚くん」


大トリオと呼ばれている、なかなか女子に人気のある3人だ。


「こっちに来て」


そこには3人の女子が並んでいた。


「「「これ、受け取ってください!」」」

「「「えっ!?」」」

「「「本命チョコです!!」」」

「うぉーーー! すげーーー!」


さらに盛り上がるクラスの男子たち。


(この子たち、こうでもしないと告白なんてできそうになかったからね!!)

「はい、残りの男子は一列に並んで。友チョコだけれどもね」

「それでも十分っす!!」

「生まれて初めて女子からチョコもらうよ~!」


クラスの女子が手分けして、残りの男子たちにチョコを配っている。

そこに京子の強い心の中の声が聞こえてくる。


(みんな、平等にチャンスがないとね。私はこうやって、晴道を見ていられればいいから。今晩は千紗ちゃんの番だし)


周りを見渡すと、大トリオの3人は、それぞれのお相手の女子といい感じになっているようだ。

京子のお手柄だ。


「京子、いつもありがとう」


俺は唐突だと自覚しながら、京子のことを軽くハグした。

(えっ、えっ、えええええええ!?)

「俺は、みんなのことを第一に考えてくれる京子のことが大好きだよ」

(なっ、なっ、何言っているの!?!?)


これは俺の本当の気持ちだ。

これだけはちゃんと伝えておきたかった。


(うっ、嬉しい、嬉しすぎる……!)


俺は京子の頬に軽く頬を合わせる。


(ぷっしゅーーー)


真っ赤になる京子。


(京子、よかったね!!)

(頑張った甲斐があったね!!)


クラスの女子たちから温かく強い心の中の声が聞こえてくる。

うん、京子はみんなに慕われているんだな。


⸻


Scene004【閑話】


⸻


その日のバレンタインディナーショーに参加したメンバーと配席は、この通り――。


一ノ瀬花音/橋本花月

小泉沙織/小泉洋介

里塚由美子/早乙女莉子/中里京子

阪本梨子/島村千鶴

斉藤守/水野栞/水野早紀


有名な歌手がラブソングを歌い上げる中、フレンチのディナーコースが振る舞われていた。


皆が理解している。

これは花月が晴道と千紗を二人きりにするための企みだということを。


花音/花月

「私たちは愛人枠だものね、こんな特別な日は正妻の番よね」

「花月、いつからこんなこと企んでいたのよ」

「千紗ちゃんがね、守さんたちの旅行のために順番を譲ったって聞いたときにね。

ちゃんと報われるべきだと思ったの」


沙織/洋介

「晴道と千紗ちゃん、うまくやれているかしら」

「晴道は大人だ、大丈夫さ。

俺たちは俺たちで楽しもう」

「あら? 夜も?」

「もちろんだ、晴道に弟か妹ができるかもな!」

「ばっ、バカ、何大きな声で言っているのよ!」


由美子/莉子/京子

「私、晴道に頬にキスしてもらったの!!」

「私もしてもらった!!」

(それって、頬を寄せただけなんじゃ……)


梨子/千鶴

「なんで、私がおっぱい女優と同席なのよ!」

「まあまあ、梨子さん、あぶれ者同士ってことで」

「何があぶれ者よ! 私も晴道と一緒が良かった!」

(でも、こうして素直に千紗ちゃんに機会を与えられる。流石は晴道憧れのお姉ちゃんね)


守/栞/早紀

「栞さん、今晩は……」

「はい、ぽっ」

「あの、今晩は私も同室なんですけれど!!

私、明日は朝から学校だし、ママも会社でしょ!!」


そんな夜が過ぎていくのだった。


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