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人の心が見える俺にはハーレム生活イージーモード、でも一人に絞るのは無理ゲーだったin二度目の人生。  作者: iron-bow
第10話【その親子、平穏につき】

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ep006:その親子、平穏につき

⸻


Scene023【選択】


⸻


朝食は地獄の気まずさだった。


ただし、部屋に戻った頃には、もう元の空気に戻っていた。

栞さんと守さんはずっと手を握っていた。

しかし、ふと栞さんの表情に冷静さと母親の顔が戻った。


「早紀、少し話があるの。いいかしら?」

「はい、お母さん」


早紀の栞さんの呼び方も戻った。

二人とも心の中の声は聞こえない。

俺が耳を澄ませていないこともあるが、

二人が冷静な証拠だ。


「早紀、お母さんは守さんと結婚しようと思うの。

こちらの守さんを“お父さん”と呼べるかしら」


いつの間にそこまで……。

それに早紀ははっきりと答えた。


「お父さんと呼べるかはまだ分かりません。

でも、お母さんの再婚には賛成です」

「早紀は、水野早紀のままでいることも、

斉藤早紀になることも可能よ。

守さんの養子になることも、

守さんの養子にならないまま、

私の子として斉藤姓になることも」


難しい選択だと思う。

でも早紀の選択は早かった。

守さんに視線を向けて言った。


「私を守さんの養子してください、

お母さんと一緒に家族になります」


それは幼い頃に父親を亡くした早紀が、

家族を求めた結果かもしれない。


「今すぐ小泉早紀になれるなら、

そっちの方が良かったのだけれどもね。

女の私はもう結婚できるけれど、

男の晴道は18歳になるまで無理よね」


そう言って、満面の笑みを浮かべるのだった。


早紀さん、さっきは『由美子さんや千紗ちゃんから、晴道くんのことを奪おうなんて思わないの』なんて言っていませんでしたか?


そんな俺の心の中の声が聞こえたわけでもないだろうに、早紀はこう続けた。


「晴道くんが……私を選んでくれるなら、

それは奪うことにはならないよね」


はは、それはそうだ。

全ては俺が選ばないといけないんだよな。


守さんは栞さんを一生守ると決めた。


俺は今世、晴花に再会することを目標に生きてきた。

けれども誰と結婚しても晴花に逢えると気づいた時、

自由に女性を好きになろうと決めた。


でもいつかは選ばないといけないんだ。

俺はその時、どんな選択をするんだろうか。


でも、俺の周りは素敵な女性ばかりだ。

今日もこれで締めよう。


「人の心が見える俺にはハーレム生活イージーモード、でも一人に絞るのは無理ゲーだった」


⸻


Scene024【閑話】


⸻


私は晴道が

『でもいつかは選ばないといけないんだ』

そう考えた時、『私を選んで!』と頭に浮かんだ。


ああ、私は晴道が好きなんだ。

晴花のパパとしてではなく。

一人の男性として、一人の女性としての私を愛してほしいんだ。


個ではなく群として存在していた情報生命体の私の中に生まれた“我”。


でも、私と晴道の間には大きな次元の壁がある。

晴道と触れ合える肉体だって持っていない。

私にできるのは、晴道を見守ることだけ。


それが悲しかった。


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