ep004:その親子、絶景につき
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Scene013【定番】
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俺たち四人はプールで遊び始めた。
筋肉隆々の守さんと長身巨乳美人の栞さん。
(自分で言うのもなんだが)さわやかイケメンの俺とロリ巨乳の早紀。
目立つ。とても目立つ。
ワイン風呂、コーヒー風呂、流れるプール。
どこに行っても注目の的だ。
そして来てしまったウォータースライダー。
うん、お約束の時間だ。
守さんと俺は出口付近で待機し、二人で目と目で合図。
「きゃーーー!」
栞さんが流れてくる。
ジャッパーン!
「あははは!」
栞さんが立ち上がろうとした瞬間、
「うぉぉぉぉぉ!」
守さんが猛ダッシュ。
立ち上がった栞さんを抱きしめた。
「えっ、守様?」
栞さん、守様とか呼んでるよ……。
それより、自分の状態に気づいて!
「あの、栞さん、水着のトップがですね……」
そう、お約束のポロリを守さんが身体を張って周りから隠したのだ。
俺がフォローに入り、流されたトップを見つけ出し、栞さんに手渡す。
「ありがとうございます」
栞さんは守さんの胸元で隠れながら、トップを着けた。
定番イベントだ。
(守さんには見られたのでしょうか?
少しだけ早いですが、仕方ないですね)
おーーい、『少しだけ早い』って、いつどこで見せるつもりでしたか??
「きゃーーー!」
早紀が流れてくる。
ジャッパーン!
「こわーい」
うん偉い、早紀はちゃんと手でトップを抑えていた。
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そんなこんなで昼時になる。
栞さんと早紀に席を確保しておいてもらい、昼食を買い出しに行く。
買い出しから戻ると、若い兄ちゃんたちに二人がナンパされていた。
「お姉さん、俺たちと泳ぎにいかないかい?」
「私の守様に勝てたら、考えてもいいですよ」
「守様? いいぜ、俺たちの強さを見せてやる」
ニヤニヤしている兄ちゃんたち。
栞さんの視線の先には俺たちが。
「栞、こいつらは」
守さんの周りを凍りつかせるような、ドスの利いた声が響く。
「えっ、あっ、いや、なんでもないです!」
まさに尻尾を巻いて逃げ出した。
これも定番。
「おかえりなさい、守様」
(かっこよかった……栞、濡れちゃう)
いやいや、どこが濡れちゃいますか?
俺たちプールから上がったばかりで全身濡れていますよね!!
これは定番じゃないから。
屋台レベルの焼きそば、ラーメン、カレー。
そんなメニューも、このメンバーで食せば極上の味に感じる。
これも定番。
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Scene014【絶景】
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俺たちは食事の後、休憩して、またプールへと向かう。
「晴道くん、来て来て、気持ちいい!」
早紀は子ども向け施設にある、巨大な樽に水を溜めて、満杯になったら一気にひっくり返して滝になるアトラクションにいた。
ザッパーン!
「きゃーー」
「まだかな、まだかな」
ザッパーン!
「きゃーー」
えっと、それ、ウォータースライダーと同じくらいやばくないですか?
集中して、早紀のトップの紐を観察。
ザッパーン!
「きゃーー」
あっ、ほどけかけてる。
ザッパーン!
「きゃーー、って、え? なんで私、晴道くんに抱きしめられてるの?」
早紀のトップの首紐がほどけたのを見た俺は、
ダッシュして早紀に抱きつき、
おっぱいが露わになるのを防いだのだ!
「早紀、水着、上」
「えっ? えっ? きゃーー!」
「大丈夫、首紐がほどけただけだから、落ちてない」
ペロンとめくれてはいるけれどもな。
「晴道くん、見た?」
早紀は俺の胸元に隠れながら、トップを直す。
「いや、見てないよ」
「よかった」
ごめん嘘だ、全集中して観察していたから、
まるでスローモーションのように、はっきりと見ちゃったよ。
(晴道くんになら、見られてよかったのに)
ごめん、よく考えたら、ほどけそうなのに気づいた時点で声をかければよかったのでは?
それはともかく――。
あれは、間違いなく絶景だった。
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ふと気づくと、守さんと栞さんがいない。
「ママ、守さんをどこに連れ込んだのかな?」
早紀さん、言い方!!
「あっ、いたいた。ママ、どこに行ってたのよ」
「ふふふ、ちょっと洞窟風呂にね」
あれ? 守さんの様子がおかしい。
耳を澄ませてみる。
(見てしまった。こんなところで見てしまった。絶景だった……)
えっと、栞さん?
守さんに何を見せたんですか!
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その後は絶景露天風呂へと四人で行った。
雄大な景色に心が洗われた。
溜まった煩悩が溶け出していく。
絶景だった。
まあ、煩悩はまたすぐに溜まるんだけれどもな。
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Scene015【チェックイン】
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「さぁ、そろそろホテルへ移動しようか」
守さんがそう言い、俺たちは移動を始めた。
「ホテルにも大浴場がありますので、ゆっくりとお風呂に入るのはそちらで」
また更衣室を出たところで待ち合わせをすることに。
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合流してホテルへチェックインした。
「お待ちしておりました、斉藤様。
本日二部屋、計4名様のご予約ですね。
お預かりしております荷物につきましては、申し訳ございません、
荷物の部屋割りが不明でしたので、1部屋にまとめて届けさせていただいております。
後ほどご案内いたします係の者が移動させていただければと存じます」
「いや、自分で移動させますので、大丈夫です」
「承知いたしました」
「それでは、こちらの宿帳に記載をお願いいたします」
係の方がそう言うと、守さんと並んで受付にいた栞さんがペンを取った。
宿帳に記述をする栞さんから心の中の声が聞こえた。
(斉藤守・栞 住所は東京都大田区……マンション308号室)
(小泉晴道・早紀 住所は同じで208号室)
しっ、栞さん、何書いているんですか!?
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俺たちは係の方に連れられ、荷物が届けられている部屋へと入った。
「良い部屋ですね」
思わずつぶやく。
「景色も素敵」
早紀もため息をついた。
そこで栞さんが爆弾発言を行った。
「部屋割りは、同い年同士で良いわよね」
なっ、何言っているんですか!?
「いや、そういうわけにはいきません」
守さんも、当然そう答えるが、
「えっ、守さんは栞と同じ部屋は嫌ですか……」
「そんなわけありません!!」
いやいや、守さんは良いよね。
「でも、俺と早紀はそういうわけには!」
ここは押さえるべきところ!
「えっ、車の中で『晴道くん、早紀のことよろしくね』ってお願いしたら
『はい、分かりました』って答えてくれたと思ったのだけれども?
もう夫婦も同然よね?」
(私と守さんと一緒で)
そっ、そうきたか!!
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とりあえず、温泉に入ってから決めようということになった。
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Scene016【本音と本気】
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雄大な景色の露天風呂に浸かりながら、
守さんが切り出した。
「栞さんは素敵な方だよな」
「ええ、可愛らしくて、美人で、スタイルもよくて」
俺は心の底から本音でそう言った。
守さんがいなかったら、マジでやばかった。
早紀を差し置いて、ガチ惚れするところだった。
だって長身巨乳美人だし。
守りたくなっちゃうし。
「俺は負けんぞ」
守さんの目がガチだった。
守さん、俺の心の中の声は聞こえませんよね?
「これからの俺の人生、栞さんを支えるために使っていく」
守さんは本気だった。
そこに守さんの強い想いが漏れてくる。
(洞窟風呂のあれは絶景だった。生まれて初めて触った……)
えっ、触った?
つーーか、生まれて初めてって!?
(どうすれば上手くできる? 三十五にもなって経験がないなんて、どうして言えよう。晴道はライバルだ、相談できん)
いやいや、仕事一辺倒だとしてもね。
(しかし、今晩は……今晩こそは決める!!)
守さんのダダ漏れの本音がすごかった。
「晴道、栞さんのこと、狙ってないだろうな!」
守さんの目つきが、あのプールでナンパのお兄ちゃんを蹴散らした時と同じレベルだった。
この身に受けて実感する。
これは怖い。
俺には、由美子、花音さん、梨子お姉ちゃん、花月さん、千鶴、早紀――六人もの愛した女性がいる。
ちなみにこれは体の関係を持った順だ。
そして、体の関係こそないが、心の底から愛している香織姉さんと千紗の二人もいる。
これ以上余裕ないですって。
そんなこと口にはできないが、はっきり言おう。
「はい、絶対にないです」
「妄想したこともないか?」
「えっ?」
(俺なんてな、栞さんのことを考えて、毎晩のようにだな……)
「俺なんてな、栞さんのことを考えて、毎晩のようにだな……」
まっ、守さん! 考えていることが口に出ています!
いや、俺だって、早紀と栞さん二人同時にって妄想したことはあるけれども!
「二人同時になんて、考えてないだろうな!」
いや、だから守さん、俺の心の中の声を聞いていませんか!?
男同士の裸の付き合い。
本音を割って話すのは大事だけれども。
これはぶっちゃけ過ぎませんか?
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Scene017【閑話】
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『六人もの愛した女性がいる』
パパがそう考えた時、私が思ったのは
『晴花は愛してもらったことがない』だった。
えっ、それって……。
私と晴花は同一化している。
でも晴花はパパの最愛の娘。
世界で一番愛されているはず。
それなのに、私の中にあふれたのは”嫉妬”という感情。
私も「一人の女性」として愛してほしいという気持ち。
今までパパの周りで観測してきた女性たちの中で、
必ずと言っていいほど見られてきた感情。
それが、私の中でも生まれている。
私は世界一愛された娘、晴花じゃなかったの?




