ep008:その幼馴染み、負けヒロインにつき
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Scene026【閑話】
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私、如月千紗は──。
最愛の晴道としっかりと手を取り合って、部屋に戻った。
そして、二人の距離が自然とゼロになる。
ああ、ついに私にも、その甘い瞬間が訪れるんだ。
勝負下着に着替えておいて本当に良かった。
しかし、その瞬間。
ピンポーン
がちゃがちゃ。
鍵を開けて、花月さんが普通に入ってきた。
「なっ、なんで……っ!?」
なんで当然のように合鍵を持って入ってくるのよ!
私の驚愕の表情に、花月さんは不思議そうに応えた。
「なんでって、夕食を作りに来たんだけど。
だって千紗ちゃんが『しばらくドラマに集中したいから、夕食を作りに来られない』って言ったから、
私が代わりに作りに来ているのよ?」
そ、そうだった……!!
「あ、あ、ありがとうございますっ!
でも、私もそろそろ夕食作りに復帰しようかなって思っていて……!」
そうだ。もう星であることにこだわらなくて良いんだ。
「うーん、私は構わないんだけど、沙織さんに聞いてもらえるかしら?
私はどうせ花音の分と一緒に作るだけだから、どっちでも良いんだけどね」
「えっ、沙織お母様の……? それに、花音さんの分って……?」
(一体どうなっているのよ、晴道!)
私は心の中の声で晴道に問いかけた。
でも晴道は普通に声に出して応えてきた。
「沙織母さんは、花月さんの食事を『料亭の味よ!』ってすっかり気に入っちゃっていてね。
今日はたまたま帰るのが遅くなるみたいだけど、
いつもは前よりずっと早く帰ってくるんだ。
それに花月さんは、花音さんのお世話係で花音さんの分の夕食も作らなきゃいけないから……
花音さんも、ここで一緒に夕食を食べているんだよ」
えっ……それって……。
夕食を作るのも、晴道と一緒に食べるのも、
幼馴染である私の特権だったのでは……?
呆然とする私に、花月さんはフッとからかうような笑みを浮かべて告げてきた。
「千紗ちゃん。あなた、自分から幼馴染の優位性を手放しちゃったのよ?」
「なっ、なんだってぇ~~~~~!」
私の悲痛な叫び声が小泉家に響き渡るのだった。
今回、晴道が思い出したのは
前作
三人のヒロインとシェアハウスすることになった僕は、全員を本気で愛して呪われてしまった。 ――告白は観覧車のてっぺんで
〉千紗はね、どの人生でも、いつも俺の隣にいてくれたんだ
【第14話】告白は、観覧車のてっぺんで
https://ncode.syosetu.com/n8087lr/157/
【第17話】─ 番外編:芸能界編
https://ncode.syosetu.com/n8087lr/180/
〉あの香織姉さんですら
【第15話】After the Ferris wheel
https://ncode.syosetu.com/n8087lr/162/
となります




