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人の心が見える俺にはハーレム生活イージーモード、でも一人に絞るのは無理ゲーだったin二度目の人生。  作者: iron-bow
第06話【その幼馴染み、負けヒロインにつき】

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ep004: そのドラマ、話題沸騰につき


Scene010【バースデイパーティー】



九月末、ハードな撮影スケジュールが続く中、俺の誕生日がやってきた。


その日もドラマの撮影が続けられていたのだけれども、

比較的早めに撮影が終わった後、俺は香織姉さんに近くのホテルのパーティールームに連れられて行った。

ドアを開けると、そこには大勢の撮影スタッフに、

瑞月さん、千鶴さん、千紗はもちろん、

花音さん、花月さん、由美子、梨子お姉ちゃんまでいた。


「ハッピーバースデー、晴道!!」


そう、俺のシークレット誕生日パーティーが開かれたのだ。

正直、みんなの心の中の声で事前に知ってしまっていたのだが、それでも嬉しいことには変わりない。


これは立食パーティー形式で、俺の誕生日を祝うだけでなく、

大変なスケジュールで撮影を続けなければいけなくなったスタッフ全員への慰安も兼ねていたらしい。


予算は、花音さんがポンとポケットマネーで出したそうだが、心の中の声では――


(ふふふ、これで撮影スタッフに顔を売れたわ。これでいつ撮影現場に顔を出しても良いわよね)



そんな思惑が漏れてしまっていた。


このレベルのパーティーって、何十万円で済むものなのか?

やっぱり花音さん半端ない。


しかしなぜか、俺への誕生日プレゼントは無かった。

後から花月さんに聞いたことだけれども、俺へのプレゼントをどうするかで女性陣の壮絶なる駆け引きが続いた結果、

『今年の誕生日プレゼントは誰もあげない』

という結論になったらしい。


ちょっと、いや、かなり寂しい。


ちなみに、俺の誕生日の三日前は香織姉さんの誕生日で、三日後は梨子お姉ちゃんの誕生日だ。

香織姉さんには誕生日当日に、すでにプレゼントを渡している。

梨子お姉ちゃんにも三日後の当日に渡すつもりだ。



香織姉さんに選んだのは、シルバーのチェーンに、向かい合う二匹のイルカがハートを描き、その中心に小さな宝石が輝くネックレスだ。

そのデザインは、前世で同じく高校一年の時、香織姉さんへ贈ったものと同じ。


でも、中央の石だけは変えた。

前世ではガーネットだった中央の石を、今世では誕生石であるサファイアに。

前世と違い、今の俺は香織姉さんの想いを知ってしまっているから。


サファイアの石言葉は――『誠実な愛』『一途な想い』『変わらぬ愛』『信頼』。


誠実に俺を支え続けてくれたこと。

誰よりも一途に想い続けてくれたこと。

どんな人生を繰り返しても、変わらず俺の傍にいてくれたこと。

そして、誰よりも信頼できる、俺の専属マネージャーでいてくれたこと。

これ以上、香織姉さんに似合う宝石は無いような気がした。



梨子お姉ちゃんに選んだのは、ひまわりをモチーフにしたネックレスだ。


正直、深い意味があったわけじゃない。

でも、ショーケースの中でそのひまわりを見つけた瞬間、真っ先に浮かんだのは、あの日の梨子お姉ちゃんだった。

黄色いワンピースに、麦わら帽子。

夏の日差しの中で笑う姿が、このひまわりに重なって見えたんだ。


ひまわりの花言葉は――『憧れ』『あなただけを見つめる』『希望』『前向き』。


いつも太陽みたいな笑顔で周りを明るくしてくれること。

どんな時でも前を向いて、一歩踏み出す勇気をくれること。

そして俺にとって、ずっと憧れのお姉ちゃんだったこと。

これ以上、梨子お姉ちゃんに似合うモチーフは無いような気がした。



Scene011【話題沸騰】



ここからは暫し、晴道から離れた第三者の視点で物語を語ろう。


十月に入り、ドラマの第一話が放映されると、

世間は瞬く間に話題沸騰となった。


千紗の、ドラマ初出演とは思えない素晴らしい演技を高く評価する声も多かった。

しかしその声は、何の事前情報もなく出演した千鶴の話題によって、かき消されてしまうこととなる。


もちろん高校の校内でも、千紗の話題で持ちきりになっていた。

しかし、それは必ずと言っていいほど、晴道とセットで語られた。

そのことが、千紗の心をさらに落ち込ませる。


しかし、彼女は撮影現場に入ると、そんなプライベートの葛藤を周囲に全く感じさせなかった。

それは十分、女優としてプロフェッショナルな資質と言えた。

それでも、あくまで自ら光り輝くスターを目指す千紗は、現状の評価に満足を得ていなかった。


翌週に第二話が放映されると、

事前情報にあった「和也を中心とした恋の争い」は、

物語の全くの前座に過ぎなかったことが、

はっきりと誰の目にも分かるようになる。


だが、この状況を快く思わない者がいた。

降板した和也を演じる俳優が所属する、

大手芸能事務所の社長である。


彼は、主演男優を引き上げさせれば、

製作プロダクション側が困り果てて泣きついてくるだろうと考えていたのだ。

しかし、実際にはそうならなかった。


さらに第三話が放送されると、作中の女性たちの想いが全て晴道へ向いていることが明確になり、誰もが彼こそがこの物語の中心人物なのだと気付き始める。


そして同時に、この一見派手な物語を、下からしっかりと支えているのが千紗であるということにも、

目聡い者たちは気付き始めていた。

瑞月と千鶴という、強烈な存在感を放つ二人の女優の激突。

その対立のバランスを、千紗の演技が見事に調和させていたのだ。

多くの視聴者が、千紗という少女に「将来のスター」の片鱗を感じ始めていた。


そんな中、密かに動き出す者がいた。

例の大手芸能事務所の社長である。



Scene012【閑話】



大手芸能事務所の社長は傲慢で独善的だったが、決して無能ではなかった。


あのドラマがもはや、晴道と千紗によって成り立っていることを正確に見抜いていた。

そして、撮影スケジュールが限界まで遅れているということも。

もし今、晴道と千紗が一時的にでも撮影に参加できない状況を作れば、ドラマ制作は放送に間に合わなくなるということも。


彼はもはや、自社の俳優を戻すことなど考えてもいなかった。

自らのメンツのために、あのドラマを潰せればそれでよかったのだ。


だから、狂行に走る。

その先に待つ結末など知る由もなく。

今回、晴道が思い出したのは

前作

三人のヒロインとシェアハウスすることになった僕は、全員を本気で愛して呪われてしまった。 ――告白は観覧車のてっぺんで


〉そのデザインは、前世で同じく高校一年の時、香織姉さんへ贈ったものと同じ。


【第11話】エピソード1 ― シェアハウスで始まってしまった物語 ― 千晴

https://ncode.syosetu.com/n8087lr/136/


となります


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