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人の心が見える俺にはハーレム生活イージーモード、でも一人に絞るのは無理ゲーだったin二度目の人生。  作者: iron-bow
第06話【その幼馴染み、負けヒロインにつき】

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ep003: そのスター、圧倒的につき


Scene007【スター】



千鶴……いや、今世では年上だから、千鶴さんと呼ぶべきか。

俺は千鶴さんと再会してから、彼女のことを調べてみた。

俺はグラビアアイドルに興味が無いので知らなかったが、驚くべきことに、彼女はグラビアクイーンとして有名だった。

そして、女優としても存在感を放ちつつあるという。

そして、千秋()はいなかった。

いや、もちろん一般人としては居るのかもしれないが、グラビアアイドルとしての千秋は存在しなかった。


俺はふと思う。

今世では千鶴と千秋、二人で一人の「千鶴さん」として存在しているのではないだろうか。



「その役、私に受けさせてもらえない?」


千鶴さんのその声に、場がざわついた。


「グラビアクイーンの千鶴だよな」

(やっぱり、エロいな)

「存在感凄いな」

(オーラか?)

「ああいうのをスターっていうんだろうな」


そんな周囲の声を聞いた千紗は、また落ち込んでしまう。


(なに、あの輝き……。あれをスターっていうの?)


「それは、島村社長の孫娘としてですか?」


監督の言葉に、さらに場がざわめく。


「島村って、メインスポンサーの?」

「えっ、そうなの?」

「スポンサーのごり押し?」


そんな中、千鶴さんははっきりと宣言した。


「いいえ。女優、千鶴としての立候補よ」

(晴道様と一緒に仕事できるなら、出演料なんていらないわ!)


一瞬で場が静まり返る。


(かっこいい……)

(スターの貫禄ってやつか?)


それに、監督が応える。


「スポンサーのごり押しなら断るところですが、

それなら大歓迎です」

(この前出演してもらったドラマ、あの演技は良かったからな)

(彼女なら、もうイメージ沸きまくりっす!)


(私は……スポンサーのごり押しだった……)


さらに落ち込む千紗に、俺は言ってあげたかった。

『最初の起用はそうだったかもしれないけれど、継続は監督たっての希望なんだよ』と。

でも、心の中の声に直接応じるわけにはいかない。


だから、俺は千紗の手をそっと握る。


けれど、千紗は握り返してこなかった。


「契約はいかがしましょうか?」

「私はフリーでやっているから、今すぐにでも良いわよ」

(晴道くんと一緒に仕事をするために、スケジュールを全部キャンセルしてきたの。信用なんてどうでも良いのよ、晴道と一緒にいられるなら!)


心の中の声が怖いんですけれども……。


「分かりました、それでは今すぐに。

他の皆さんは申し訳ない。

至急シナリオを仕上げますので、

今日のところは解散で!」

(しばらく徹夜だな……)

「出ました、監督の定番無茶振りっすよ」

(でも、やってやるっす!)


その時、香織姉さんが声を上げた。


「今、主な登場人物で男性はうちの晴道だけなんですよね?」

「そういう状況ですね」

(もともと和也は舞台装置で、女同士の駆け引きがメインだったからな)


香織姉さんは満面の笑みで言った。


「じゃあ、女性陣全員が晴道に恋してしまえば良いんじゃないですか?」


千鶴さんがそれに即答する。


「それ、いいですね! 三人が彼を射止めるために競い合う。

演じ甲斐があります!」

(晴道様と恋仲、晴道くんと結婚、そして現実でも晴道とゴールイン!! きゃーきゃーきゃー!)

(私も演技が出来るなら、一緒に……! ドラマの中なら、結婚だってできるじゃない!! きゃーきゃーきゃー!)


二人が揃うと、心の声がうるさすぎる。


「なるほど、彼なら三人の女性が取り合っても説得力があるな」

(いける、いけるぞ!)


監督もやる気になってきた。


「晴道くん、後でインタビューさせてもらいたいっす!」

(特に女性遍歴! まだ高校一年生でも、きっと色々有りそうっすよ!)


シナリオライターさんの追及、めちゃくちゃ激しそうだ。


こうして、今世のドラマは、前世の三年後のドラマとほぼ同じ構成になっていくのだった。


千晴さんが演じた役を千鶴さんが演じることに変わったけれど、一体どんな結末を迎えるんだろうか。



Scene008【プロフェッショナル】



翌週には完璧なシナリオが準備され、撮影が再開された。


(流石に倒れるかと思ったっす……)


シナリオライターさん、本当にお疲れ様でした。

これぞプロフェッショナルなんだろう。


俺と千紗は、少しだけ授業を休んで撮影に来ていた。

二人とも成績は優秀で、先生方の信頼は厚い。

俺は剣道の大会でも好成績を残しているし、

千紗は仕上げた合宿レポートの評価が高く、

担当教師から「文化部の合宿レポートのお手本だ」と褒められていた。


だから、撮影のための休みは簡単に許可された。


ちなみに新学期は先週から始まっているので、

当然、花音さんも戻ってきている。


「私も撮影現場に行ってみたいな〜」

(ねえねえ晴道、連れて行って。お・ね・が・い)

「花音は授業があるから駄目でしょ!!」

(晴道が心の中の声でなんて言ってるか知らないけれど、甘やかしたら駄目よ)

「じゃあ、天文観測部の顧問として!」

「天文観測部の顧問がなんで、ドラマの撮影に付き添うのよ!」


そんなやり取りが小泉家のダイニングでもあった。


なぜそんなことになっているかというと、

千紗が演技の勉強で放課後レッスンに通っており、

小泉家の夕食を作りに来るのを休んでいるからだ。

その代わりに、今は花月さんが作りに来てくれているのだ。



話が逸れた。


撮影は順調に進んだ。

驚いたのは、千鶴さんが撮影を開始すると、一切心の中の声が聞こえなくなったことだ。

普段はあれほど騒がしいのに、それだけ役に集中しているということだろうか。

これぞプロフェッショナルなんだろう。


俺は演技をしている時の千鶴さんに見とれてしまい、

千紗がどこか哀しそうな顔で俺のことを見ていたことに、この時はまだ気付いていなかったんだ。



やがて、シナリオ改変のあったシーンを撮影し直し、

編集し直された一話から三話が一気に上がってきた。

裏方のゴタゴタを一切感じさせない。

初めからこのストーリーだったのだと思わせる、完璧な仕上がりだった。

監督の手腕、これぞプロフェッショナルなんだろう。



Scene009【閑話】



パパを見守り続ける私は、

パパの近くに現れた”一人の”女性に気づき、

ふとある事を思い出していた。


それは、前回の世界で晴花が生まれる前から、気に掛けていた”二人の”少女。

その”二人は”『いつまで経っても、妹分から抜け出せない』ことに心を痛めていた。


だから、私は今回の世界を始める時に、

その二つの魂をそっと寄り添わせた。


そうすれば今世でのパパとの関係にも変化が出るだろうから。


そしていま、”一人の”女性は確実にパパに女性として意識され始めている。

それは年齢の変化だけではなく、もっと根源的な魂の関係性。


私はその関係性の変化に胸を躍らされた。

自分でもなぜ胸を躍らされるのか、分かっていなかった。


今回、晴道が思い出したのは

前作

三人のヒロインとシェアハウスすることになった僕は、全員を本気で愛して呪われてしまった。 ――告白は観覧車のてっぺんで


【第17話】─ 番外編:芸能界編


〉いや、もちろん一般人としては居るのかもしれないが、グラビアアイドルとしての千秋は存在しなかった。

https://ncode.syosetu.com/n8087lr/188/


となります

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