ep002:その隣人、有能につき
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Scene006【彼氏】
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翌日、俺は千紗と駅前に買い物に出掛けたところで、花月さんを見掛けた。
「あっ、花月さ……」
千紗が声を掛けようとした時、気付いた。
「ナンパされてる」
「そりゃ仕方ない、あんなに美人なんだから」
俺の呟きに、千紗が心の中の声で突っ込んだ。
(昨日まで、美人なんて言い方しなかったのに。一日で何があったのよ)
あっ、いや、そうだっけ?
「お姉ちゃん、お茶くらい付き合えや」
いや、ここまでいかにもチンピラだって奴、まだこの世に居たんだな。
「何度もお断りしているはずですよ?」
花月さんは本気で迷惑そうだ。
「分かってるよ、彼氏待ちなんだろ。
その彼氏が来るまでで良いからよ」
えっ、彼氏がいるの?
聞いてないよ!
俺は何かモヤモヤした。
「晴道、花月さんのこと、助けてあげてよ」
(本気で嫌がってる、早く早く)
「あっ、彼氏が来たわ」
花月さんは、こっちを見て言った。
良かった、彼氏ってナンパよけか。ならちゃんと役に立たないと。
「彼氏の許可を得られたら、お茶だってなんだって付き合ってあげるわ」
「あんだ、まだガキじゃねえかよ」
(一発脅してやって、許可取ったってことにして、ホテルへ連れ込んでやる)
俺は心底、腹が立ってきた。
「でも気をつけてね、私の彼氏は一人で熊を倒せるのよ」
(晴道、しつこいよ、助けて)
「がはは、じゃあ俺様は熊より強いな」
俺はあの熊との死闘すら侮辱された気になって……
「失せろ」
その言葉に、あのドーベルマン達を一撃で退散させた威嚇と同等の力を乗せて放った。
「しっ、失礼しました〜!」
チンピラは腰を抜かして、へこへこと歩いて行った。
ズボンの股間が濡れているのは見なかったことにしてやろう。
「晴道、ありがとう。助かったわ」
(それに、格好よかった)
「千紗ちゃんごめんね、デートの邪魔しちゃって」
「いえいえ、そんなことないです」
(役に立てて良かった。それにやっぱり、私と晴道はデートに見えるんだ♡)
「それじゃ、デートの続き楽しんでね」
(邪魔しちゃった、千紗ちゃんごめんね)
花月さんは颯爽と去っていった。
「花月さんって素敵な人よね」
(花音さんにもどこか似てる)
千紗の無意識の呟きに、俺は。
「本当にそうだな」
心底そう思うのだった。
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Scene007【指導】
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翌日、俺と花月さんは千紗の部屋にいた。
合宿のレポートを作り始めるのだが、顧問の花音さんは忙しくて連絡が取れない。
だから、花月さんが見てくれることになったのだ。
「花月さんはね、花音さんと一緒にアメリカへ留学して、ハーバード大学に飛び級で入学したんだよ。
それで、花音さんと主席争いをしたんだって」
俺は、そんな優秀な花月さんの指導を受けられるなんて幸運なことだと、
千紗に教えてあげたくて言ったんだ。
でも、そこで花月さんが割り込んだ。
「違うわよ晴道、主席争いをしたのは高校だけ。
結局一度も勝てなかったしね。
私は大学では人から認められるような研究成果を出せてないの。
やっていたのは花音の助手みたいな事だけ。
だから花音が日本に帰るのに合わせて休学して、卒業してないのよ」
(花音を手伝うために、草の技術も使って源氏物語の古写本集め。私はそれが嫌じゃなかった、むしろやりがいを感じた。だから私は日本に戻って霞の者になる決意をしたの。花音を助けるために)
俺は花月さんのバックボーンを知って、感動していた。
だから、
(花月さん、自分に都合の悪いところもきちんと言えて、かっこよくて素敵……)
そんな千紗の心の中の声に、心底賛同した。
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「千紗ちゃん、レポートで一番何を伝えたいか考えて。
次に、それを誰に伝えたいか。
そこから積み上げていくの」
「星空を見た感動を、星空を見上げる余裕の無い人に伝えたいです」
「余裕の無い人?」
「はい。今の時代、皆が目の前のことでいっぱいで、夜空を見上げる余裕がないんだと思うんです。
そんな人たちに『一歩立ち止まって、夜空を見上げてみて。そうすればきっと心が軽くなるよ』って、そう伝えたいんです」
「素敵ね。だとすれば、まず自分があの夜空を見て、どれだけ感動したのかを伝えないとね」
(千紗ちゃんは本当に優しい子なのね)
俺はそんな二人のやり取りに見とれていた。
千紗の「皆の心を救いたい」という心意気。
それにそっと寄り添える花月さんの優しさ。
とても美しく思えた。
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千紗がレポートの作成を進めていると、美優さんが顔を出した。
「橋本さん、お夕食食べていきますよね?」
「えっ、あっ、はい! ありがとうございます、いただきます」
「はい、それじゃあ準備を始めちゃうわね」
そう言う美優さんに、花月さんは言った。
「私、手伝います!」
「それじゃあ、お願いしちゃおうかしら」
しばらくすると、キッチンから二人の楽しそうな声が聞こえ始めた。
俺と千紗は、そっと様子を覗いてみた。
「あら、いやだわ花月さんったら」
「本当です、美優さんは私からしたら、お姉さんって感じで……」
あっ、もう名前呼びになってる。
そんな二人の様子を見た千紗が、ふと呟いた。
「花月さん、凄くいいな。あんなお姉さんがいたら良いのにな」
(花音さんも好きだけれども、花月さんも好きだな)
俺は今、千紗のお兄さんの健一さんが居ないことを幸運に思った。
だって、健一さんは美優さんの息子で千紗の兄だけあって、美形で格好いいのだ。
俺と千紗のオタク的サブカルチャーの師匠ではあるけれども、それを差し置いてもモテる。
俺と千紗の3つ上で、花月さんと年齢も近いから会わせたくなかった。
この時の俺は、なぜそう思ったのか、まったく自覚できずにいた。
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Scene008【部活】
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剣道部の部活が再開した。
千紗が家族と旅行に出かけてしまうため、お弁当をどうするか考えていると、
花月さんが作ってくれることになった。
やった、楽しみだ。
花月さんは道場までお弁当を届けにきてくれた。
顧問の先生はデレデレして、見学していかないかと声を掛けていた。
仕方ないよな、あんな壮絶美人だから。
もしこの時、千紗もいたら
『先日は“あんなに美人なんだから”だったのに、“壮絶美人”にランクアップしている』と、
心底あきれたかもしれない。
けれど、この時の俺はまったくの無意識だった。
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昼休みに入ると、花月さんは部員皆に声を掛けた。
「みんな、一緒に食べない?
お弁当が無い人も、持っている人も、たくさんあるわよ」
花月さんは、とても大きなお重を持ってきていた。
食堂の一角を独占し、部員全員で花月さんのお弁当を囲んだ。
「すげぇ、うまい!」
中学から一緒に剣道をやっていた篠原潤が声を上げる。
「そうだろ、そうだろ」
なぜか俺は自慢げに言った。
「あんな美人、どこで知り合ったんだよ」
「俺の彼女さ」
「なっ、なんだってぇ~!」
潤が叫び声を上げる。
「声が大きい。冗談だよ。お隣に住んでるお姉さんさ」
「えっ、お前の隣のお姉さんって梨子さんだったんじゃ……」
「ああ、反対側の隣さ。両手に花ってやつさ」
そう言う俺に、潤はあきれ顔で言う。
「お前、足元にも学園一の美少女の千紗がいるんだし」
潤は少し複雑な顔をした。
潤は今世でも千紗のことが好きみたいだ。
「最近、里塚とも仲が進んだんだろ?」
バレバレか。
「まったく、お前のハーレム生活は羨ましいというか、なんというか……。
まぁ、気苦労も多いだろうがな」
潤はそう言いながら、花月さんの顔を眺めた。
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午後の部活が再開して、部員同士で軽い手合わせをすることになった。
俺は少しばかり、花月さんに良いところを見せたくなっていた。
だから潤と手合わせをした時、
「突きーーー!」
盛大に吹き飛ばしてしまった。
「大丈夫!?」
花月さんが吹き飛ばされた潤の元に駆け寄り、そっと抱き寄せ、面を外し、優しく見下ろした。
「動かないで。頭は打っていない?」
「あっ、はい……。とっさに受け身を取ったので、少し腰を打っただけです」
そう答える潤に、花月さんは安堵の息をついた。
「念のため、保健室へ行きましょう。
校医さんはいらっしゃるかしら?」
「いえ、夏休み中は居ないです」
そう答える担任に、花月さんは応えた。
「それじゃあ、私が付き添いますね。
手当てと看護の心得がありますので。
えっと、潤くんだっけ?」
(晴道がそう呼んでた)
「あっ、はい」
「じゃあ行きましょうか」
花月さんはそう言って、潤に肩を貸す。そして、俺の顔を一度見た。
その時、心の中の声が聞こえてきた。
(晴道は力加減を覚えないとね。由美子ちゃんはできているわよ)
うん、反省しないとな。
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Scene009【嫉妬】
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しばらくして、花月さんに付き添われて潤が帰ってきた。
「念のため、今日は帰りましょうね。私が送るわ」
花月さんにそう言われて、帰りの支度を始めた潤に俺は声を掛けた。
「潤、本当にすまなかった」
「良いってことさ。たまたま、いいところに入っちゃったんだろ」
「いや……俺の力加減の問題なんだ」
「力加減?」
「……ごめん、忘れてくれ」
そう言う俺に、潤は笑いながら言った。
「それにしても、花月さんって素敵な人だな。
好きになっちゃいそうだ」
「駄目だ!」
俺は思わず声を上げていた。
幸い、練習の騒音で潤以外は気付かなかったようだ。
「おいおい、千紗に里塚に梨子さんと居ても、まだ足りないのかよ」
(梨子さんとも仲が進んでいるって噂も聞いたし、これで花月さんも?)
「あっ、いや、なんで俺……」
この時になって、俺は気付いた。
俺は花月さんに介抱された潤に嫉妬したんだ。
俺のせいでそうなったのに、俺って最低だ。
「俺としては、花月さんとお前の仲が進んでくれた方が都合が良いんだがな」
「えっ?」
潤はにやりとして言った。
「そうしたら、千紗がお前を諦めるかもしれないだろ」
(まずそんな事無いと思うがな)
「えっ、いや」
「気付いていなかったのか? 俺は中学の頃から千紗のことが好きなんだ!」
やっぱり今世でもそうだったか。
でも、俺はこう返した。
「それは千紗次第だな」
「あーあ、自信たっぷりかよ。
これだからモテる男はよ!」
(俺は、お前のことが好きで一生懸命な千紗のことが好きなんだからな)
そんな潤の心の中の声も聞こえてきた。
そして俺たちは顔を見合わせて、心の底から笑った。
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Scene010【告白】
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俺が部活を終えて自宅に戻ると、花月さんが一人で夕食の準備を進めていた。
実は昨日、沙織母さんと花月さんとの間に、こんなやり取りがあったんだ。
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「花月さん、実はね、取引先から明日のホテルのディナーショーのチケットを貰ったの。宿泊権付きで。
取引先だからね、ちゃんと行って感想を伝えないと駄目なのよ。
だから明日、晴道の夕食をお願いしても良いかしら?
千紗ちゃんも居ないんでしょ」
「分かりました、大丈夫ですよ」
「ありがとう、これ合鍵ね」
「えっ、そんな! まだ早いです!」
(なんで? なんで?)
「ふふ、まだ早いって事は、そのうちゲットするつもりだった?」
「あっ、いや、あの、そういう訳じゃ……」
(うっ、言葉のあやというか、でも本当は欲しかった)
「全然早くないわよ! 晴道のこと、末永くお願いね」
「あっ、それって……」
(お嫁さんって認められた?)
「ふふふ」
(照れちゃって可愛い)
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キッチンで夕食の準備をしている花月さんは、夫の帰りを待つ新妻のようだった。
俺はそれが嬉しい。
もう誤魔化さない。
俺は花月さんが好きなんだ!
「もうすぐできるから、先にお風呂に入っちゃって」
お風呂。身体を清めて、それで花月さんと……。
(今日も美味しいの作っちゃうわよ)
いやいや、何を妄想しているんだ俺。部活帰りで汗臭いんだから、風呂くらい普通だろ!!
風呂から上がると、夕食の準備ができていた。
二人での食事は、まさに至福だった。
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片付けも終わって、花月さんが帰ろうとする。
「それじゃ、おやすみ晴道。
また朝食を作りにくるわね」
「嫌だ」
思わず声が出ていた。
「帰らないで」
花月さんは優しい顔で言った。
「なぁに、晴道くんは一人が怖いのかしら」
「違うんだ、花月さんと一緒に居たいんだ!」
俺は告白する決心をした。
唐突かもしれない。でも止められなかった。
「花月さん。好きだ、愛している。
俺には好きな人がたくさんいるから、花月さん一人だけを特別に愛するわけにはいかないかもしれない。
それでもよかったら、俺と付き合ってほしい!」
「90点ね」
花月さんがそう応えた。
「えっ?」
「そこはかっこよく、“花月”って呼び捨てにしてくれたら120点だったのに」
そして、俺はキスされた。
「でもね、付き合うのは嫌よ」
「えっ」
俺は絶望の淵に落とされる。
「だって、私は千紗ちゃん、由美子ちゃん、梨子ちゃんの邪魔はしたくないもの。
花音と同じで愛人枠で良いのよ。
ううん、花音の邪魔もしたくないから、愛人枠No2で良いわ」
「えっ、それって……」
「それでも、良かったら私のことを愛してくれる?
私は晴道のこと、精一杯愛するわ」
「はい、お願いします。
俺も花月のことを精一杯愛します」
そう応えるしかなかった。
そして、二人は一つになり、そのまま朝を迎えた。
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翌朝、俺は花月に、もう一つ告白をする。
「花月」
「何かしら?」
俺は一呼吸置いて言った。
「霞の者のレポートで知っていると思うけれども、
俺は人の心の中の声が聞こえる。
花月の本心も全て見えていた。
それでも、俺と一緒に居てくれるかい?」
俺の勇気を振り絞った告白に、花月は笑って答えた。
「なによ、今更そんな事」
「だって、何も本心を隠せないんだよ? 怖くない?」
そう言う俺に、花月さんはこう言ったんだ。
「いま、私の心の中の声が聞こえる?」
えっ、そういえば、昨晩愛の告白をした頃から、花月さんの心の中の声を全く聞いてないような……?
「気の放出を止めて、気配を消しているからよ。
霞の者の後方部隊よ? 作戦現場で見つからないように待機していないといけないの。
気配を消すなんて基礎中の基礎。
それは気の放出を止めるのにも通じるわ」
俺は驚愕した。
「じゃ、じゃあ、今まで花月から聞こえてきた、心の中の声は?」
「聞かせたい事だけ選択して、放出していたに決まっているでしょ」
「なっ、なんだって~~~!」
そう叫んでしまった俺に、花月は可愛らしく首を傾げて言った。
「あら、花音だって、由美子ちゃんだってやっている事でしょ? 当然じゃない?」
あっ、そういえばそうじゃん……。
俺は完全に花月さんの手のひらの上で転がされていたんだ。
人の心が見える俺にはハーレム生活イージーモード、でも、人の心が見えるが故に攻略されてしまっていた俺だった。
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Scene011【敵わない】
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俺と花月さんは朝食を終えた。
今日は部活が休みだ。
花月さんとデートがしたい。
俺がそう思った時、花月が話しかけてきた。
「そういえば、千紗ちゃんの誕生日どうするか決めたの?」
えっ……。あの、今俺は花月のことで頭がいっぱいで……。
「言ったでしょ、私は愛人枠のNo2。
ちゃんと彼女のことを考えてあげて」
「はい……。
ディナーは由美子の誕生日と同じ店を予約しているんですが、その後のことが決められなくて。
何か特別なことをしてあげたいんですが、
合宿が特別過ぎて、
それ以上のことが思いつかなくて」
それに対して、花月は何でもないように言った。
「じゃあ、晴道の部屋に泊めてあげたら?
近すぎて、逆にそんな機会なかったでしょ?」
そっ、それはそうだけれども。
「いえ、でも……今回は両親が外泊でしたが、
両親がいるなかでそういう訳には……」
「じゃあ、“また”何かきっかけを準備してあげる」
「えっ、それって……!?」
花月はあきれたような顔をして言った。
「あら、気付いていなかったの? 昨晩のディナーショーのチケット、私が裏で手を引いて手配したのよ」
「なっ、なんだって~~~!」
今朝2度目の俺の叫びが部屋に響いた。
俺、告白のタイミングすら花月さんにコントロールされていたんだ。
「花月には一生敵わない気がする」
思わず呟いた俺に、花月さんは応えた。
「ふふ、そうかもね」
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Scene012【閑話】
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観測者を止めた私は、パパを見守り続ける。
パパはまた、新しいママの候補を作ってしまった。
しかも、前世までには居なかった新しい人。
もやもやするこの気持ちは何だろう……。
それでも、私は見守り続けるしかない。




