ep007:その責任、全てにつき
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Scene035【梨子】
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花音さん達が部屋をでて、梨子お姉ちゃんと二人っきりになると梨子お姉ちゃんが声を掛けてきた。
「ねえ、晴道」
梨子お姉ちゃんは俺の事をずっと『晴道くん』と呼んでいた。
しかし、あの美由さんと由美さんの前で発した魂の叫び
『晴道は、おっぱいじゃ女性を選ばないもん!! 私の事が大好きなんだもん!!』
あれ以降は『晴道』と呼び捨てになっていた。
「私ね、言わなきゃいけないの」
(助けてくれたお礼、でも口にはしたら、またあの時の事を思い出しちゃうかも、怖い)
俺から言わなきゃ
「ごめん、梨子お姉ちゃん」
「えっ?」
「あの時、俺は梨子お姉ちゃんに言わなきゃいけなかったんだ。
『もう大丈夫だよ、もう怖くないよ』って」
「そんな…」
「それで、震えてる梨子お姉ちゃんを抱きしめてあげなきゃいけなかったんだ。
でもできなかった。
終わったら、恐くなって、震えていた。
俺が弱かったんだ」
梨子お姉ちゃんは目を見開いて叫んだ
「こんな事ない!
晴道は強いよ、私の事助けてくれた。
私のヒーローだよ」
「違うんだ、腕っぷしが強くても仕方ないんだ。
俺は心が弱かったんだ」
俺の心がまた沈み込みそうになったその時
「仕方ないよ、”晴道くん”はまだ十五歳なんだよ。
私の四つも年下の弟分」
そう言って俺の顔を胸元に抱えこんだ。
「嫌だ」
「えっ?」
「弟分なんて、嫌だ
”晴道くん”なんて呼ばれるのは嫌なんだ」
「晴道?」
俺は梨子お姉ちゃんから体を離し、
梨子お姉ちゃん、いや、梨子の目を真っ直ぐ見つめて言った。
「俺は梨子の事が好きなんだ!」
(えっえっ、えぇええええ、巨乳じゃなくても良いの?)
ぷっ、なんだよその心の中の声。
せっかくの告白が台無しじゃないか。
「『晴道は、おっぱいじゃ女性を選ばないもん!! 私の事が大好きなんだもん!!』だっけ」
(いやあぁあああ、思い出させないで、忘れてぇ)
「その通りだよ、俺は”おっぱいじゃ女性を選ばない”
梨子の好きなところ、何個でも言えるけれども聞く?」
「ううん、晴道の気持ちよく分かったから」
(そんなの、真顔で聞かされたら、恥ずかしくて死んじゃう)
「じゃあ、その代わりに」
俺は梨子を抱きしめて、キスをした。
「私のファーストキスだよ。
責任とってね」
(結婚)
おいおい、キスしたら結婚って、
今どきラブコメラノベのキャラにだっていないぞ。
俺は少し揶揄いたくなった。
「分かった、責任とって、梨子の初めてを全部貰うよ。
今すぐ」
恥ずかしがると思った、でも梨子は
「はい、お願いします」
そう言って、俺の胸に飛び込んできた。
こうして二人だけの時間が始まった。
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Scene036【告白】
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「梨子。好きだ、愛している。
俺には好きな人がたくさんいるから、梨子一人だけを特別に愛するわけにはいかないかもしれない。
それでもよかったら、俺と付き合ってほしい!」
全て終わった後、俺は梨子に告白した。
由美子や花音さんの時と同じ、順番が逆だ。
「ふぇーーん、初めてを捧げたのにぃ」
えっえええ。
「嘘よ、そんなの分かりきってたから。
でも付き合うからには、私はNo1を目指すからね」
(絶対負けないんだから!)
梨子の顔は自信満々だった。
だから、俺は正直に言う。
「千紗ちゃんは沙織母さんの胃袋掴んでいて、花嫁候補No1の座に居るよ」
(千紗ちゃんは晴道と産まれた時からの付き合い、1日の長があるから、勝てる気がしない)
「由美子は3年後のオリンピックのレギュラーメンバーになれたら、俺に求婚するんだって」
(由美子ちゃんのフィジカルおばけなら、そんなの確実じゃない、勝てる気がしない)
「花音さんは愛人枠にするから、愛人No1だって」
(花音さんの行動力半端ないから、勝てる気がしない)
梨子の表の顔と心の中の声のギャップが凄い。
(もう、これ言うしかないじゃん)
「なにそれ、梨子、わかんなーい」
「順番なんて無いんだよ、俺はみんなを同じように愛しているんだ」
「うぅ、そういうのずるい。
そんなの納得するしかないじゃん。
一番勝てないの晴道だよ!」
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Scene037【閑話】
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私は観測者だ。
観測者は観測対象に干渉してはいけない。
それが鉄則だ。
でも、私はそれを破った。
私はもう、観測者じゃないのかもしれない。
だから、もう遠慮をするのはやめた。
私はママ“達”にそっと手を差し伸べる。
そしてパパの生とママの生を少しばかり隔たせる。
パパったら、早く晴花に会いたいからって、気が早すぎない?
それに“二人同時に”晴花が生まれちゃったら、どうするつもりだったの?
ところで、観測者をやめた私は何者なのかな?
ねえ、パパ教えてくれない?




