表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人の心が見える俺にはハーレム生活イージーモード、でも一人に絞るのは無理ゲーだったin二度目の人生。  作者: iron-bow
第01話【そのハーレム生活、イージーモードにつき】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/23

ep002:その叔母の愛、爆音につき


Scene005【帰宅】



学校が終わると、千紗から夕食の買い出しに付き合ってほしいと頼まれた。


「今日は夕食の買い出し、手伝ってくれる?」

(香織の叔母さまが来る予定だけど、晴道には内緒にしておこっと)


こういう時、心の声が聞こえてしまうのは少し困る。

家に着いた時、自然に驚く演技をしなきゃいけないからだ。

学校からの帰り道にもスーパーはあるのだが、千紗はわざわざマンションを挟んで反対側にあるスーパーを好んで使う。

そっちの方が全体的に安いし、タイムセールも多いからだ。


「じゃあ、着替えて待ってて。私も着替えたらすぐに行くから」

(今日はバッチリ決めないと。香織の叔母さまが来たら、晴道の視線を全部持っていかれちゃうもん)


俺はそんな千紗の心の声に苦笑いしながら、自分の部屋へと戻った。

ガチャリ、と鍵を開けて玄関のドアを開ける。


「あら、晴道。お帰りなさい」

(ああ、私の愛しい愛しい晴道……! 逢いたかった! 好き、好き、好きよ!!!)


クールな表情を浮かべた、俺の叔母――小泉香織(こいずみ かおり)姉さんがそこにいた。

京子の時にも触れたが、俺の能力は相手の感情が強いほど心の声が大きく聞こえる。

今の香織姉さんの声は、まるで耳元で大声で叫ばれているかのようだった。


叔母の愛が、あまりにも熱すぎる。



香織姉さんは、洋介父さんの11歳年下の妹だ。

沙織母さんは俺を産んでから、俺が小学校に入学する直前まで洋介父さんの実家で暮らしていた。

その間、沙織母さんと一緒にずっと俺の世話をしてくれていたのが香織姉さんだった。

だから俺にとって、香織姉さんは二人目の母親のような存在でもある。

そしてその香織姉さんは、長身巨乳の超絶美女。

そう、俺の女性の好みの根源ルーツそのものだった。


「香織姉さん、来てたんだ」

「ええ。少し沙織義姉さんに用事があってね。今日は早く帰ってくるっていうから、待たせてもらっているのよ」

(嘘よ。晴道に逢いたかったからに決まっているでしょ)

「そっか。じゃあ、夕食も一緒に食べられるのかな?

大好きな姉さんと一緒の食事は美味しいから、すっごく嬉しいよ」

(きゃーきゃーきゃー!! 『大好きな姉さん』ですって! 嬉しい、嬉しい、嬉しい!! 晴道大好きーーーっ!)

「ふふ。そこまで言うなら、一緒に食べてから帰ることにするわ」


うーん、香織姉さん。

見た目はクールでサバサバとした、母性溢れる大人の女性なのだが……中身は俺の周りの女性たちの中で、むしろ一番幼いというか、可愛いというか。


(あーあ、早く私のこと食べちゃってくれないかしら。晴道のために全部取って置いてあるのよ? ファーストキスも、初体験も……)


うん。やっぱり叔母の愛が熱すぎる。



「ところで香織姉さん。沙織母さんとの用事って、もしかして俺の仕事のこと?」

(ふふ、流石は私の晴道。察しが良いわね)


心の声で『私の晴道』って言っているが……まあ、あながち間違いでもないからいいか。


「そうよ。正確には“晴道と千紗ちゃん”の仕事なんだけれどもね」

「それって、この前に千紗とカップル役で撮影した、あのオーディオカタログの関係?」

(察しが良すぎるわね?千紗ちゃんと二人で撮影した仕事は他にも有るのに)

「ええ、そう。二人にね――新しく始まるドラマに出てほしいのよ」

「なんだって!!」

(流石の晴道も、ドラマに出演って聞いたらびっくりするのね)


いや、姉さん。

驚いたのはそこじゃないんだ。

問題は時期なんだ。

“3年ばかり”早いんだよ。



Scene006【買い出し】



しばらくすると千紗が迎えに来たので、香織姉さんを家に残して買い出しに行くことにする。

現れた千紗は、ただの夕食の買い出しに出かけるには、少し可愛らしすぎる出で立ちだった。


「さあ、晴道行こう! タイムセール始まっちゃうよ」

(さあ、どう? 晴道が大好きな胸の谷間だってバッチリよ!)


『大好きな胸の谷間』って、人聞きが悪いな。

いや、心の声だから誰にも聞かれないし、事実だから仕方ないのだけれども……。


「あっ、香織の叔母さま、今晩は何か食べたい物ありますか?」

「えっ、千紗、香織姉さんが一緒に夕食を食べるって聞いてたの?」


知らなかったフリはちゃんとできている、はず。


(千紗ちゃん、相変わらず可愛らしすぎるわ。芸能事務所からあれだけ勧誘があるのも仕方ないわね。さらに晴道と毎日一緒にいられるなんて羨ましすぎる)

(はあ、香織の叔母さま、相変わらず美女すぎて、巨乳すぎる。さらに長身って羨ましすぎる)


お互いに相手をうらやましがる中、香織姉さんが微笑んだ。


「ふふ、沙織さんから聞いたわ。千紗ちゃんのポークソテーが絶品だって。だから食べてみたいわ」

(沙織義姉さんがあれだけ言うのだから、期待しちゃうわよ)

「はい、分かりました。腕によりをかけて作りますね!」

(やった、やった! 沙織義母さまの胃袋がっちり掴む作戦大成功!!)


そうだ、これも2年ばかり、早いんだよ。

俺はいったい“何を”間違ったんだろう。



その後、俺は千紗に連れられてスーパーマーケットへやってきた。

「厚切りロース、安くなってないかな?」

(これって完全に新妻ポジションよね!)


そんな千紗の心の声につられて、俺は口を開いた。


「ふふ、俺たち新婚さんみたいだな」

「うっ、天然ジゴロ……っ」


そうつぶやいた千紗は瞬時に真っ赤になって、心の声すら静まり返ってしまった。


一応宣言しておくが、俺は義務や計算で女性たちを口説いているんじゃない。

自分の心の中の声に正直に生きているだけだ。

愛されたから愛し返す。

それが俺の存在意義であり、呪いでもあるのだから。

それに、相手の心の声を聞いてしまっているのだから、自分の心の中の声、そのままに行動して見せなきゃ不平等だと思わないかい?



こうして千紗と買い出しを進めていると、意外な人物とはちあってしまった。

武と優香だった。

千紗が優香に声を掛ける。


「あれ? 優香、どうしたの?」

(あっちもお似合いなのよね。優香と武がくっついて本当に良かった)


「ああ、優香のご両親が今晩不在なんだ。だから、俺が優香に美味しい夕食を作ってやろうと思ってな」

(優香の喜ぶ顔が楽しみだ)


答えたのは武だった。


(きゃーきゃー、今晩武と二人きりなのが知られちゃった……。明日私の様子がおかしかったら、大人の階段登っちゃったのバレちゃう)

(えっ、優香に先を越されちゃう!?)


おーい、優香に千紗やーい。武にはそんな邪な考え、まったく無いみたいだぞ!


やれやれ、これだから女子の脳内は侮れない。



Scene007【カップル】



そこから、俺たちは並んで買い物を進めた。


「おっ、脂ののった良いサーモンがある。サーモンは優香の大好物なんだよな。ムニエルで良いかな?」

(優香に美味しいものを食べさせられる!)

「うん、美味しそう!!」

(武の料理、大好きなの!!)


うん。本当に裏表の無いカップルだ。


「やった! 厚切りロースが安くなってる。今夜はとびきり美味しく作るわね」

(『節約上手なお嫁さんね』って、沙織義母様の高得点をゲットよ!)


千紗は意外と計算高いところもあるんだけれども、それは全部”俺の妻になるための努力”であり、さらに言うなら小泉家の家計節約のためでもある。

だから、俺としてはちっとも嫌じゃないんだよな。


武と千紗が並んでレジに並ぶ間、俺と優香は邪魔にならないようレジの出口付近で待つことにした。

それで俺はふと、気になっていたことを切り出した。


「なぁ、優香。武と付き合えて幸せか?」

「うん、とっても幸せよ」

(とっても幸せ)


ここまで表の声と心の声が一致するのも珍しい。


(今晩はばっちり決めるんだから。安全日も確認済み! 基礎体温表を見せてでも、武を説得するんだから……!)


うん、後半の物騒な計画は聞かなかったことにしよう。



お会計も無事に済ませて、4人並んでマンションへと帰る。

その道すがら、ふとすれ違ったお姉様方の会話が聞こえた。


「ねえねえ、今のカップル、凄くお似合いだったよね」

「推せる」

「眼福」


それは他の3人にも聞こえたらしく、少しだけ照れくさそうに、千紗が優香に話しかけた。


「ねえ、どっちのカップルがお似合いに見えたのかな?」

(どっちもお似合いだと良いな)


「二組とも、に決まっているじゃない」

(当然でしょ)


うん。やっぱり俺は、この二人の幼なじみで良かった。


――でもさ。

俺にだけ聞こえる、あのお姉様方の心の中の声はこうだったんだ。


(スポーツマンイケメンと、爽やかイケメン……)

(どっちが攻めで、どっちが受けかな?)

(どっちもいける)


お姉様方は一言も声に出していないのに、目線だけでそんな高度な会話を成立させていたんだ。



Scene008【閑話】



――俺、小泉晴道は幼稚園年長の時に今住んでいるマンションに引っ越しをしてきた。

そこで優香と出会った。

そして、俺は優香に初恋をする”はず”だった。


でも、そうはならなかった。

優香の心の声のあちこちに、幼いながらも武への淡い“想い”が見え隠れしていたから。

そして、武から優香に対する、真っ直ぐで熱い“想い”に気づいてしまったからだ。


だったら、俺の“思い”なんて関係ない。

二人のその尊い“想い”を、ただ成就させるだけだ。


そうして、俺は二人の仲を取り持つように裏で細かく動き、二人は小学校高学年の頃には、誰もが認める公認の仲良しカップルになっていた。




今回、晴道が思い出したのは

前作

三人のヒロインとシェアハウスすることになった僕は、全員を本気で愛して呪われてしまった。 ――告白は観覧車のてっぺんで


【第02話】恋は、ずっと前からここにあった ― 優香の胸の奥、秘めた想い

https://ncode.syosetu.com/n8087lr/3/


となります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ