ep002:その遭遇、必然につき
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Scene003【計画】
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俺、小泉晴道は一ノ瀬花音さんとの約束を果たすべく、デートの予定を組んでいた。
いや、約束なんてただの口実だ。
俺自身が、花音さんとデートをしたいんだ。
俺は幼馴染の千紗と由美子を愛している。
でも、花音さんだって同じくらい好きなんだ!!
だから、俺は自分の心に正直に生きる。
全員を真っ直ぐ、平等に愛してみせる。
うん、正直ついでにデート先はプールにした。
花音さんのあの圧倒的な巨乳を、堪能したいじゃないか。
男だもの。
場所は前世で千紗と一緒に行った、動物公園のプールに決めた。
当日の混雑を予測して、あらかじめプライベートスペース――ロイヤルシートを予約しておく。
これも前世の記憶を活用した訳だが、有効活用できるものは何でも使う。
そこは前世では千紗との思い出の場所だけれども、
今世においてはまだ未来の話だ。
千紗とはまた別の機会に、もっと素晴らしい思い出を作ろう。
ところで、前世ではこのプールで、誰かと会ったはずなんだけれども……どうしてもそれが思い出せなかった。
うーん、こんな事を考えていると、フラグになっちゃう気がして仕方ないけれども。
まぁ、良いか。
本当に楽しみだ!
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Scene004【遭遇】
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夏休みに入った直後の土曜日。
俺は花音さんを連れて、郊外にある動物公園へと向かっていた。
電車を乗り継ぎ、1時間半。
さすがに学校の最寄り駅で待ち合わせるのは危険なので、乗り換えのターミナル駅を待ち合わせ場所に指定した。
一応、これでも先生と生徒だからな。
合流してからの移動中、花音さんは言葉少なく、ずっと俺の手を強く握りしめていた。
……可愛い。
周りから見れば、22歳と15歳。
綺麗なお姉さんとその弟、といった風に映っているのだろうが、俺の場合は精神年齢が大人だからな。
どんな風に見られているか、気になってしまう。
やがて最寄り駅に着くと、園までの直通バスがちょうど発車直前だった。
「乗ります!」
俺は花音さんの手を引いて、プール目的の来園者でギューギュー詰めの車内へ滑り込んだ。
乗車口のステップ付近。
押し寄せる乗客の波に押され、俺たちはぴったりと密着することになる。
いや、正確には花音さんの暴力的なおっぱいが邪魔をして、完全には密着できない。
その柔らかな頂きが、俺の胸元に容赦なく突き刺さるばかりだった。
うん、これはイイものだ。
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「着いたわ、晴道!」
「プールまではまだ距離があるから、
ここからさらに園内のシャトルバスに乗るんだよ」
俺はバス乗り場まで、花音さんの手を引いて歩く。
さっきまで電車の中でも手を繋いでいたけれど、
こうして外を堂々と手を繋いで歩くのはこれが初めてかもしれない。
少し照れくさい。
だけど、隣を歩く花音さんの笑顔が本当に嬉しそうで、
気づけばこっちまでつられて笑顔になっていた。
「わぁ、可愛いバス!」
「うん、そうやってはしゃいでる花音さんの方が、
ずっと可愛いよ」
「っ、晴道のバカ」
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シャトルバスを降りてすぐ、プールの更衣室が見えてきた。
「花音さん、これ予約してあるロイヤルシートの番号。
俺は先に行ってるから、着替えたらそこに来てください」
「分かったわ、待っててね」
そう言って、一度花音さんと別れた。
ちなみに、花音さんが今日のためにどんな水着を選んだのか、俺はまだ聞いていない。
……楽しみすぎる!
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男の着替えなんて一瞬だ。
俺は花音さんに伝えた通り、一足先にロイヤルシートへと向かった。
「ええと、番号は……」
目的のブースを探して歩いていたその時、俺は同じようにシートの番号を確認していた一人の男性とぶつかりそうになった。
「おっと、すまない」
「あ、ごめんなさい」
お互いに頭を下げ、ふと相手の顔を見たその瞬間――俺の脳裏に、前世の記憶が蘇った。
この人を知っている。
前世で出会った、もう一人の気の使い手。
俺と同じく一ノ瀬一族の血脈を受け継いでいた、
上嶋和也さんだ。
さらに、記憶の連鎖は止まらない。
そうだ、2年後の夏休み、
まさにこのロイヤルシートの前で俺と千紗は、
上嶋和也さんと中田美由さんに出会ったんだ……!
「君も彼女待ちかい?」
俺が固まっていると、和也さんは前世と変わらない気さくな調子で話しかけてきた。
「あ、はい……そうなんです」
花音さんが俺の彼女。
うん、ここはあえて否定しなくて良いだろう。
「もしかして、幼馴染の子かい?」
「えっ!?」
和也さんの口から出た予想外の言葉に、俺は息を呑んだ。
「おっと、すまない。なぜかそんな気がしてしまってね……。
ん? なんでだ? 小柄で胸が大きくて、
ちょっとあざと可愛い感じの……って、
俺は初対面の君に何を言っているんだ?」
「和也さん……」
「えっ? 俺、まだ名乗ってないよね。
……いや、やっぱり、俺と君はどこかで会ったことがあるのか?」
和也さんの目が、鋭く俺を捉える。
そして、和也さんが記憶の底を探るように、
小さく呟いた。
「晴道……君……?」
その瞬間。
「晴道、お待たせ!」「和也、お待たせ!」
女性二人の声が、完全に重なって響いた。
俺は弾かれたように振り返る。
俺の目の前に立っていたのは――花音さんと美由さん、ではなかった。
少し戸惑ったような表情の花音さんの隣で微笑んでいたのは、高橋千晴さんだった。
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Scene005【閑話】
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夏休みに入った直後の土曜日。
私は一ノ瀬花音は勝負の時を迎えていた。
そう、晴道とデートだ、しかもお泊まり。
私にもその時が来るんだ。
出掛ける先は郊外にある動物公園。
予定は全て晴道が立ててくれた。
でも予算は全て私持ちよ。
晴道は遠慮したが、
「私の総資産教えてあげようか?」
その一言で頷いてくれた。
さすがに学校の最寄り駅で待ち合わせるのは危険なので、乗り換えのターミナル駅で待ち合わせる事になった。
一応、これでも先生と生徒ですものね。
待ち合わせ場所には30分前に着いてしまった。
私、浮かれてる。
こんなの初めて。
合流して列車に乗る。
晴道が来た時の事は省略するわ。
私、舞い上がってて自分でも思い出すだけで恥ずかしいから。
列車の中では、ずっと晴道の手を強く握りしめていた。
会話は少なかった。
だって、口を開くと浮かれてるのが周りにバレちゃうもの。
周りから見れば、22歳と15歳。
お姉さんとその弟、といった風に映っているのだろうから。
そのお姉さんが一人で浮かれまくっているように思われるのは、流石に恥ずかしい。
やがて最寄り駅に着くと、園までの直通バスがちょうど発車直前だった。
「乗ります!」
晴道が私の手を引いて、プール目的の来園者でギューギュー詰めの車内へ滑り込んだ。
乗車口のステップ付近。
押し寄せる乗客の波に押され、私のたちはぴったりと密着することになる。
ううん、私の自慢のバストが晴道の胸元に押し付けられる。
晴道はあからさまに赤くなってた。
ふふ、可愛い。
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事前に買っておいたネットチケットを出して、スムーズに園内へと入る。
「着いたわ、晴道!」
もう、これくらい浮かれたって良いわよね!
「プールまではまだ距離があるから、ここからさらに園内のシャトルバスに乗るんだよ」
晴道がバス乗り場まで、私の手を引いて歩く。
さっきまで電車の中でも手は繋いでいたけれども、
これだけどうどうと外で手を繋いで歩くのはちょっと恥ずかしいかも。
でも笑顔が止まらない。
「わぁ、可愛いバス!」
シャトルバスの姿を見て、思わずはしゃいだ声が出てしまった。
「うん、そうやってはしゃいでる花音さんの方が、ずっと可愛いよ」
「っ、晴道のバカ」
天然ジゴロ。不意打ちはずるいわよ。
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シャトルバスを降りてすぐ、プールの更衣室が見えてきた。
「花音さん、これ予約してあるロイヤルシートの番号。
俺は先に行ってるから、着替えたらそこに来てください」
「分かったわ、待っててね」
私達はそう言って別れた。
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更衣室に入り、ロッカーを確保して着替えを始める。
晴道のために選んだのは、大胆な黒ビキニ。
……ちょっとエロすぎるかしら?
そんな心配をしながら着替えを終えたところで、後ろから声を掛けられた。
「あの、一ノ瀬さんじゃないですか?」
声を掛けてきたのは、高橋千晴さんだった。
その瞬間、私の中で未来の記憶が蘇る。
千晴姉さんとまるで本当の姉妹のように過ごした日々。
同じ人を愛してしまったこと。
“和也”を、そして、“晴道”を――。
それ以上のことまで思い出してしまいそうになったが、私は強い意志で、その記憶の扉を無理やり封じ込めた。
これ以上思い出してしまったら、今の私は晴道を素直に愛せなくなってしまうかもしれない。
そんな恐怖からだった。
そっか……晴道も、ずっとこんな記憶を抱えながら生きてきたのね。
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無言になってしまった私に、千晴さんが続けて声を掛けてきた。
「あの、高橋進教授の娘の千晴です。
一度だけお会いしました」
その言葉で、私はハッと我に返った。
千晴さんには記憶が蘇っていない。
なら、調子を合わせないと。
「あっ、はい、覚えています。
お久しぶりですね」
上から既にパーカーを羽織っていたが、よく見ると千晴さんの水着も黒ビギニだった。
前世の記憶にもあった、私とのお揃い。
これで、和也を……。
ダメ、考えちゃダメ。
これ以上考えたら、純粋に晴道を愛せなくなる。
「私、彼氏とデートなんです」
千晴さんの笑顔は、とても幸せそうだった。
私も、ついさっきまではそうだったはずなのに。
今の私は、一体どんな顔をしているのだろうか……。
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二人揃って更衣室を出て、プールへと向かう。
驚いたことに、千晴さんも私と同じロイヤルシートへと向かっていた。
その先に、目的のブース前で佇む晴道の姿を見つけた。
「晴道、お待たせ!」
「和也、お待たせ!」
私と千晴さんの声が、完全に重なって響く。
そして弾かれたように振り返ったのは――晴道と、和也だった。
今回の話で晴道が思い出した前世は、前作でのシーンとなります。
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