第80話:夏祭り
「さて」
夏の盛りのこの季節。もちろんイベントも多々あって。今回は夏祭りがあるらしい。神社に向かって屋台が並んでいるのは、どこの日本でも同じなのだろう。アキラとカーマは浴衣のレンタルをしていた。カーマの方はちょっと苦しそうだったが、祭りを楽しみたい気持ちは人より強く、結果巨乳をそのままに浴衣に収めることに成功していた。それでもロリ巨乳の破壊力が軽減されたわけでもないが。
アキラも浴衣が似合っており、
「可愛いな」
俺が頭をなでると嬉しそうに微笑んだ。俺的にも加点対象。今日はエリも一緒にいる。ただしこっちは私服姿だ。さすがに浴衣は対応が難しいらしい。というか浴衣をレンタルしようにも店員さんが。一応対応そのものはオートメーションで出来ないわけではないが、試着で意見を貰えないので渋々諦めたとのこと。
「でもいいけどね。ボクは今日は独占させてもらうから」
何を、と言えば俺のことだろう。
「ところでネバダって夏祭りとか好きなの」
「嫌いじゃないが……好きかって言われるとな」
「あ、タコ焼きあるよ。買おう買おう」
そうして俺を引っ張って屋台を楽しむ砂漠谷エリ。その俺と一緒にいるのがアキラとカーマで。二人とも俺を見て少しだけ脳破壊されている様だった。
「はい。ネバダ。あーん」
「あーん」
たこ焼きを食べて、嬉しそうにキャラキャラ笑うエリがとってもかわいい。それこそ地上に舞い降りた最後の天使。
「アキラは何買うんだ?」
「えと。わたあめ、とか」
「カーマは?」
「イカ焼きですかねー」
食べ物がメインらしい。たしかに金魚とかとっても後刻の面倒が待ってはいるが。
「ほら。ネバダ。あーん」
で、エリはエリでたこ焼きを俺に食べさせようとしているが。
「それともおっぱいにこぼそうか?」
「ソレを俺に食えと?」
「なんですかー。吸い付きたいならそう言ってくれれば……」
言ってないから。
「にしても、お前のおっぱいはマジでデカいな」
普段用のシャツを着ていても、その大きさは圧巻だ。まぁ上には上がいるのだが、それは論じないとして。
「ネバダはおっぱいが好きだもんね?」
「大好きだ」
「ボクのことも?」
「もちろん愛してるぞ」
「ネバダはボクのおっぱいが一番好き?」
「もちろのろん」
「そっかー。ボクのおっぱいが一番なんだ」
「だから揉ませてくれな」
「うん。いいよ。今がいい?」
「後でな」
「じゃ、楽しみにしてる」
そう言ってギュッと俺の腕に抱き着く。俺の後ろをアキラとカーマが歩いていて。俺はそっちにも使い魔を放っていて監視体制。面倒ごとが起こらないと、言える立場でもないだろう。月影の女神にしろ恋堕の天使にしろ、その愛らしさはこの場では百点満点。
「あれー? 君たち超可愛いじゃん。ナンパ待ち?」
ほら。このように。
「暇ならお兄さんと回らない? 何でも奢ってあげるよー?」
「あー、えーと」
「そのー。えーと」
困ったように二人は苦笑する。
「アキラ。カーマ。早く来い」
そのナンパを視界に入らないと、俺が二人に声をかける。
「あっれー? お兄さんの女だったり?」
「そうだぞ。二人とも俺の連れ」
「でも冴えないよね? ねえ君たち。こんな冴えない奴より俺の方がよくね? 男としての格が違うっていうか」
「そうですね。格が違いますね」
「だよねー。そっちの子は分かってるー」
おだてられて、調子に乗るナンパ男の前で。
「先輩♡ ちゅ♡」
カーマは俺にキスをしてきた。
「ネバダくん♡ ん♡」
アキラも続いて俺にキスをしてくる。
「この人ほど魅力的じゃありませんから。残念ながら諦めてください」
「ネバダくんの方が何倍も魅力的です」
そうして俺とキスをする二人は、そのまま俺と一緒に祭りの楽しみに戻ろうとして。
「ちょ。お前。調子のってる?」
その二人にキスされた俺に、男の矜持が刺激されたのか。俺の胸ぐらを掴んで凄んでみせるナンパ男。
「調子には乗っているな。可愛い女の子と夏祭りに来てるんだ。そりゃ乗るさ」
「俺はそういう奴が一番嫌いなんだよ。いっぺん地獄見るか?」
「敵うのか。お前に」
嘲るように俺が言うと、胸ぐらを掴んだまま、ナンパ男は俺を殴った。
「ひ!」
「え?」
「ちょ!」
そうして楽しい祭りの最中に暴力沙汰が発生し、俺は殴られて石畳に倒れた。
「調子乗んなよ! テメェは俺より下なんだよ!」
「その下の男の方がいいって二人の女は言ってるぞ?」
「ああ? なぁお前ら。見ただろ。俺の方が男として優れているぞ?」
「大丈夫ですか? 先輩?」
「ネバダくん。ケガしちゃったら……」
「ああ、これくらいじゃどうにもならんから心配するな」
俺の何がどうのでもないが、暴力沙汰は普通に検挙対象で。
「ちょ、ま、俺より先にアイツ逮捕しろよ!」
俺を指差して不条理の権化だと主張するナンパ男。だが弁明も虚しくドナドナと警察に引っ張られていく。
「ネバダ。非暴力主義もいい加減に」
「別にいいだろ、俺的にはマイナスでもないんだし」
「もう。そういうところだよ?」
そう言って、俺の首に腕を回して、エリは俺のキスをした。
「ちゅ♡ ぱ♡ んぅ♡」
その事を見ているアキラとカーマには意味不明で。俺が寝取られているということを自覚できないので、それごと理解が遠く。
「ネバダぁ。ここでやってくれない?」
「それだと勇者にならないか?」
「ボクだって性欲はあるんだから」
「首は立っているのか?」
「ビンビンだよ? ネバダに好きなようにされるためにいっぱい感度上げてる」
「じゃあ帰ってからな」
「お預け? それとも焦らし?」
どっちかってーと此処でおっぱじめるほど俺が終わっていない、が正しいな。




