第72話:キジも鳴かずば
「まぁ至れり尽くせりではあるんだけど」
砂漠谷エリが、俺を監禁している部屋構造を見て、そう評するのも納得で。ネット環境も娯楽もふんだんにある。食事はレアスが作ってくれるし、病気が発生しない限りここで暮らすことに支障はない……わけだが。
「飽きるよねー」
「俺にか?」
「今のところトレンドだけど」
レアスは俺が衣服を欲しいと言ったら、調達するために買いに行った。ネットで買うという手段も無いではないのだが、とりあえずはユニシロに行った方が早いという判断らしい。そのまま俺は監禁部屋に閉じ込められて。何故かエリと一緒にいた。
「アニメも結構見たでしょ?」
「そうだな。新しいアニメを発掘するのも難しいな」
スマホでオススメのアニメとか調べても、大体は視聴済みだったりする。
「じゃ・あぁ♡」
ソファに座って、俺の隣に腰かけているエリが、俺のまたぐらに手を添える。
「エッチなことしない?」
「出来ないが正しいな」
「大丈夫だって。童貞捨てなきゃいいんでしょ?」
理屈上そうなるが。
「本番無しでさ。裏オプに抵触しなければ問題ないわけで」
「ナニをしてくれるんだ?」
「挟んであげる」
「上で? 下で?」
「どっちがいい?」
片手で俺のまたぐらをさすって、もう片手を俺の頬に添える。
「じゃあ上で」
つまり上だ。
「じゃあそれでしよっか」
「お前は気持ちよくならなくていいのか?」
「してくれるの? ネバダ……」
「踏んでやろうか?」
「ぇへ♡ それいいかも♡」
そう言って、彼女はキャストオフした。さっきまでシャツを着ていたが、それを脱いで色々と見えている。俺の息子さんは元気ビンビン。目にして、ドキドキの顔になるエリは、そのまま釘付けになっていた。
「これくらいで男の子って普通なの?」
「さぁ。比べたことがないから多分だが。あんまり大きいとは思わんなぁレベル」
「…………」
ゴクリと唾を吞む音がこっちまで聞こえてきた。
「じゃあ失礼して」
柔らかな感触に包まれる俺のモノ。何をしたとか。何をしているとか。何をやっちゃったのかとか。そういうのは後世の歴史家に任せるとして。
「じゃあ次はネバダね」
キャストオフ状態のエリは、飼い主に犬がするように服従のポーズを取った。俺はソファに座ったまま、その彼女のナニを踏みつけて。
「あ♡」
屈辱的な人権問題を加味しなくてもヤバい絵面だった。
「あ♡ あ♡ あ♡」
俺の踏まれて嬉しいらしい。
「ほら。気持ちよかったらどうするんだ?」
「わん♡ わんわん♡」
指を折り曲げて犬の手を再現。倒れ伏したまま膝を曲げて股を開いている。俺が踏んでいるのはその特異点で。彼女がキャストオフしている以上、俺の足はまぁ凶器というか。
「わぅん♡ わんわぁん♡」
ピンク色の空気が周囲を包んだ。彼女は俺の服従のポーズを取ることにためらいが無い。俺に踏まれて、そのまま犬のように発情するだけだ。
「嬉しいか?」
「ネバダだけしかしてくれないから♡」
「解呪するか?」
「いらない。ネバダさえいればいい」
「ほれ♪」
「わぅん♡」
ギュリッと踏んでいるところを踏みにじると、さらに嬌声を上げるエリ。グリグリと足で踏みつけて、そのまま果てるまで付き合う。そうして満足げに涎を垂らしていたエリを見下げて、一言問う。
「果てたら何て言うんだ?」
「踏みつけてくださってありがとうございますぅ♡」
膝を曲げて股を開き、両手は犬の真似をして、そのままお腹を晒しているエリが恍惚にそう言った。
「じゃ、シャワーでも浴びるか」
「一緒していい?」
「構いはしないが」
エッチなことはしないぞ?
「ちょっと残念」
俺も結構汗かいたし。普通に浴びるだけ。
「ボクが洗ってあげるね」
「じゃあ任せた」
そうして二人して浴室に入って、彼女は俺を洗ってくれた。ただしスポンジもタオルも使っていない。じゃあ何か、と言われても俺は黙秘を貫く。
「まだ発情してるのか?」
「こういうの男の子は好きかなって」
物理的に接触して、クーロン反発で擦っているだけだ。やわらかいエリの身体の感触は俺の五感のうち二つを大いに楽しませており。
「ほら。ネバダも元気になった♪」
「もう一回くらいは出来そうだな」
「ボクは何時でもいいよ」
シャワーが俺のボディソープを流していく。そのあまり広くない浴室で俺はエリと二人きり。所詮俺もオスなわけだ。目の前に魅力的なメスがいると我慢が利かない。エリのあごを片手で持ち上げて、真摯にその瞳を覗き込む。
「ぁ♡」
俺に見つめられて、嬉しそうに蕩けるエリ。そのまま後退して、脱衣所との扉に背中がぶつかる。
「もう逃げられないな」
「捕食されちゃうの?」
「ちょっと味見するだけだ」
「ネバダぁ……」
チュッと彼女の頬にキスをすると、エリはそのまま蕩けだした。そのままシルエットが重なって、シャワーの音だけが響く。可愛らしい声を我慢しているエリが愛おしくて、俺はちょっと意地悪になる。
「ねぇ♡ もっとぉ♡」
「こういう時はどうするんだった」
「おねがぁい♡ しまーす♡」
危険な遊びをしてはいるが、火は使わないので火事の原因にはならず。燃え盛るのは一体何か。俺の頭かエリの頭か。燃えているというか蕩けているようにも感じるが、止める手段が無いのも事実で。
「ネバダの童貞」
申し訳ないな。どうせ童貞ですよ。




