第71話:目が覚めると
「んあ?」
夏休み。目が覚めると、目に入ったのは知っているおっぱいだった。意匠をあしらったブラジャーで隠れた下乳。
「えーと……」
俺が起きて、そのまま天井が見えるものかと思ったが、見えたのは下乳。後頭部に柔らかい感触。
「エリか」
「そうだよ。ネバダのエリ」
昨日は俺とエリとレアスの三人でベッドに寝て、発情した彼女たちに応対して、そのまま汗をかいて寝てしまった。起きたら、俺はエリに膝枕されて、見えるのが天井ではなく彼女の下乳という天国。
「レアスは?」
「朝御飯作ってるよ。ネバダの分もね」
「エリはどうするんだ?」
「残り物の食材でありあわせのモノ作るよ。ちょっとイリーガルだけど、この部屋はレアス以外出入りできないし」
俺の頭を撫でて、優しく目を覚まさせてくれるエリ。そのおっぱいが俺の顔に押し付けられて。
「あぷ」
「あ、ごめん。ネバダの顔見たかったけど、膝枕したままだとおっぱいが邪魔だね」
「俺は幸せだが」
「ネバダはおっぱい好きだもんね」
「エリのことも好きだぞ」
「そういうところだよー。ネ・バ・ダ?」
「基本的に俺のことが好きな女の子は俺も好きだからな」
「安藤先輩も?」
「俺を好きな内はな」
「見捨てられることは許容しても、ネバダから見捨てることはしないんだ」
「去る者追わずの精神だ」
「にしては昨日のベッドでは激しいことしたけどね」
「安藤先輩の乱れ具合は勉強になったろ」
「メスってあんな風に鳴くんだね」
「それに関してはお前も他人のこと言えんが」
「ネバダ」
「ん?」
「だぁい好き」
「俺もだぞ」
「じゃあ起きよっか」
そうして俺は頭部をエリの膝から離して、起き上がった。エリは下着姿で、ブラジャーとパンツだけ。こういう事もあろうかと下着と服は持ってきたらしい。洗濯機も普通に使っているし。さすがにレアスには負けるにしても、エリもHカップの爆乳なのでブラジャーは特別製。あんまり市場には出回っていない。巨乳市場は全く無いわけじゃないが、それでも市場として制限されているのも事実で。
「ネバダのって大きいの?」
「平均程度」
俺もパンツ一丁だった。ベッドで乱れていたのは事実なので、そのまま上半身は裸。
「腹筋バッキバキだね」
「まぁ鍛えてはいるから」
「ちょっと興奮する」
「女子って男の腹筋に何を見てんの?」
「男子って女のおっぱいに何を見てるのか聞きたいくらいなんだけど」
スティグマだ。
「触っていい?」
「構いはしないが」
俺の許可が下りて、エリは俺の腹筋を触る。
「ほわぁ。硬い」
筋肉だしな。
「……ネバダ」
で、下着姿で俺の腹筋を触っているエリを認識せず。ダイニングから顔を出したレアスが俺に声をかける。
「……起きたね。……朝御飯出来てるよ?」
「いい加減外に出たいんだが」
「……それはダメ」
さいですかー。
「ちなみに朝飯は?」
「……焼き鮭定食」
美味そうだな。
「食パンと卵があるなら、トーストとオムレツかな?」
俺がダイニングでレアスと一緒に焼き鮭定食を食べている傍ら。我が物顔でキッチンに立ったエリは、キッチンを漁りまわして、食パンと卵を確保。野菜も持ち寄って、一人洋風の朝食を作りだす。
「ところでいつまでここにいればいいんだ?」
「……ネバダはいたくない?」
「監禁されて肯定されると思っているお前が凄いんだが」
「……でもネバダは拙が好き」
「ボクのことも好きだよね?」
「好きだぞ」
「「ぇへぁ♡」」
二人そろってだらしない笑顔になる。エプロンを外したレアスは下着とシャツだけ。しかも俺のシャツ。いわゆる彼シャツ。
「俺のシャツ買ってきて。別に似合ってなくていいから」
「ユニシロでいい?」
「まったく構わん」
ファッションには疎い俺でした。
「じゃ、いただきまーす」
とあっさりトーストとオムレツを作ってサラダを準備したエリが俺の隣に座る。
「うーん。我ながらフワトロオムレツ」
「……ネバダ?」
「何か?」
鮭のバター焼きを食いながら俺は聞く。
「……浮気……してないよね」
「状況的に無理だろ」
「……そう……なんだけど……あれ?」
「ネバダも食べる? ボクのオムレツ」
「いただきます」
「はい。あーん」
「あーん。んむ。美味いな」
「でしょ? ちょっと今日は上手くいったのよ」
「……なんだろう。……今のネバダを部屋に一人にしたくない」
「ボクがいるもんね」
「???」
結局エリがいることを認知できず。
「あと彼シャツ用の衣類も買っていいぞ」
「……ネバダが着て……それを拙にくれるの?」
「いらないか?」
「……超いる」
そんなわけでこんなわけ。




