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第45話:嫉妬に狂う阿久津【阿久津視点】


「ネバダくん。今日はお弁当作ってきたんです♡」


「ネバダ先輩。帰りにデートしませんか♡」


 俺、阿久津ミヒャエルは今まさに脳破壊されている最中だった。


 学内三大美少女。月影の女神。恋堕の天使。高嶺の唯華。


 そのうち二人が一人の男子と懇意にしている。許されざることだった。月影の女神は俺に惚れていて、付き合うことになったのが五月の頃。だがそれよりもおっぱいの大きいドスケベの後輩美少女である恋堕の天使にコナをかけられて、そっちに乗り換えた。と思った瞬間に俺は全てを失った。今、月影の女神も恋堕の天使も伏見ネバダという一人の男にコナをかけている。それもかなりガチめで。月影の女神も恋堕の天使も、毎日のように告白されるが、その全てを断っている。それは当然だ。アイツらは俺が所有すべき女どもなのだから。だが既に伏見ネバダは学校でも無視できない存在になっている。なんでもバスケ部での強豪校に勝利した原因が伏見ネバダのクソ野郎らしく。バスケ部は全員アイツを勧誘。試合を見ていた女子も伏見ガチ勢と呼ばれる集団になって、今学校の期待を一身に背負っているのが伏見のクソ野郎らしい。だが、俺から言わせるとそれが何だと言いたい。バスケがちょっと上手いくらい、自慢するほどでもねーだろ。実際にアイツは俺様にボコボコにされて反撃の一つも出来なかった。つまり男として俺より劣っている。


 俺の方が上だ。それは間違いない。


 だが月影の女神も恋堕の天使も伏見と校内でもイチャイチャして、帰りも一緒。ついでに部活まで一緒らしい。既に噂になっている。誰も入部を許さなかった三年の美少女……高嶺の唯華こと安藤レアスが月影の女神と恋堕の天使の入部を認めたと。校内三大美少女全員が揃っている部活に男子が食いつかないわけも無く。入部届が騒然と出されたが、高嶺の唯華は部長権限でそれを却下。今、文芸部は三大美少女と伏見ネバダのクソ野郎だけの部活になっている。


「せーんぱい♡ 部活行きましょ?」


「ネバダくん。新しいプロット考えてきたんだけど……」


 ああああああああ! 脳内が破壊されそうだ。そいつらは俺の女だ! 俺だけが抱いていい女だ。それなのに伏見ネバダのクソ野郎はぁぁぁ! アキラもカーマもおっぱいが大きい。それを揉んでいいのは俺だけなのに、なんでアイツらの隣にお前がいるんだ!


 バスケが上手いからなんだ! そんなことが成績に反映されるか!?


「先輩学年一位なんですよね? 今度勉強教えてください♡」


「私にもお願いします。一緒に勉強会しましょう♡」


「まぁ構いはせんが」


 クソ! そもそも常闇! お前は俺の彼女だっただろうが! ちょっと突き放しただけであっさり男を変えやがって。このクソビッチめ! これだから尻軽の女は!


 恋堕の天使も俺を散々弄んでおいて、今更伏見ネバダに尻尾を振りやがって。そこにいていいのは俺だ。月影の女神も恋堕の天使も俺だけに尻尾振ってりゃいいんだよ。いや、この場合は腰や尻か。俺と付き合いたいんだろう? いいぜ。お前らが身体を差し出すなら仕方なく付き合ってやる。だからその伏見ネバダから離れろ。


「じゃあ次のプロットは私とネバダ先輩のエロコメディとかどうですか?」


「怒られるぞ」


「いいじゃないですかー。エロは皆を救いますよ?」


「ネバダくん。今度は私とどこまでも堕ちていくラブコメのプロットが出来て」


 調子のってるな。伏見ネバダは調子に乗っている。これは矯正しないとダメだな。


「なぁ。最近伏見って目障りじゃね?」


 男子同士で教室でだべっていて。そこで俺がそう言うと。


「あー、だな」


「月影の女神に気に入られて調子のってる感じ?」


「恋堕の天使も趣味が悪いよなー」


 思ったより男子どものヘイトを集めているらしかった。


「ちょっとわからせねえ?」


 俺が聞くと、ニヤニヤと笑う男子たち。


「それ良くね?」


「調子のってる奴は叩いて教育しないとな」


「っていうか勘違いが痛いんだよなぁ。伏見ってさ」


「月影の女神とか恋堕の天使がからかっていることに気付いてなくね?」


「わかるわー。ちょっと立場を思い知らせないと不平等ってもんだよな」


 よしよし。バカどもが釣られた。俺は関係ない。そのままボコられろ。伏見ネバダ。


 悔しいことに俺は伏見に干渉できない。暴力行為が動画として保存されている以上、俺が直接関与するわけにはいかないのだ。だがこのバカどもを使えば話は別だ。精々俺のために頑張ってくれ。そして伏見がいなくなったら、常闇も俺を見直すだろうし、須藤にも脅しが聞く。常闇は元々俺のことが好きだったので関係を修復するのは簡単。須藤も俺に思わせぶりなビッチ発言をSNSでしているので、その事で脅せばあのEカップの巨乳を揉めるってもんだ。


「あとはどうやってアイツをボコるかだよな」


「ちょっと呼び出せばよくね。女子に頼んでさ。告白とか勘違いさせて」


「いいな。月影の女神も恋堕の天使も、それで目が覚めるんじゃね」


 いい考えだ。女子に呼ばれて顔を出してボコられる。最低の男には相応しい末路だな。よし。その方向で行くか。


「じゃあ女子に声かけとけよ。ちょっと伏見を呼び出せって」


「知り合いに声かけとくわ。じゃ、それで」


 これであの伏見ネバダのクソ野郎は終わりだ。やり過ぎて死ななければいいがな。この際死んでもらった方が俺にとっても有益だ。死ねば終わり。俺的にも生産性のあることだらけだ。


「マジさぁ。月影の女神も趣味悪いっての。あんな奴股間のアレも弱小だぜ?」


「わかるわ。俺らの方がよほど気持ちよくできるよな」


「きっと童貞で女の扱い分かってないんだぜ」


「で、ちょっと言い寄られて調子のってるって話?」


 じゃ、ボコること決定。異論は認めない。


「――――――――」


 何か聞こえた気がした。それが何だったのか。意識の表層に現れない。何か致命的なことを聞いた気がするが、意識がそれを認知しない。だが、確かに悪寒がする何かを聞いた気がするのだが。


「気のせいか」


 そうに決まっている。ここには俺と男子どもしかいないんだから、誰かに聞かれる余地もない。


「じゃ、休みの日にさ。学校に女子から呼び出してもらって」


「いいな。休みなら教師どももあんまりいないだろ」


「ちょっと告白されるって勘違いして現れるネバダが滑稽だよな」


「わかるわー。で最後に俺らのボコられる、と」


「これで殺してさ。月影の女神と恋堕の天使を慰めねえ? そしたら俺らにもワンチャン」


 ねえよ。アイツらは俺の女だ。お前らが抱くには相応しくない。お前らは俺の思惑通り、伏見ネバダのクソ野郎を排除するだけでいいんだよ。そうしたら俺が後は甘い言葉を囁いて月影の女神と恋堕の天使を手に入れるだけなんだから。


「あー、月影の女神いいよな。あの身体を貪りてえ」


「いや、恋堕の天使だろ。ロリ巨乳とか何の冗談だよって話だ」


「高嶺の唯華もワンチャンなかったりする?」


「あれ何カップだ? スイカとかそのレベルだろ」


「爆乳過ぎるよなぁ。ああ、揉みしだきてぇ。いっそ伏見殺して代わりに入部するか?」


「いいねえ。校内三大美少女と文芸部でセクロスする学校生活とか最高じゃね?」


 高嶺の唯華ね。アイツも俺の女にするか。コイツ等にくれてやるのはもったいねー。あの爆乳さえ超えた超乳は俺のためにあるんだろ?


「全員を味見して孕ませるとか最高じゃね?」


「誰の子を孕むか競争な」


「本物の男を知らなそうだよなー。伏見の弱小のアソコじゃ女として満足できないだろ」


 やいのやいのと猿どもが騒いでいる。ま、伏見を排除できればお前らの役割は終わりだ。あとは俺が上手くやって校内三大美少女を手中に収めるだけ。ちょっとゲームとしては簡単すぎるが、プレイヤーの俺が有能すぎるんだよなー。頭良すぎてすまんな。


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