第42話:V字水着にはロマンがある
「ちょっとちょっとちょっとー!」
で、それからはそれから。中間テストの結果も帰ってきて。成績優秀者が廊下に張られ。俺は面倒なのでその結果を見たりはせず。なのにカーマが俺の教室に突撃していた。
「先輩! 何ですかアレ!?」
指示語で言われても分からんぞ。
「学年一位に先輩の名前があるんですけど!」
「あー」
まぁそりゃそうなるよな、とは思っていて。以前に通っていた進学校に比べて、こっちのテストは然程でもない。勉強に関しては俺も出来ないわけじゃ無いので、高得点を取れば成績も付いては来る。
「ちょっと待って!? 先輩バスケも出来て勉強も出来て創作も出来るの!? パーフェクト超人すぎません!?」
「そのどれでもプロになれるほどじゃないから自慢も出来んのだが」
「だったら勉強教えてくださいよー」
「教えたろ」
少しくらい。
「ネバダ。凄いんだね。勉強まで出来るなんて」
で教室には、今日はV字水着を着た砂漠谷エリがいて。Hカップの爆乳のビーチクをギリギリ隠しているだけでほぼ八割裸という性欲を刺激される格好。揺れるおっぱいに俺が何も思わないと思うなよ。というのはさておき。
「マジで一位?」
「先輩の名が一番上にありました」
まぁどれも九十後半くらいは取っていたしな。
「今日はバイトか?」
「そですねー。バイトでーす」
「じゃあ俺は部活があるんで」
「ところで先輩?」
「何か?」
V字水着で、俺にすり寄っているエリのことはこの際スルーして。
「浮気とかしてないですよね?」
「そもそも恋人いないから浮気が成立せんのだが」
「じゃあエッチな女の子とイチャイチャしたりとかしてないですよね?」
「黙秘」
「してるんですか!?」
「シテナイヨー」
「何でカタコトになるんですかー!?」
「特に理由はない」
「先輩は私が予約しているんですからね?」
お前男嫌いじゃなかったので?
「先輩が悪いんじゃないですかー」
「何が、とか聞いていいのか」
「女の悦びを教えておきながら」
あのさ。そんな誤解されることをここで言わないでくれる。一応教室での俺の立場ってもんがな? 既に学内では恋堕の天使と呼ばれ、一年生で一番可愛いとか言われているカーマが俺に言い寄っているという噂は千里を走っている。俺的にはひっじょーにどうでもいいのだが、恋堕の天使にはファンクラブもあるみたいで、俺的には刺されるんじゃないかと思ってる。別に刺されても安易に死ぬようには出来ていないが。
「で、お前は何でV字水着?」
「ほら、やっぱりお色気枠って必要かなって」
誰に対してのだ。
「もちろんネバダにだよ。こういうオッパイが大きくてエッチな水着を着てるヒロインは一人は必要でしょ?」
「で、それがお前と」
「ジャンプしようか?」
止めろ。その衝撃で爆乳がバルンバルンと揺れてしまう。しかもV字水着だ。ビーチクが露出する可能性も無いではない。
「でもネバダがエッチな目で見てくるのは嬉しい」
そりゃ女子がV字水着を着ていたらなー。俺としても「ありがとうございます」としか言えないわけで。
「じゃ、今度勉強教えてくださいね。今日はバイトあるんで」
「帰る時間は教えろよ。駅まで迎えに行く」
「あ、じゃあお願いしまーす。せ・ん・ぱ・い♡」
で、チュッと投げキッスをして軽やかにカーマは去っていった。
「さて、俺たちはどうする?」
「文芸部じゃない? テストの結果も帰ってきたし」
「お前はその恰好でいくのか?」
「エッチでしょ? V字水着」
「エッチというか……俺だったら犯して中に出してる」
「ネバダにならいいよ?」
「ていうか俺以外には出来ないしな」
「えへへぇ。よくわかってるぅ!」
そうして水着姿のまま俺に抱き着いて、俺とラブラブしながら文芸部に顔を出す。既に安藤先輩は来ていて、タブレットに向かい合っていた。スランプがどうのと言っていたが、それは解消されたのだろうか?
「大丈夫っすか? 先輩?」
「……大丈夫じゃない」
まぁ責任の所在は俺には無いのだが。多分……。
「じゃあエッチな水着を着た安藤先輩が俺と公衆デートをするというプロットはどうです」
「ボクがロケやるよ?」
というかお前がいたから思いついたネタなんだが。
「……V字水着って……あのエッチな奴?」
「あのドスケベな奴です」
「……伏見くんは……好きなの?」
「大好きです」
「……そっかぁ。……拙と伏見くんのドスケベデート」
「妄想書き立てられません?」
「……じゃあ実際にやる?」
警察の職質を受けると思います。
「……じゃあもうちょっと……ドスケベのラインを下げて……」
「ノーパンデートとか?」
「……じゃあソレでいこう」
正気か。安藤先輩。
「じゃあボクはベビードール姿で合流するね」
ノーパン女子と勝負下着姿の女子とデートしろと?
「ボクもいいでしょ? ね?」
「まぁ止める権利は俺には無いが」
「……なんかムカムカする」
「気のせいでしょう」
シレッと俺は言った。実際にV字水着を着て俺にデレデレしているエリを見れば女子は誰でも嫉妬するのだろうか?
「……じゃあ今日も愛してるゲームやろ?」
「ネバダ。ボクは君を愛してる」
「……伏見くん……愛してる」
「愛してるぞ」
それだけで二人はタガが外れてしまった。爆乳と超乳を俺に押し付けて、キスを求めるだけのメスに堕ちる。ちゅ、ぷちゅ、と唾液にはねる音がして、エリも安藤先輩も負けを認めて罰ゲームと称して俺にキスをする。このまま足を舐めろとか言っても通じそうだ。




