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第25話:名は体を表す


「遅かったですね。せーんぱい?」


 俺が自分のマンションに帰ると、ジト目で俺を見る須藤カーマが待っていた。こいつ。俺とは恋敵のくせして、何故俺のマンションにいる。というか何故知ってる?


「ストーカーしました」


「あっさり言うな」


 春の夕日に茶髪を輝かせて、彼女のジト目は治らない。


「先輩は不死身でネバーダイだから伏見ネバダなんですよねー?」


「そうだが?」


「私も同じでーす。須藤カーマはストーカー魔……なんですよ?」


 まさにストーカーをするために名付けられたような名前。


「だったらアキラをストーカーしろよ」


「もうしてます。アキラ先輩の家は特定してますし。家族構成も把握してますし。ついでに親の職業まで」


 カーマ……恐ろしい子!


「で、何か用か?」


「とりあえず上げてください。御茶くらい出せますよね?」


「俺に襲われる心配はしてないんだな」


「いえ、むしろ望むところと言いますか」


「お前、アキラが好きなんだろ?」


「先輩にならわかると思ったんですけど……異様に勘がいいですし」


 まぁ察するところはあって。


「コーヒーでいいか?」


「ブレンドをフィルター抽出で」


「残念ながらインスタントだ」


 然程本格的なコーヒーは無い。


「で、俺に抱けと?」


 マグカップにコーヒーを注いで、カーマに出す。そのままテレビをつけるでもなく。ジャージ姿で学生カバンを放り投げて、俺は確認を取る。


「ほら、分かってるじゃないですか。ちなみに背景についても悟ってます?」


「アキラが俺にガチ惚れしているから、俺の性欲を鎮めるために捨て身で自分が相手をする。だからアキラには手を出すな、か?」


「まさか先輩って心が読めるんですか?」


「知り合いにいないじゃないが、俺の場合は目がいいんだよ」


「目」


却下ン視(サイドシーイング)。高精度に情報を処理して、擬似的に未来を見る目だ。嫌な予感とか虫の報せをもうちょっと高度にした異能だな」


「それは不死身とはワンセットですか?」


「いや? 却下ン視(サイドシーイング)は先天的な能力。不死身は後天的な能力だな」


「魔法使いって言ってましたもんね」


「バスケット選手もサッカー選手も卓球選手もスポーツマンって呼称するだろ? 俺はその中でもEスポーツだ」


「スポーツ選手には違いないけど、定義的にはそうであって、あんまり該当するかは悩んじゃう、みたいな?」


「そゆこと」


「でも刺されても死なないって便利ですよね」


「まぁそういう目的で造られているからな」


「人造人間?」


「テセウスの船の問題だな。で、俺の話はいいんだよ。お前は何の用だ?」


「だから抱いてください」


「断る。ハイ終了。出口はあちらでーす」


「これでも私おっぱい大きいんですよ?」


「知ってる。会うたびにガン見してるから」


「さすがに高嶺の唯華みたいな常識外れじゃないですけど、Eカップはあったりして」


「それを俺に揉ませてくれると?」


「だから交渉です。私がお相手してあげるので、アキラ先輩は諦めてください」


 ここでアキラだけに? とかギャグ飛ばすとドン引きされるんだろうな。


「そもそも俺はアキラのことなんて……」


「アキラ先輩がネバダ先輩を思っているのが危機的なんです」


「じゃあストーカーして百合レイプでもなんでもしろよ」


「そりゃしますけど……」


 するんだ。


「その前にネバダ先輩と決着付けるべきかなーって」


「手は出さんから安心しろ。なんならつかず離れずで対応すればいいんだろ」


「わかっているじゃないですか」


「じゃ、帰れ」


「恋堕の天使を家に上げておいて、マジでそれを言ってます」


「言ったろ。未来がわかる。お前はここで俺を誘惑しようとして吐くんだよ」


「…………」


「父親に暴行されて流産。その光景がフラッシュバックして、男に裸を晒そうとするとパニック障害を起こすんだろ?」


「そこまでわかるんですか?」


「俺の業だな。なわけで抱く気はない。ただでさえお前のせいで制服クリーニングに出してんだよ。学校指定ジャージまで駄目にされると、俺は学校に来ていく服が無くなる」


「私の貸しましょうか?」


「まぁ俺も中性的な顔をしているから、似合わないわけじゃ無いが」


「結構イケメンですよね」


「どうも」


 そんなわけでマグカップを傾けてコーヒーを飲みながら、俺はあっさりとそう言った。


「ところでご飯は何ですか?」


「食べていく気か」


「どうせ母親死んでますし。父親は犯罪者。私も先輩と同じで一人暮らしなんで。飯を御馳走になるくらい誰の許可もいりません」


「同情はしないぞ。然程優しい性格でも無いんでな」


「お礼にしゃぶってあげますから」


「アレ見ただけでパニック起こす癖によくそんな売女を演じられるな」


「えー、恋堕の天使って言えば非モテ男子の憧れの的ですよー? そんな天使様がBしてあげようって言ってるんですから嬉しがるところでは?」


「ああ、三十歳まで童貞貫いて魔法使いになる予定だから」


「じゃ、お風呂借りますねー」


「泊っていく気か?」


「どうせ帰っても一人ですし」


「ちなみに子供が出来たら意地でも産んでもらうからな?」


「先輩にそれが出来るなら、ですけどね」


 ニヒッと笑って、カーマは風呂場に消えていった。俺はタオルだけ貸して、後は野となれ山となれ。既に着替えも準備していたらしく、華麗なまでにカーマは俺の部屋に順応していた。


「ところでこのマンションってどうしたんです? お高そうですけど」


「親戚が不動産やってるから血縁価格で住まわせてもらってる」


 正確にはスポンサーの意向なのだが余計なことは言わなくていい。


「襲ってもいいんだな?」


「風呂上がりのエロエロな私を先輩がリードできるなら……ですけどね」


 まさにメスガキなんだよなぁ。Eカップのおっぱいがついてないと高校生とも思えないロリ巨乳。そのおっぱいの見ごたえだけはグラビアアイドルにも勝る。


「ちなみに避妊はします?」


「外部写生でよくね」


「先輩って保健体育の授業は聞いていなかったんですか?」


 知ってるけど、心情的にはそんな感じで。


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