第23話:文芸部での禁忌
「…………」
「…………」
「…………」
「ねぇえ。ネバダ~」
文芸部には今四人の人間がいた。文芸部部長……安藤レアス先輩。部員の俺とアキラ。それから入部もしてないのに居座っている砂漠谷エリ。その砂漠谷エリは俺にしな垂れかかって甘えるように甘えている。他の誰にも見えていないという状況を利用して、俺の膝に座って俺の股間を刺激していた。
「ここでやっちゃおうよ」
「誰にも意識されていないとはいえ、それもちょっと」
「ボクはおっぱい出しても平気だよ?」
「俺が股間を露出することに抵抗がある」
「見てみたいなー。ネバダのアレ」
「然程自慢するほどでもない。俺はラブコメ主人公じゃないからな」
「実はベッドヤクザとか」
「童貞です」
そんな生産性のない会話をしていると。
「ねえ。ネバダくん」
文芸部の部室。そこにいるアキラが俺を見て血管を浮かせていた。
「どうかしたか?」
「なんか今日のネバダくん……見ているとすっごくイライラする」
まぁそりゃ爆乳ホルスタイン衣装の美少女が膝に座っているとな。あくまで脳処理の段階で認知できていないだけで、しっかりと俺とエリがイチャイチャしている光景は目に入っているのだ。何故こんな近くにいるのに、俺の顔が見えていないのか。その原理さえ意識できていないのだろう。俺の膝にメス牛姿のエリが座っていることを見てはいても、ソレを脳が拒否している。結果、脳演算の無意識領域で、俺が寝取られていることを朝に忘れる夢のように、違和感だけ覚えているのが現状だ。
「キスしませんか?」
「してもいいが。部室でか?」
「ネバダくんをわからせないといけないみたいですし」
「じゃあせめてワイシャツ脱いで。ブラジャー姿でオナシャス」
「わかりました」
わかっちゃったかー。
「ついでにスカートも脱ぎますね。下着姿でいいですか」
「大歓迎だ」
言われて嬉しそうにアキラは脱いだ。Cカップはありそうな豊かな胸。こんなに豊満なのに校内三大美少女の中では一番小さいという。いやCカップもあれば俺としては御褒美なのだが。カーマがロリ巨乳過ぎるだけ。安藤レアス先輩に至っては「デカァァァァァいッ説明不要!!」すぎるだけだ。もちろん部室の窓はカーテンで仕切る。このパンツとブラジャーだけの姿を他に見せるわけにもいかず。
「興奮しますか……?」
「すでに勃っている」
「見せてください」
「ノーセンキュー」
「ご奉仕しますよ。ねっとりむっちり万全と」
「舐めるのか?」
「挟むというのもあり」
「部長の方が得意そうだが」
「……できなくはないけど」
ボソリと先輩が言った。別に興味が無いわけではないらしい。
「ネバダくんのアレをシゴいていいのは私だけですから♡」
「だから彼女面するなと何度言えば……」
「メス奴隷でいいですよ? ほら。時代劇でも言うじゃないですか。ヤリ捨てゴメン」
斬り捨て御免、な。
「ネバダくんの天牙になれれば他に何もいりません」
多分その天牙は本来アルファベットで書くんだろうけど。
「ちなみに処女か?」
「もちろんです。キスも処女でした。全部初めてはネバダくんに捧げます。阿久津ミヒャエルとは、そこまで行きませんでしたし。ある意味朗報ですね」
別に中古だからと責める気はなかったのだが。そうか。俺が初めてか。
「なのでキスしましょう?」
ブラジャーとパンツだけの姿で、甘えるように囁いてくるアキラ。その瞳は熱に浮かされており、唇は脂がのっている。
「ネバダ……ん♡」
その遠慮なく下着姿になったアキラの目の前で、俺にキスをしている砂漠谷エリ。こっちは牛柄のコスプレで、Hカップの爆乳に相応しいホルスタインの格好をしている。それでも学校側から怒られないのは偏に黒子迷彩のせい。
「ネバダ♡ ……ネバダ♡」
俺とディープキスをして、それからアキラに譲る。
「ネバダくん♡」
俺がエリとキスをしていたなど思いもしないで。だが無意識の領域下ではそのことを認識して。貪るように俺にキスをする。すでにおっぱいは堪能している。アキラが最小とはいえ、それでもCカップもあれば童貞を誘惑するのに十分だ。押し付けられるおっぱいを堪能しながら、俺は彼女とキスをする。エリともキスをして、エリの唾液が残っている唇で、だ。
「私の王子様♡ 私だけの王子様♡」
「お前はそれで嬉しいのか?」
「うん♡ 蹂躙してください♡ 私を消費物のように扱ってください♡ ネバダくんの都合のいい時に抱かれる天牙になれれば幸いです」
「じゃあ俺が彼女を作るのは?」
「ダメです♪」
「俺の都合のいい女でいいんだろ?」
「私だけを見てください。私だけを蹂躙してください。私だけを支配して、私だけを使い潰してください」
「別に女を作ったら?」
「そいつを刺します。あるいはネバダくんを刺して、私も死にます」
「愛が重いって言われないか?」
「全部ネバダくんが初めてですから、始めて言われましたね」
まぁ元カレの阿久津氏に振られて投身自殺をするくらいだしな。
「厄介な女だな」
「ネバダくぅん♡ 好きぃ♡ 大好きぃ♡ 私だけのネバダくん♡」
「須藤カーマはお前が好きらしいぞ?」
「私はネバダくんに服従するだけです」
「俺の機嫌を取りたいなら、俺の恋愛にも口出しするな」
「ダメですよ。私だけのネバダくんなんですから」
「俺の方はなんとも思っていないがなぁ」
「しゃぶらせてください♡」
「謹んでごめんなさい♡」
「ネバダぁ。そんなメンヘラよりボクの方がおっぱい大きいよ?」
そのHカップの爆乳を俺の腕に押し付けてきて、アキラの意識の外で、俺とディープキスをするエリ。こいつもこいつでどうかしている。メス牛……それもホルスタインの格好をして、白黒デザインのブラとパンツだけの姿。首には飼牛がしているようなベルを下げて、さっきからチリンチリンと鳴っている。ソレを認識できるのも俺だけなのだが。
「なんだかネバダくんとキスしているのに不満です……」
「そりゃあな」
「心当たりが御有りで?」
今お前の目の前で、メス牛が発情して俺にキスをしている。と言ってもしょうがないので言わないのだが。俺とキスをして、ねっとりと唾液を交換しているエリ。そのエリを見ていながら意識上の認知が出来ないアキラ。二人が二人とも俺を求めて、その光景を把握していながら何もツッコまない安藤先輩。さて、誰が一番イカレているのか?




