第100話:四人のヒロイン
「ほわー」
ジト目で俺を見るアキラの視線には思うところもあるが、別に後ろめたいことはない。俺は普通に肩をすくめていた。夏休みも後半も後半。俺がカーマとレアスと暮らしていると聞くとアキラから不平不満が出た。ズルい、と。言いたいことはわかるが、フグ毒盛るかもしれない奴と一緒に暮らしたいと思うか?
「ネバダくんは浮気者です」
「生憎と俺は俺を好きな奴は無条件で好きになるからな」
「それが誰であっても?」
「人員は厳選する」
つまり俺の我儘だ。
「その。カーマとしたの?」
「挟んでもらっただけ」
何を、とか、何で、は言わないが。
「むー……」
で、自分のおっぱいを揉むアキラさんでした。
「じゃあ今日は私が」
「別に無理しなくても……」
「ネバダのために無理したいの!」
「じゃあ今夜の相手をしてくれるって事か?」
「いいの!?」
拒否する理由も無いんだが。月影の女神とイチャイチャできるのなら。そもそもお前ら俺の何が好きなので?
「王子様なところ」
まさに勘違いも甚だしい。
「ネ・バ・ダせーんぱい♡」
「ネバダ」
「……伏見くん♡」
で、すり寄ってくるカーマとエリとレアス。
「ふしゃー!」
そのため威嚇するアキラであって。
「なんですか? 私のネバダ先輩を独占する気ですか?」
「私のネバダくんです」
「……おっぱいは……拙の方が大きいよ?」
言っとくが。レアスが異常なだけで、アキラにもしっかりあるからな?
「ネバダくーん?」
「だから何もしとらんだろうが」
「ナニはしましたけどねー」
話がややこしくなるのでやめろ。
「ネバダくんは私のモノです!」
「じゃあ私は先輩の愛人ですね」
「……拙は……その」
正妻の余裕を見せろ。
「ん♡ ちゅ♡」
で、月影の女神と恋堕の天使と高嶺の唯華が牽制している横で、エリが俺にキスをしていた。
「ネバダくん?」
「ネバダ先輩?」
「……ネバダ?」
はい。なんでしょうか?
「何もしてないよね?」
というと虚偽に当たるが。
「ネバダぁ……大好きぃ……」
俺を抱きしめて、彼シャツ姿のエリが俺にキスをしている。もちろん知っているのは俺だけで。
「キスしてください」
「私とも」
「……そのー……拙とも」
「はいはい。順番にな」
「ネバダぁ……おっぱい揉んで?」
「お前はそれでいいのか?」
「ネバダの都合のいい女だよ?」
別にそれを俺が肯定する義理もないが。でもエリみたいな可愛い子に惚れられるのはちょっと優越感。
「だから好き♡ ネバダ♡」
「さいですか」
「ネバダくん。なんだか不愉快なんだけど」
「なんでしょー。この気持ち……」
「……むぅ」
俺とエリの睦言を把握はしていなくても無視する程度には認識して。俺とエリのラブラブを見ていて三人が面白いはずも無く。
「じゃ風呂入るか」
「全員で?」
そこまで俺の部屋の風呂は広くない。
「じゃあ私とですね」
「先輩。私とワンチャン」
「……拙が一番柔らかいブラシだよ?」
だからな。お前ら。まずは性的な感情から離れないか?
「先輩がエッチィのがいけない」
「……うん。……わかる。……ネバダはエッチィ」
「異論はありません」
「そんなにエロイかね?」
「「「超エロ」」」
「エリの意見は?」
「裸で抱きしめて蹂躙されたい。ネバダので貫いてドクドク出されたい」
「責任がとれんのよなぁ」
「ここにいる女子は全員そうだと思うよ?」
「俺に孕まされたいと?」
「好きな男子の子供は欲しくなるのが女の子だから」
ニコッとエリが笑う。
「俺が超絶事故物件だったらどうするんだ?」
「それでもボクはネバダの子供が欲しい」
「なんか女子の感覚って宇宙だな」
「それだけネバダがイケメンってこと」
自覚はないがなぁ。
「じゃあ私とお風呂」
「先輩。私の方がおっぱい大きいですよ?」
「……ソレを言ったら拙が」
「何事にも上限ってあると思うんです」
「……でもネバダは嫌いじゃないよね?」
まぁ大好きだが。胸でマウント取るの止めない?
「じゃあ今日は一人で」
誰を選んでも角が立つ。
「じゃボクとだねー」
コイツは本気で黒子迷彩を活用して好き勝手を。
「でもネバダも嫌いじゃないでしょ? ボクの裸」
超活ホッキするというか。性的に興奮するというか。Hカップのくせに腰がくびれて肌が白いとかどういうマジックだよ。しかも可愛いまで付随すると俺から出る文句は皆無で。




