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(第二章を始めました)だれか溺愛見せてください。ちなみに、溺愛を見たいだけで、溺愛してもらいたいわけではありません。   作者: 水無月 あん
第二章

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仲良くなれそう

心配性で過保護のラルフを煽るようなジョッシュさん。

ラルフの顔色が変わった。


が、その時だった。


きゅるる……。私のおなかが鳴ったのは……。


なんてこと! 恥ずかしすぎて、一気に顔が熱くなった。


ハハハッと、笑い声が。

なんと、ジョルジュさんだ。


「ジョルジュ様がこんなに声をあげて楽しそうに笑われるなんて、約5840日ぶりです! 」

と、興奮気味に叫ぶジョッシュさん。


え? 約5840日ぶりって……。

なんだか、妙に細かいんだけど、まさか数えてるとか……?  

ジョッシュさんならあり得そう。


おなかが鳴った恥ずかしさも忘れてしまうほどの、ジョッシュさんのインパクト。

アイシャは、そんなジョッシュさんを冷たく一瞥すると、私に向かって、にこやかに言った。


「あっちは見なくていいから、リリー、もう食べましょう」


「あ……うん。いただきます」


ジョッシュさんに意識がもっていかれながらも、朝食をいただき始めると……美味しい!


なかでも、いろんな種類の焼きたてのパンがもう絶品。

あまりの美味しさに、感嘆の声をもらしながら、夢中で食べる私。


「どのパンも、ものすごく美味しいけど、もしかして、ここで焼いてるの!?」

と、アイシャに聞くと、アイシャがうなずいた。


「うちのデザート担当のシェフがパン作りも得意なの」


それはうらやましすぎる……。


そういえば、前世で大好物だった、あんぱん。食べたいなあ……。

この世界にもいろんな種類のパンがあるけれど、あんこがないから、あんぱんがないのよね……。


あ、でも、どらやきができれば、あんぱんも食べられるってこと!?

こんな美味しいパンを焼くシェフさんに、あんぱんも作ってもらいたい……。


なんて考えながら、パンを食べる。食べる。食べる……。


そして、令嬢としてはアウトなくらいの食べっぷりで、食事を終えた私に、ジョルジュさんが言った。


「リリアンヌ嬢がパンの味を気に入ってくれたみたいで、なによりだ。実は、リリアンヌ嬢には、このパンを焼いた料理人と協力してドラヤキを再現してもらおうと考えている。……ジョッシュ」


「はい、ジョルジュ様!」


ジョルジュさんに呼ばれたジョッシュさんが、ものすごく嬉しそうに返事をする。


「アランを呼んでくれ」


「そう言われるだろうと思い、既に待機させてあります!」

と、誇らしげに答えたジョッシュさん。


すぐに部屋の入口までいくと、小柄で、くりっとした大きな目が特徴的な若い男性を連れて戻って来た。


「リリアンヌ嬢。うちのデザート専門の料理人アランだ。リリアンヌ嬢の助言をもとにドラヤキを再現するようにと指示してある」

と、ジョルジュさんが、その男性を紹介してくれた。


「アラン・ロイズと申します。ジョルジュ様から、昨夜、ドラヤキづくりを命じられました。完璧なドラヤキ完成に向かって全力を尽くします! どうぞ、よろしくお願いいたします!」

と、若干緊張したような様子で、挨拶をしてくれたアランさん。


完璧などらやき完成に向かって……?

なんだか、どらやきが手の届かない存在になったみたい……。


でも、どらやきは親しみやすいお菓子。

もっと、気楽に取り組んでもらえるように後でイメージを伝えよう!


「リリアンヌ・ミラベルと申します。どらやきづくり、とても楽しみです。どうぞ、よろしくお願いします! あの、それと、アランさん。朝食のパン、ものすごく美味しくて、沢山いただいてしまいました! ごちそうさまでした!」

と、お礼を伝える。


すると、アランさんは大きな目をかがやせて、にっこり微笑んだ。


「うわ、嬉しい……。良かったです!」


一気に口調がくだけ、無邪気な笑顔を見せてくれたアランさん。

うん、仲良くなれそう!


安心した私も、にっこりと微笑み返す。


すると、いきなり、ラルフがアランさんに近づき、小柄なアランさんを見下ろして言った。


「ひさしぶりだな、アラン」


「そうだね、ラルフ」

と、ラルフを見上げて、にっこり微笑むアランさん。


あれ? ふたりは知り合いなの?




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