あと18日
NTR進捗状況
漫才やってました。
田中 正 :主人公、駿は親友の彼女に手を出さない、ヨシ。
橘 鈴 :幼馴染、寝取られる。
金谷 駿 :イケメン、クラス意外でも人気者、幼馴染とフラグ建築中。漫才が好き。親友の彼女に手は出さない。
「師匠、教えてください。幼馴染が寝取られないようにするにはどうしたらいいでしょうか?」
「ふむ、お前は幼馴染を取られるのが怖いのか?そうか、いいか少年、今から大事なことを教える。よく聞くんだ。幼馴染が寝取られると、恐れる心が既に寝取られの始まりだ。」
「え?」
「いいか、少年よ。寝取られることを恐れるな。恐怖は現実になる。恐怖を克服するんだ。」
「分かりました、師匠。」
「そうだ、寝取られは怖くない。寝取られは隣人だ。寝取られに頬を殴られたなら。」
「もう片方を差し出す。ですね、師匠。」
「はえー、寝取られは怖くなかったんだ。」
正はネットドラマを見ながらまた一つ賢くなった。以前に正の学校でぶちかました講師のことが気になり検索してみたら、このネットドラマに行きついたのだ。ユーチューブで無料で見れるということなのでとりあえず見て見たが、そこには正の目から鱗が落ちる事実がいくつもあった。その中でも特に正の目を引いたのが、寝取られは怖くないということだ。師匠と名乗るこの男はユーチューバーとしても活動しているらしい。早速、正は今始まったばかりの生放送を見に行く。
「どーもー、チャンネル登録、高評価、お願いいたします。師匠です。」
スマートフォンの画面にはあの学校で見た、厳めしい男の顔が映っている。しかし、その言動は実に軽く、コミカルな魅力を全面に押し出しているようだ。恐らく、今の流行がそちらの方向なのだろう。画面の端で流れるコメントを視界の隅で流し読みしているがおおむね好評のようだ。
「それじゃあ、今日は寝取られに慣れて行こうということで、僕がおススメする寝取られ物を紹介していこうかと思いまっす。」
正は驚く。大丈夫なのだろうか。正が知る限り、寝取られというものは、動悸、息切れ、悪心、その他いろいろな症状を誘発する健康を害するもののはずだ。それが、進んで寝取られ物を見ようだなんて。何か、危険な薬品を取り締まるような法律に抵触するのではないだろうか。改正薬機法とか、そういうのに。
しかもエロ本の紹介というのはアカウント的に大丈夫なのだろうか?
しかし、正の心配をよそに、コメント欄は待ってましたの絶賛の嵐。そのコメントの流れに後押しされるように師匠の唇は滑らかになっていく。
「それじゃあね、流石に18禁はマズいからね。ユーチューブ君はそういうの厳しいから。だから、今日は一般の漫画から紹介しようかな。でも、大丈夫。ガッツり寝取られて、最高に抜けるから。」
何が大丈夫なのだろうか。抜けるというのは、どういう意味だろうか。
「今日はね、僕がね、特にいいと思うジャンル。幼馴染寝取られから。」
どきりとする。正が今、最も知りたいと思う、幼馴染が寝取られないために必要な知識。きっと失敗した例から、成功のカギを見つけようと、そういう意図があるのだろう。
コメント欄は正の考える方向性とは違うが、きっと僕は間違っていない。そう信じて、多くの人から尊敬を集めているこの師匠からありがたい知識を得ようとスマートフォンの画面を見つめ続けた。




