あと25日
NTR進捗状況
駿と正は漫才大会の本大会に進む。
田中 正 :主人公、駿は親友の彼女に手を出さない、ヨシ。
橘 鈴 :幼馴染、寝取られる。
金谷 駿 :イケメン、クラス意外でも人気者、幼馴染とフラグ建築中。漫才が好き。親友の彼女に手は出さない。
今日は鈴と映画館に来ている。何でも昔の映画を復刻上映していると聞いて、小さい頃に鈴と一緒に見た映画をまた見たくなったのだ。
「確かこれって、テレビでしか見たことなかったよね。」
鈴の言う通りシリーズの一作目は正たちが産まれる前だから映画館で観れるのはこれが初めてだ。シリーズの中盤から映画館で見た記憶があるが、あの頃どんな感想を持ったのかはあまり記憶にない。
「ふふふ、ダダくん、怖がってたよね。」
「いや、あれは暗くなってびっくりしてただけだよ。」
それを怖がるというのだが正は認めたくなくて無駄に言い訳をする。そんな正を見て鈴はまた笑った。
いや違うのだ。なんだか子供の魔法使いたちが冒険する映画ということで子供向けの様に宣伝されているが中身は中々に大人向けで特に敵の親玉が出てくるシーンは普通に映画館で泣く子が出てもおかしくない。そんなことを正は口の中で言いかけて、結局恥ずかしくなって止めた。
映画はまだ主人公たちが小学生ぐらいのころから始まる。シリーズを最後まで知っていると、彼らの出会いがこれから続く長い絆の物語の序章として見てしまう。物語の中の彼らはそれをいつ頃自覚したのだろうか。物語的に言えばきっと出会った瞬間だろう。だけど、現実ならきっともっと大きなきっかけがある瞬間だ。正はそう思いながら、その場面を探すように映画を見ていた。
映画館が徐々に明るくなる。長かったエンドロールはこれで終わりのようだ。
「なんだか、新鮮だったね。やっぱりテレビで見るのと映画館で見るのは違うのかな。もしかしたらテレビでやってたのはカットされてるバージョンだったのかもしれないね。」
鈴が言う通り、知っている内容でも映画館で見るとまた違った見方がある。何となく思い出したが主人公と友人の男の子と女の子の3人のうちで女の子と結婚するのが主人公ではなく友人の男の子の方だと知ったときは疑問に思ったものだ。主人公というものは昔から絆のある相手とくっつくものとそう信じていた頃だったから納得いかなかったのを覚えている。今では結末を知っているのだから自然と受け入れているがシリーズの最初を見て改めて疑問に思った。
「ねえ、鈴。なんであの女の子は主人公とくっつかなかったんだろう。」
「なんでだろうね。でも私はわかるかも。きっと自分と似ていないところが気になったんじゃないかなって。」
鈴は正とは違って理解できるらしい。
そっか、そういうものか。正は鈴の話を聞きながら考え直す。彼らはあんなに小さいころに出会って、これから一緒に成長して、そして老人になって死ぬまで絆を深めていくのだろう。その中には他人には納得できない決断や心の動きというものがあるのかもしれない。それを正には理解できなくて、鈴には理解できた。ただそれだけのことなのかもしれない。
僕と鈴の間にもきっとそんな当人にしか理解できないような決断をする瞬間がくるのかもしれないが、それはずっと続く絆の中で見ればほんの一瞬のことだろう。それさえ忘れなければ、きっと。
「ねっ、今度は駿くんも誘おうね。」
鈴が最後に言った言葉に、正はあいまいに頷いた。




