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ピクシーズ 第25戦略偵察飛行中隊   作者: 名無しの戦闘機性愛者
第1章 ラーシャ空軍ボルスニー基地飛行隊
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デブリーフィング

ラーシャ共和国 ボルスニー空軍基地

ブリーフィングルーム


「レーダーサイトが受けた損害は、現在確認中だ。ともかく、よくこの基地を守ってくれた。ここがやられたら、ラーシャ東部軍は壊滅だったからな。

とはいえ、こちらも少なからず配備機に損害を被ったのは痛手だ。現在西部軍に増援を要請している。

各員は、別名あるまで待機していてくれ。解散」


基地司令が話し終わると、パイロットたちは重い足取りでブリーフィングルームを出る。


「司令、少しよろしいでしょうか」


グレイズは、自分以外の全員が部屋を出たのを確認すると、司令官に声を掛けた。


「構わんぞ、大尉」


グレイズは、少し間を置いてから、切り出した。


「エリシャ少尉のことですが... 彼女、何者なんですか?ただの新人の戦果ではありませんよ、あれは」


「確か、今日は共同撃墜1、撃墜3、だったか」


「えぇ、それにあの空戦技術、独学でできるようなものではありません」


「君は、彼女は極秘の秘密兵器だとでも私に言ってもらいたいのか?」


「いえ... そういう訳では」


「君が不審に思う気持ちも分かる。だがそれも才能というものだ。そう思うしかないだろう。

あぁ、それと増援だが、西部軍から1個中隊が出向いてくれるそうだ。それが今動かせる限界だそうだが」


「...分かりました。失礼します」


それだけ言うと、グレイズは部屋を出た。


「才能、か...」


「なんのことです?」


横から飛び出してきた真っ白な頭に、グレイズはまたも飛び上がりそうになる。


「お前、スニーキングの癖でもあるのか?」


「ひゃい⁈ 酷いですね、私は私なりに生活してるんです!」


「そうか......... そうか?」


「もう!」


「冗談だ。ま、いつものお前通りでよかった」


「...はい。その、もう深く考えるのはやめることにしました。これは、戦争だから」


「...そうだな」


宣戦布告が行われていないのは、伏せておこう。


今はまだ、コイツに難しい話はしなくていい。


「そうだ、西部軍から1個中隊ほどこの基地に来てくれるそうだ」


「本当ですか!なら安心です。この基地を守るには十分ですね!」


「だが、その分東部軍の仕事をほとんど全て俺たちがやらなきゃならん。忙しくなるぞ」


「ふぇっ⁈ やっぱりやだぁ...」


「おいおい、勘弁しろよ...」


と、他愛もない会話を続ける彼らの頭上を、見慣れない機影が通り過ぎた。


Suシリーズにも似た、曲線的なデザイン。機体下部に垂直に伸びた大きな補助翼。


そして何より目を引いたのは、それが背負った大きな双発のエンジンだ。


それが、とてつもないスピードでエリシャたちの頭上を通り過ぎる。


「...あんな機体、ウチにありましたっけ?」


「分からん。ただ、敵機じゃないのは確かだ。警報も鳴ってない」


「そんなこと言って、別件で鳴らなきゃいいですけど」


「おい、そういうこと言うと...」


『緊急!緊急!オーム湾に停泊中の艦隊が攻撃を受けている、稼働全機は直ちに離陸、オーム湾上空の航空優勢を確保せよ!繰り返す...』


緊急離陸を告げる警報が、基地中に響き渡った。


「ほら、言わんこっちゃない!」


それだけ吐き捨てるように言って、グレイズはエリシャと格納庫に走った。

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