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アイテムBOXに北海道丸ごと入っているので、異世界でも食べるものには困りません  作者: 柚木 冬
第一部

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99/118

97*キリン?!

 まだ全然明るい時間なので、周辺を見張ることにした。車に乗り換え、東へ走る。

 丁度、村3と4の間を突っ切ったが、村に寄るつもりはない。


 私の目的地はもっと東だ。

 車を飛ばしたら、1時間もかからずに魔素の濃いところに着いた。


「おおっ、アールレイに比べたら全然魔素違うね。入口でこうかー。よくこんなところで暮らしてたもんだ」


「懐かしの我が家って感じ?」


「こんなところを故郷認定しないでよ。村が襲われると困るからね、ちょっと浅いところの確認よ。あと、魔石欲しいでしょ? ユイも」

「まあねー」


「わー、やっぱり魔素濃いのはいいわ。森林浴って感じがする」

「いや、大分違うと思うんだけど」


「お、早速魔石発見!」

「エルゼダンテの森ではしゃぐな」


 確かに。気を引き締めて索敵を周辺に伸ばしていく。


 森に入ってたった15分で、アールレイの森の魔石7個を超えた。おまけに色が濃くて魔素が豊富。


 最初の魔獣は魔兎だった。クリーム煮が美味しいんだよね。水弾!

 よっしゃ、クリーム煮ゲット。違う、魔兎ゲットだった。


 この間ウベールで食べた魔猪のサンドイッチ美味しかったな、魔猪いないかな。


 浅いところを1時間うろうろしたら、魔兎5匹、魔リス2匹、魔鼠3匹になった。既にアールレイの森の魔獣の数を超えている。

 逆に動物はかなり少ない。こんな魔素の濃い場所じゃ、すぐに魔獣になってしまうのだろう。


 腕は衰えていない感じなので、もう少し奥に入ってみる。


 緑の濃い森の中だとあっと云う間に暗くなる。17時には撤収しよう。


 奥に進んでいくと、久しぶり魔熊に遭遇した。ワイン煮込みが美味しい動物だったよね、これ。

 あと、どっかのギルド長が好きな奴。額の真ん中を水弾で打ち抜き、BOXに収納した。


 即座に後ろから魔鹿が襲ってきたので、振り向きざまに撃ち抜く。


 あれ、今の私、かっこ良かったんじゃない?

 動画欲しいな。でも自分の動画見たら、絶対想像と100倍違って悶絶すると思うので止めておこう。


 アリッチェに行ってからマスターした魔法を生かせないものかと考えてみたが、土魔法で檻を作るとか、風魔法で引き寄せるとか、温熱魔法で体を覆うとか、魔獣には意味のない魔法ばかりだったので諦めた。


 買取価格上げて、美味しく頂くためには水弾が一番。

 毛皮の加工に邪魔にならない箇所を、確実に撃ち抜く。

 索敵の範囲が広がったので、魔石を見付けるペースは以前より上がった。



 17時になったので、早上がりする。

 今日はお風呂に入って早く寝て、明朝は日の出と共に出掛けようか。

 ジェマを昼に迎えに行くって言ったから、森を10時には出た方がいいかな。


 絶対大丈夫だと解っているのに、エルゼダンテの森のど真ん中で風呂に入ったり寝るのはドキドキする。

 でも、疲れたのか満足したのか、布団を被るとすぐに寝てしまった。




 朝早く起きて、住んでいた頃も通らなかった方角に行ってみる。

 魔獣を間引いていない場所のせいか、そちらの方角の魔素が随分と濃いのだ。中心に魔獣のたまり場があるに違いない。


 小さい魔素反応は無視して、魔素の中心部に走っていく。

 魔熊が襲ってきたので走りながら撃ち抜いた。


 でも魔熊をBOXに収納するときに少し立ち止まってしまうのがタイムロスだな。走りながらかっこ良く収納する方法を習得しなければ、映画の話は来ないだろう。


 魔素の濃い区域の中心まで来ると、全貌が見えてきた。

 木ばかりの森なのに、そこだけ広い平地になっていた。


 やはり魔獣のたまり場だ。それも大きい魔獣ばかりいる。

 魔熊と魔山羊と魔猪と魔豹、そんなに仲良しにも思えないのに、集会でもしてるの?


 それはともかく、一気に襲われると絶対に勝てないので、端の方から少しずつ狩って行く。

 しかし一匹に気付かれて、吠えられてしまった。周囲の魔獣たちもこっちに走って来る。


 とりあえず一旦退避して身を隠す。

 魔獣たちは唸りながら、周囲を徘徊している。


 うーむ、どうしよう、ピンチだ。

 まだ50匹位いる。

 下手な殺し方をしたら査定が下がるしなぁ。

 火じゃ毛皮取れなくなっちゃうし、土壁作って隔離しても体当たりされたら、それも毛皮がダメになる。

 

 考えて、魔獣たちの足元を狙うことにした。

 土魔法で魔獣の足元に穴を掘り、同時に水魔法で魔獣の足元に大量の水を撒いた。

 ちょっと汚れるかもしれないが、きっと浄化が働くので大丈夫だろう。


 泥化!


 魔獣たちが泥に沈んで足掻く。

 動けなくなって埋まったところを、水弾で仕留めていく。

 暴れる魔獣は、周辺の泥を土に変化させて固めて、体が挟まって動けなくなったところを水弾。



 しかし一匹だけ凄く背の高い魔獣がいた。


 そこだけ泥化に失敗したのかと目を凝らすと、なんと魔キリンだった。


 何故こんなところに、キリン。



 背が高くてあまり埋まってなかったようだ。長い首を突き出して暴れているので、周囲の泥を魔キリンの首周りに集めて固定した。

 何か可哀想な気もするが、魔獣化して凶悪な顔になっているので、情けは無用。


 水弾!



 周囲を索敵したが、動いている個体はもう他には無いようだ。

 倒した魔獣をどんどんBOXに収納していく。

 小さいのは泥の中に埋もれてしまったので泥ごと回収して、BOX内で分解する。


 魔獣の群れが無くなったので、開けた穴に北海道の土を流し込んで整地しておいた。


 北海道の土どうしようかと思ってたけど、意外と使い道あるね。まぁ、こんなに沢山は要らないんですが。


 しかし何故こんなところで魔獣の集会が行われていたんだろうか。

 魔キリンは初めて見たので、あれがボスだったんだろうか。キリンにはボスのイメージは無いんだけど、確かに強そうではある。


 周辺の魔石を拾っていく。


 この辺りの魔石は全部拾っている筈なのに、何故か魔素の反応がまだある。


 うーん?

 該当位置まで行くが、何も落ちていない。しかし、大きな魔獣並みの魔素の反応がある。


 さっきの泥化で、魔石が下に落ちたのかもしれない。地下の反応か!


 1m穴を掘ると、魔素の反応が増える。掘り出した土の中に魔石は無かったので、もう少し掘り進める。

 2m掘っても出て来ないが、魔素の反応はもっと大きくなる。


 硬い岩に当たったので、一旦掘るのを止める。掘り出した土には魔石は無かった。


「そうなるとこの岩か、岩の下か」


 本腰を入れて岩の採掘を始める。穴を広げて、柔らかい土を掻き出すが、かなり大きい岩だった。

 10分位作業を続け、直径1mもある岩だと判明する。この岩が魔石だとしたら、割ってしまうのは勿体ないので、慎重に周囲を掘り進める。


 形は違うけど、自然薯堀りみたいじゃない? 丸い形で良かったよ。不器用な私には細長い自然薯は絶対に無理だ。


 後は岩の深さがどの程度か。岩の周囲を慎重に掘っていくと、深さも1m弱あった。


 これが魔石で間違いなさそうだ。今まで一番大きい魔石でも10cm位だったので、1m級なんて規格外だ。


 全体像が見えたので、これでBOXに入りそうだ。一部しか視界に入っていないとBOXに収納するのが難しい。

 何とか収納できたようで、大きな岩の塊が吸い込まれていった。


 その下を索敵するが、微量な魔素の反応しか無いので、やはり今の岩が魔石で間違いなかった。


 大きな穴を開けてしまったので、掻き出した土を埋め戻す。岩の分足りなくなったので、また北海道の土を足して、圧力かけて固めていく。


 終わって周囲を索敵するが、この辺りの魔獣は全て討伐したようで一安心した。



 もう8時になっていたので、エルゼダンテの森を脱出すべく西へ移動する。

 走りながら、魔獣を見付けると水弾を撃つ。

 大きい魔獣はさっきの場所に集まっていたようで、周囲にいるのは小型ばかりだった。


 あの魔石が埋まっていたから、魔獣が集まって来ていたんだろう。

 エルゼダンテの森の魔素が他より濃いのは、あれが原因だったのかもしれない。


 1時間かけて森を抜けた。周囲に索敵を薄く広くかけるが、あの魔石級の魔素反応は無かった。


 良いことをしたかもしれない。

 魔獣が増える原因だったかもしれない魔石を除去したので、周囲の魔獣被害リスクは減っただろう。大きな魔石は運営も喜ぶだろう。



 さて、ジェマを迎えに行こうか。


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