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アイテムBOXに北海道丸ごと入っているので、異世界でも食べるものには困りません  作者: 柚木 冬


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5*行先はローマ帝国

「転生ってことは赤ちゃんからのスタートですか?」


「本当は体のためには赤ちゃんの方が良いのですが、今話した内容とかも赤ちゃんだと忘れてしまいますから。転生体を探します。それに乗り換えての異世界転移ですね」


「転生体?」

「新鮮な死体です」


 げっ! 坂口さんめっちゃ悪い顔をしている。


「いやー私だって、地球では今新鮮な死体の筈だし! あ、こっちに持って来れないんですか?」


「須藤さんの体では転移が厳しいですね。何しろ魔素が濃い地域なので、地球の体じゃ耐えられないんです。そこで生まれた体を使わないと。それでも拒否症状が出ますので、転移直後はしばらく辛いと思います」


「それじゃあ地球からの移住者は大丈夫なんですか?」


「500年かけて、地球上に魔素を少しずつ降りかけます。少しずつだから大丈夫です。そのために須藤さんも第7惑星で魔石を見つけたら拾っておいてください。もしかすると500年後転移してきた地球人は、既に魔法を使えているかもしれませんね」


「それはそれで問題が出そう」


「その時点で、私が担当ではないことを祈ります」


 というと、坂口さんは500年も生きるんだろうか。受付の佐伯さんもおばあちゃんだったし、坂口さんも既に10万年位生きているかもね(笑)


「日本語通じますか? 何語なんですか?」

「ローマ語です。地球とはちょっと異なるので、イタリア語が一番近くてラテン語やスペイン語っぽいところもありますね」

「いや、イタリア語苦手だったんですよ。喋れませんって」


 英語の方がまだマシなのに。ゲルマン民族大移動していて欲しかった。


「大丈夫です。読み書きが出来た転生体を探すので、前任者の思い出は消えるけど、脳に知識は残るので、簡単な勉強をしたらそのうち使いこなせると思います」


「え、そんな便利機能があるんですか?」


「残念ながら機能ではなく、脳のメモリーに残ったままの情報です。最初は引き出すのが難しいですが、体に慣れてくるとリンクしやすくなります。全くイタリア語を知らない人だと習得するのにかなりかかるでしょうが、須藤さんは下地があるので勉強すれば大丈夫、翻訳アプリもあるし」


「アプリなんてあるんですか? あっちの世界に」


「いいえ地球のスマホとかに翻訳アプリあるでしょう? あれです」


「あーーー。えっ、スマホ使えるんですか?」

「地球と繋がるのは無理ですね」

「そりゃあそうですよね」


「ただインターネットは、ここに保存してあるデータにアクセス可能です。リアルタイムとはいきませんが、IT部がこまめに同期しています。こちらから発信することは出来ませんけど、衛星飛ばしてあるので、そこでリンクすれば繋がります」


「衛星? 衛星あるんですか? 文明遅れてる筈では?」


「第7の人たちが飛ばした衛星ではなく、第7の運営の衛星です。向こうも地球と同じように運営で全人類行動監視していますから。私たちもその衛星を借り受けて、須藤さんのフォローをしますので心配ないですよ」


 本当かな。逆にすごく心配になってきたけど。


「あれ? 国の名前は何ていうんですか?」

「言ってませんでしたね。ローマ帝国です」


 うっ……めっちゃ聞いたことある! ローマ帝国。


「古代ローマ帝国ですか? 神聖ローマ帝国ですか?」


「国名はローマ帝国ですね。ヨーロッパのかなりの地域を支配していますが、実質は国家連合の様な形です。ここ100年程は戦争もなく安定していますが、飢饉や疫病、魔獣被害は多いですね」


「魔獣? モンスターですか?」


「魔素の影響で動物が魔獣に変異して、かなり強くなるんです。それが山や森を出て街を襲うんですね。人による戦争どころではなく、魔獣被害の方が深刻です」


「異世界あるあるですね。私に魔王倒せとか言わないですよね?」


「大丈夫、魔王はいません」


「良かった。勇者召喚もしていませんか?」


「聞いたことないですね。理論上できないと思いますよ。あ、ついでに言うと、エルフもドワーフも獣人もいません。ネコ耳娘もいません」


「あはは、空想上の生き物でしたか」


「将来転移したときに残念がる人たちが多く出そうなので、500年後までに地球で広めておきましょう」


 出来る男、坂口。抜かりないな。



「他に質問があれば何でも聞いてください」


「えーと、とりあえず私のすることは、ローマ帝国で魔法の情報を集めることでしょうか?」


「魔法に特化することは無いですよ。他に興味のあることがあればやってください」

「えっ、アバウトすぎませんか?」


「情報を集めると言ってもスパイとかじゃないですから。500年後に8億人で攻め入ろうと思っているわけではないです。なるべく友好的に住み分けが出来ればいいなと思ってます。そのために、第7惑星の常識を身につけ、敵ではないアピールをしなければなりません。須藤さんは普通に生活をして、第7惑星の楽しいことを沢山見つけてきてください。そして地球に振りかける用に、魔石を見付けたら拾っておいて下さい」


「なるほど、いいですね。現地の人と仲良くなろう、魔法の勉強をしよう位の気持ちで良いということですね」


「その位の気持ちで大丈夫ですよ。困ったことは一緒に考えましょう」


「解りました。ありがとうございます。ところで第7惑星の日本には行かなくて良いんですか?」


 移住するなら日本人は日本の方がいいだろう。


「行きたいですが、戦時中なんですよ」

「ええっ、そうなんですね」


「というか、ずっと内乱が続いている状態で、国土もボロボロです。あそこは魔素も少なくて魔法が使えないので、文明も停滞しています」


「魔素少ないんですか?」


「魔素が噴出したヨーロッパから遠く離れているので、薄いですね。このまま内乱が続くようならいっそ滅ぼして、移住先にするのもアリかもしれませんね」


「こわっ」

 ブラック坂口さん怖い。


「いや、冗談ですよ。内政干渉は出来ませんから」


「本当ですか? 神パワー持ってませんか?」


「持ってません。神様は存在しません。まぁ、日本は少し落ち着いた頃に調査します。須藤さんはとりあえず日本のことは忘れて大丈夫です」


「解りました」


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