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アイテムBOXに北海道丸ごと入っているので、異世界でも食べるものには困りません  作者: 柚木 冬


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46*アイテムバッグはトランクルーム

 初日はボーナさん効果で、売上が43,000デナリになった。


 場所代が月10万デナリなので、あっという間に元取れそうだが、半分以上がボーナさんたちの分なので、明日以降は難航しそうだ。

 年会費も含めて既に50万払ってるから3ヶ月で何とか元を取りたいものだ。


 今日はまっすぐ小屋に帰って、商品の補充をして屋台にセットしてから、またアイテムバッグにしまう。

 確かに便利だ。友達とフリマやったとき面倒だったもんなー。



「アイテムバッグってさー」

「なーに?」

 急に話し掛けたけど、ユイがすぐに返事してくれた。独り言とは思わなかったのだろうか。


「どういう作りになってるのかな? こんな小さい袋にこれだけ入るって不思議だよね。異世界モノでは異空間に収納されているというのが定番だけど、異空間って何じゃい」


「まー運営も異空間といえば異空間かも。カノンのBOXが運営にあるカノンの倉庫部屋に繋がっているように、そのアイテムバッグを作った人の倉庫に保管されているだけ」

「え? そうなの?」


「第7の魔法使いがアイテムバッグを作って、保管場所をどっかの倉庫に指定しているだけ。運営の部屋と違って、時間は普通に進むから食べ物が腐ったりする」


「トランクルームかい」


「その場ですぐに出し入れ可能なトランクルーム。地球レベルで考えると便利だよね」

「まーそっか。出し入れするために現地に行く必要ないもんね。商業ギルドで契約したから、あの建物の中に倉庫があるってことなのかな」


「別の町の商業ギルドかもよ。別の建物かもしれないし」

「ああ、そっか。どこかにどでかい倉庫があって、国じゅうの商人の荷物を預かっている可能性があるんだね」


「契約書に、火事とか戦争があったら預かった物の保証はしないよって書いてあったと思う。一応保護魔法とかは掛けているんじゃないかな」


「そうなんだ。日本と比較すると凄いけど、異世界モノのアイテムバッグと比較すると残念だよね。容量無制限、時間停止とかが普通じゃん」


「いや凄いじゃん。入れた瞬間、出そうとした瞬間、転送魔法が発動するんだよ。帰還魔法と似た仕組みじゃないかと思う」


「帰還魔法使えるようになりたいな」


「アイテムバッグをコピーして分析部が持って行ったから、もう少し待ってよ」


「いつの間にコピーしたの?」


「スキップして持って帰ってたわ。第7の魔法を調べるって言ったじゃん。魔道具を集めるのもカノンの仕事なんだから、引き続き頑張ってよ」


「あーなんかそういう話も聞いた気もする。魔法を調べるために、一番進んでいるローマに行かないとならないんだっけ。私の仕事は魔石拾うだけでいいんじゃなかったかー」


「だからローマ帝国に送ったんだよ。魔法が無くてもいいんなら日本でも良かったんだからね」


「こっちの日本は戦時中なんでしょ」

「内乱ね。戦国時代」


「信長や秀吉が頑張っているんだね」

「多分違う人だと思うけど。カノンが生きている間に天下統一したら教えてあげる」


「そうねー見に行こうか」

 誰が戦国時代を制したのか気になるね。第7の日本の歴史、地球とどう変わったのか誰か本でも出してくれないかな。


「そのためにもボートの運転を頑張ろう」

「ううっ、持病の癪が。日本までボートで行くのは無理でしょうが」


「BOXに飛行機も入ってるから、操縦の勉強する? 前世パイロットの人探してみようか」

「やーめーてー。飛行機は売り払ってー」


 やっとバイクがちょっと乗れるようになった段階で、車もまだ慣れてないのに、ボートとか飛行機とか無理に決まってるでしょうが。


「えーいつか使うかもしれないしー。まあ、まずはボートが先だね」

 梶山船長怖い。あ、また持病の癪が。



 ご飯食べてお風呂入った後は、魔法の練習。

 しばらく治癒魔法の練習してるけれど、才能ないかもしれない。


 というか、発動している筈なんだけど効果が見えない。基本健康体だから(持病の癪は置いとくよ)、治癒魔法かけても変化が無いのかもしれない。


 ここに怪我や病気の人がいたら解るけどいないし。だからと言って、自分の体を傷つけて治すとか無理だからね。


 よく異世界モノで、魔力測定器に血を一滴垂らしてくださいとか言われてるじゃない。みんな躊躇もなくナイフで指先切って血を垂らしてるけど、血が垂れるほどって相当切らないと無理だよ。


 針の先に指先刺すとか絶対無理だから。

 大体前の人が刺した後にしっかり消毒はしてるんでしょうね。感染症になったらどうする気よ。


 地球で注射するときは『全然平気』なポーカーフェイスかましてたけど、向こうから刺されるから一時の我慢が出来ただけだ。

「注射しますから、自分で刺してください」なんて言われたら、絶対無理。


 そういう訳で、ちょっと指先切って治癒魔法かけるなんてことも出来ず、今に至る。


 森に行って弱い魔獣を捕まえて来て練習台にする? いや、無理無理無理。

 魔獣なんてまず触りたくないもん。BOXの出し入れは遠隔作業だよ。触らないように出し入れする。出来れば見たくもないけどね。

 水弾撃ったら一発で死んじゃうから治癒魔法の練習できないし。


 勝手にその辺のおばあちゃんに治癒魔法かけることも出来ないしね。

 発動しないだけならいいけど、失敗して悪化したら大変だ。

 成功してしまったら周囲が騒ぎ出すだろう。私も私も状態になるだろう。それもまた大変だ。


 聖女認定されてどこかの教団に閉じ込められて、カチカチになった堅いパン1個だけ与えられて、一生治癒をさせられるんだよ。そんなの絶対許されない。


 もし知らない人に「治癒魔法の練習しているんですが、かけさせて頂いてもいいですか?」なんて言われたら、私なら強張った愛想笑いをしながら全力で逃げるよ。


 そういえば地球でも「占いの勉強をしているんですが、占わせて頂いてもいいですか?」って街中で話し掛けて来る人がいたよね。あれは壺か何か売りつけようとしてたのかな。勿論逃げたけど。

 仮に本当の話だったとしても、占ってなんて欲しくないわ。私の人生は私のもんだ。


 ということで、無事に死んで今第7惑星におります。


 治癒魔法の件は、今度魔法ギルドで相談してみよう。

 そういえば何日に来いって言われてたんだっけ?


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