↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アイテムBOXに北海道丸ごと入っているので、異世界でも食べるものには困りません  作者: 柚木 冬


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
13/90

12*フォルダ名が固すぎる

 ふと目覚めて時計を見ると、2時間経っていた。

 お昼寝には丁度いい時間だ。夢の中で何かと戦っていた気がするが、まぁどうでもいい。


 朝はそのままローマ語講習になってしまったので、タブレットの使い方を勉強しないと。


 画面にはアプリのアイコンがいくつかある。


 第7検索、地球検索、ビデオチャット、メッセージ、BOX、ゴミ箱、設定。とても解りやすいアイコンだ。


 第7検索はきっとこの世界の情報を検索できるんだよね。

 地球検索は地球の情報。見ることは出来るけど、こちらからの発信はできないらしい。

 ビデオチャットはさっきのだよね。ユイやライラさんとの会話したやつ。


 メッセージは、何かあるのかな。

 メッセージを開くと、未読メッセージが結構入っていた。


 IT部より「端末の使い方」 

 おお、まさにタイムリー。でも開いてみたら、300ページもあったので一回閉じた。

 今は読む気にはならないけど、後で「ええ? そんな機能あったの?」ってなりかねないから少しずつ読むことにしよう。



 物流管理部より「お体の具合はいかがでしょうか」

 無事に転移されましたか? 転生体に違和感はありませんか? 確認のメール。


 心配されているようだから、簡潔に返信する。入力の仕方は普通だね。きっと日本人が使いやすいように合わせてくれているんだね、感謝。


 それより物流管理部って、もっと良いネーミングなかったのか。私は物か。

 もうちょっと見直した方がいいですよー。



 それと、総務部より「今日は○○さんのお誕生日です。お祝いメッセージを送りましょう」の沢山のメッセージ。


 いや、運営の人知らんし。何これお誕生日の度に沢山くるの? 運営って何人いるんだよ。お祝いメッセージ送るだけで一日潰れるわ。大企業とかあるよねーこういうの。

 大体運営の人たちって、何度も輪廻転生終えた人たちだよね。誕生日っていつを指してるの。運営に来た日なのか?

 配信停止に出来ないの? あとでユイに聞こう。


 とりあえずメッセージの確認は終了。



 BOXって何?

 開いたらエクスプローラーだった。分類ごとにフォルダが並んでいる。


 輸送用機器/情報通信機器/食料品、飲料/調理用具/飲食器/衣服 身の回り品/家庭用繊維製品/家具/娯楽装置及びがん具/スポーツ用具……。


 何だかフォルダ名が固いんですが。

 選択すると、また中分類のフォルダが並ぶ。


 輸送用機器って何よ?

 開いたら、自転車が一つだけ入っていた。隣に写真が表示される。


 あー、うちのママチャリ号。


 最近しばらく乗ってなくて、マンションの自転車置き場の奥の方に追いやられてたやつ。懐かしいよー。

 これも持ってきてくれたってこと? もしかしてアイテムボックスってことですか?

 どうやって出すんだろう。


 もう一度選択すると「取り出しますか?」が出た。

「はい!」


 目の前にママチャリ号が急に現れた。

「え? ええ? どっから出た?」


 部屋のど真ん中に自転車を出してしまった。汚れているのにと思ったが、物凄く新品だ。

 ママチャリ号がこんなにキレイな訳が無い。これも冷蔵庫と同じで、新品にする魔法をかけてくれているようだ。


「わーすごい。現役だね。外に出られるようになったら、一緒に出掛けよう。ところでどうやって仕舞うんだ、これ」


 自転車を触っても、さっきの選択は出てこない。

 BOXに仕舞う、収納する、入れる、ひたすら念じて声に出してみても仕舞えない。

 うーん。


 画面を見たら?マークがあったので押してみた。

『BOXに入れるとき、出すとき』

 やっぱりヘルプ様々だよね。


 読みながら行動してみる。


「自転車を見ながら……タブレットにドラッグする……おお! 入った!」


 空気上だから微妙だが、軌道を描けば良いらしい。

 取り出すときも逆のモーションで可能だ。

 今後人前で出し入れする際には、少し訓練が必要そうだな。


 今入れた自転車は既にタグ付けされているので、先程のフォルダに収まったようだ。


 画面にママチャリ号が見える。

 異世界までついてきてくれるとは、さすが愛しのママチャリ号!

 ごめん、半分忘れてたけど。


 他のフォルダも確認してみる。

 前の部屋にあって、この小屋に配置されていないものは、全てBOXに収納されているらしい。


 情報通信機器を開いてみる。

 ノートPC、タブレット、スマホ、デジカメ、ICレコーダー、インターホン、火災探知機、ガス探知機……。


 スマホとか何世代前のまでいっぱいあった。古いのも捨てずに持っていたらしい。といっても、もう使えないし、使い道もないが。

 インターホンとか火災探知機とか私物じゃないよ! 持ってきちゃダメじゃん。

 全てコピーしたらしいから元の家には残っているんだろうけど。ところでこれ使い道あるんだろうか。


 今のマンションは8年住んでいたので、さすがに色々溜めこんでいたようだ。

 いつか使うかもしれないと、捨てずに押入れの奥に仕舞いこんでいた物たち。

 今見ても要らないものばかりだけど、全部新品になってるし、今後の生活ではもしかして必要になるものもあるのかもしれないので、一応置いておこう。


 スクラップ及びウエイストというフォルダがあった。

 ウエイストって何? ああ、ゴミってことね。


 非鉄金属のスクラップ及びウエイスト/紡織ウエイスト/古紙/プラスチックスクラップ/その他のスクラップ及びウエイスト。

 フォルダ名がやっぱり固すぎる。


 確かにゴミの日前だったので、ゴミがあった。さすがにゴミは新品加工はしなかったらしい。だよね。


「これこそゴミ箱アイコンの出番なんじゃない?」


 多分ドラッグすればいける筈。エクスプローラーを開いたまま、ゴミ箱アイコンへドラッグする。

 ゴミ箱アイコンが、ゴミが入っているゴミ箱の画像に変わった。おお、通常仕様だ。


 そこで『ゴミ箱を空にする』を選択してみる。

『元に戻すことはできません。よろしいですか?』

 よろしい筈なんだけど、思わず躊躇する。


 間違えて消してしまったーという経験は誰しもある筈だ。

 この分野に関しては、慎重すぎる体質なので、作業中のファイルはバックアップを欠かさず、ゴミ箱を空にする作業は限界まで先送りにしていた女だ。


 いや、今はゴミしか入ってないし、地球のゴミはゴミ袋入りだったし、絶対に消してもいいゴミだから。

 自身に言い聞かせて震える指で『ゴミ箱を空にする』を押した。


 ゴミ箱アイコンは空の画像に戻った。

 おお。普通だ。


 そういえばさっきのパンの袋とか、こっちのゴミも溜まっていたので、ゴミ箱アイコンへドラッグすると、消えた。


 めっちゃ便利じゃん。分別しなくても良いし、ゴミ袋要らないし、臭いゴミを室内に置いておかずに済む。

 収集日も気にする必要なし。ゴミ出たらすぐにゴミ箱に突っ込むだけだ。

 地味にこれ便利だわ。



 その後は第7検索を使って、今いる場所の情報を調べてみた。


 まさにブーツの踵にいた。


 窓の外は森の奥深くに見えるが、海岸に割と近いらしい。

 近くの町までは20km位らしい。意外に近いじゃんと思うけれど、魔獣のいる森を抜けなければならないし、車や移動手段があるわけじゃない。

 これだけ木が多いと、ママチャリ号は多分使えないだろうしなー。


 ちなみにローマまでは700km。

 マジかー、東京から青森くらいじゃん。西だと東京から広島くらいか。


 イタリアってアルプス山脈しか覚えてなかったけど、アペニン山脈っていうのが背骨の如くど真ん中を通ってるんだね。日本アルプスみたいなものか。

 そのため、山脈を超えないとローマに行けない。

 この時代整備された道がある訳もなし、山道必須だよね。

 古代よりローマ街道があった筈だけど、第7はどうなっているのだろう。あったとしても石畳じゃ辛いけど。


 ライラさんのいたレインディナは半島の東側をまっすぐ北へ行けば着くが、1,000km。あはは、もう北海道か九州だよね。


 この時代って何で行くの? 徒歩か馬か乗合馬車とか? 山越えは馬車には無理だよね。


 徒歩で1,000km? いやいやいや、東海道中膝栗毛じゃないんだから。東海道より距離長いんだからね。


 700kmとか1,000kmは地球でのイタリアの道路の長さだから、第7の道はキレイに整備されている訳もなく、もっともっと遠いんだろうな。地球でも飛行機以外では行きたくない距離だよ。


 魔法が一番栄えているのはやっぱりローマだから、ローマにはいずれ行かなくてはならないらしい。

 レインディナに行くなら船で行った方が早そうだよね。かなり栄えている町らしいので行ってみたい。


 地図見て唸っているだけで、終わってしまった。

 まだ異世界2日目で考えすぎても仕方ない。


 晩ごはんは、イタリアなので冷凍パスタにした。ボロネーゼだ。野菜不足にならないように、カット野菜サラダもつける。


 その後魔素酔いはだいぶ楽にはなってきているけど怠いので、お風呂に浸かってぼーっとする。


 この排水はどこに行くんだろうか、トイレとかも。海岸近いということはまさか海にたれ流し?


 水がどこから出ているのかも疑問に思わないとダメだな。川の水や雨水ではない筈。小屋の周辺に浄水装置がついているんだろうか。


 電気は魔石変換だったから、水もそういう変換機能があるのかな。


 不思議だ。

 目を瞑ってお湯の中に漂っていたら、眠くなってきたので慌てて上がる。


 あ、ドライヤーのことユイに言い忘れてた。

 壁にコンセントが固定されていないため、ブルンブルンとコードが暴れる、非常に使いにくいドライヤーを何とかして欲しい。



 風呂上りはまったり地球のネット見て過ごす。


 弟のSNSを見ようとしたけど、辿り着けなかった。

 IDは覚えていないので、過去に投稿されていた内容を思い出して色々検索してみたんだけど、見付からない。

 友達も探してみたけど見付からなかった。


 これは規制がかかってるのかもしれないね。

 あんまり身内や知り合いの情報は見せないようにしているのかもしれない。

 どうしているか気になったけど、私としても知らない方が良いのかもしれない。私の葬式の写真とか出てきたらこっちも見るの嫌だ。


 ちょっと落ち込んだ心を持ち上げて、楽しい動画を色々見てから寝た。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。