↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アイテムBOXに北海道丸ごと入っているので、異世界でも食べるものには困りません  作者: 柚木 冬
第一部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
112/122

110*遺跡というか墓所?

ちょっと魔獣多めなので、想像力が豊かな方は、お食事中に読むのは控えた方が良いです。ぺこり。


 さっきの床の隙間に戻って、もう一度下の空間に索敵をかけてみる。この下もかなり広そうだ。

 そして魔獣の群れがいるらしいことが解った。


 どうも元々階段らしきものがあったらしいが、石で塞がれていた。塞いだのか塞がれたのか。

 大穴を開けてしまうと、魔獣の群れが一気に襲って来るので、中型魔獣が通れる程度の隙間を土魔法でくり抜く。登って来ても一匹ずつ仕留めれば良い。魔鼠などの小型が大量に駆け登って来る可能性もあるが、魔鼠程度なら見逃そう。


 石の下は案の定階段だった。

 風の流れが変わったのか、下にいる魔獣たちが唸り声を上げ出した。こちらも迎撃の姿勢で待ち構える。

 うぉーと大型魔獣らしき雄叫びが聞こえるが、穴が小さくて通り抜けられないらしい。周囲の壁に体当たりをしている。


 その横を魔犬がすり抜け、あっと云う間に私の前に現れた。

 その速度にびっくりしたが、こちらも後は発射するのみだ。

 魔犬の額に水弾がヒットするが、勢いがついた魔犬はそのまま飛んでくる。ぶつかりそうになって慌てて身をかわした。まだ生きているのかと思ったが、そんなことはなく既に息絶えていた。


 BOXに収納する間もなく、すぐに第二陣がやって来た。


 穴の前に立っていてはまずい。ちょっと穴から距離を取る。次の魔犬を射抜きながら、登って来た魔獣が左右に広がらないように穴から一直線の狭い通路を土魔法で形成した。

 これだけ離れて一匹ずつ来るなら着実に仕留められるだろう。


 さっきの2匹をBOXに収納すると、魔犬ではなく魔狼だった。魔獣になると両方とも怖い顔なので、あまり見分けが付かない。


 我こそは先にと言わんばかりに、どんどん魔獣が登って来た。大渋滞だ。


 魔狼、魔狼、魔狼、魔狼、魔狼、魔犬だった。その次に魔兎、魔狼、魔狼、魔狼、魔狼、魔狼、魔犬だった。作業ゲーになってきたな。魔狼、えっ魔狸?


 下に索敵をかけ続けているが、魔獣の群れが減ったようにも思えない。大型魔獣がどれほどいるのだろう。雄叫びはとてつもなくうるさく、獣臭さが漂っている。



「くっさーい、もうやだ。浄化!」

 思わず浄化魔法を掛けた。


 その瞬間、階下の雄叫びが止まった。

 今私に飛び掛かって来ようとしていた魔狼も、急にピタリと歩みを止めた。


『何て言うことでしょう。あんなに怖かった魔獣が優しい動物の顔に戻りました』


なんて展開は無かったが、浄化魔法は魔獣にとって痛いらしい。

 苦しんでいるようで、その場で動けずにいる。


 ほう、沢山の魔獣の歩みを止めるには、浄化魔法は効果的かもしれない。


 一番の目的だった獣臭さも幾分和らぎ、何となく魔獣の毛もツヤツヤしている気がする。買取価格上がるんじゃね?


 苦しんでいるところ悪いが、順番に討伐していった。

 階段の下を窺って、階段に這いつくばっている中型~大型も順番に仕留めていく。階段を下りながら、全てBOXに収納する。


 下の階に降りる前に、再度広範囲の浄化魔法を唱えた。

 ギルド長の髭までツヤツヤサラサラにした強力な魔法だ。そう云えば、魔法陣の部屋もギラギラにしてしまったっけ。


 部屋は暗くて、魔獣の位置が目視出来ないので。天井に光魔法を放った。

 ウギャアーギャーウオー

 浄化魔法で弱ったところを更に光で目潰しだ。

 私はさっきまで上のキラキラな明るい部屋にいたので大丈夫。


 とりあえず立っている元気な魔獣から先に、どんどん水弾で仕留めていく。収納は後だ。

 もう何匹討伐したやら定かではないが、先日のエルゼダンテの森よりも多い。魔キリンはまだ見ていないが、何か変わったのもいた気がする。


 魔獣も時間が経って少し動けるようになってきたので、再度浄化をかける。

 また魔獣たちが苦しみ出した。

 ちょっとその様子を見て罪悪感を覚えてしまう私だった。


 魔素に侵されただけで別に悪いことしていない動物なのにね。

 いや、放っておくと人を襲ったり村を襲ったりするから、やっぱり見逃すことは出来ないな。

 私のことも食う気満々だし。言っとくけど食べるところ少ないし美味しくないからね。前世なら食べるところ多かったけど、この体は肉が少ないよ。


 広い部屋の端から端まで魔獣を殲滅し続け、殺戮の限りを尽くした。


 女子が貰ってはいけない称号が手に入りそうな気がする。


 再度浄化魔法を部屋にかけ、魔獣をBOXに収納していった。魔獣の他にも沢山の魔石や骨が部屋の隅に落ちていた。しばらく魔石には困らないな。

 全て収納できて、部屋がすっきりした。


 何度も浄化をかけたおかげで、獣臭さも消えて空気もキレイだ。魔獣を触った訳ではないが、一応自分にももう一度浄化をかけておく。保護膜かけているから必要ないのは知ってるけど。



 さて、部屋の周囲や床に索敵を掛けていく。魔獣の反応はもうなさそうだ。

 魔石の反応は、上と右。

 上はさっきの緑のキラキラだよね。


 右の壁はキラキラしていないので、壁の中に大きな魔石があるのかもしれない。あんなに魔獣が群れていたのだから、引き寄せる魔石があるに違いない。


 一番索敵で反応があった場所の近くを少しずつ掘っていく。いきなり魔石を貫いてしまうと勿体ないからね。


 上のキラキラの部屋みたいに、1m掘っても先が見えない状況かと思っていたら、15cmほどで空洞に達した。壁の向こうに部屋がある?


 穴から索敵するが、向こうに魔獣はいないようだ。

 安心して穴を広げ、向こう側へ光を灯した。こっちの部屋と同じだだっ広い空洞らしい。


 しかし洞窟の中にこんなに広い空間がいくつもあるなんて、いつ崩落してもおかしくないな。まだ感覚的に山の中腹位だと思う。よく今まで無事だったものだ。


 全て確認した後は、穴を埋め戻した方が良いだろう。BOXに眠る北海道の大量の土を使うときが遂に来たか?


 その前に、この先の魔石の回収と、上のキラキラをどうするかを考えないと。さっき行かなかった左の道も確認しないと。


 私が通れる広さの穴を開け、保護膜で補強しておく。崩落したらさすがに意味無さそうだが。


 いつでも帰還できるように、帰還キーホルダーは手首に取り付けている。

 土砂に押し潰されても、握って唱えるだけなのでギリで逃げられる可能性を残しておく。BOXから取り出したり、ポケットから取り出したりは、手が下敷きになると無理だから。



 穴を潜って隣の部屋に出て、天井に光を飛ばす。


「わーーー!」

 思わず声が出て、そしてそれ以上続ける言葉が思い浮かばなかった。


 壁には絵や文様が描かれており、天井には緑のキラキラの他に金のキラキラも見える。


 そして部屋の中央には巨大な長方体の石箱があった。表面は磨かれており光沢がある。

 しかしそれよりその大きさだ。途方もなく大きい。私が5人位縦に寝れそうな大きさだ。横も10人いけると思う。

 その箱の中に魔石の存在を感じる。


 もしやこれは棺?

 そしてここは墓所。ピラミッドの中だったりするのか?


 ふと足元を見ると、床の模様だと思っていたものの正体に気が付いた。


 魔法陣じゃん!

 やっばー、こんな豪華な棺に埋葬されているなんて、どんな王様だよ。

 50人位寝れそうだし、開けたら50人出てきたりしないよね。

 魔法陣があるってことは古代文明だよね。


 やばいやばいやばい。遺跡を見付けてしまったー。このまま逃げて知らんぷりも出来ない。


 魔石は回収したいけど、棺だったら開けるなんて絶対無理。


 ミイラが出てきたら、一生夢に見るよ。50人のミイラだったら、もっとうなされるよ。

 いやー、さっきまで魔獣の殲滅マシーンと化した私が、たかがミイラ如きに何言っているんだと思われるのかもしれないけど、無理なものは無理。


 何も見なかったフリして逃げ出したいけど、歴史的発見だよなー、第7検索には載って無かったし誰も知らないと思う。壁画や魔法陣にとんでもないことが記されているかもしれない。

 あーどうしよう。


「ユイ、どうしよう」

「箱まるごとBOXに入れちゃえば」

「ミイラは要らない! 呪われたらどうする」

「ミイラ入ってないかもしれないじゃん。それに死んだ人は運営に来るだけだから、魂は既にそこに無いし呪いはないよ」

 運営の人間は、死に対してドライすぎる。


「まあ、遺跡に手を付けるわけにもいかないか。墓荒らしになっちゃうもんね」

「既に魔獣狩りして墓荒らししてしまった気もするけど」


「とにかく隅々まで沢山動画撮っておいて。分析部が喜ぶわ。自分たちも第7に行かせてくれと言い出しそう」

「私は来てくれると超助かるんだけど。専門家がいると旅もしやすいわ」


「十中八九許可は下りないね」

「ここが古代文明の遺跡だとしたら、同じもの地球にもあるんじゃないの?」


 何せ第7は地球のコピーだ。コピー前の遺跡なら地球にもある。


「でも魔法陣あるから、魔法が出来てからだと思うよ。一応調べてみるよ」


 確かに。2000年前に地球をコピペした後に魔法が興った訳だから、2000年以内ってことか。

 そうすると比較的新しいのか。いや、2000年って新しくはないけど。


 とりあえず動画の撮影に専念することにした。

 端の方に崩れている壁があり、そこにも壁画が描かれている。崩れた瓦礫を残らず全部BOXに収納しておく。後でパズルをする必要があるな。

 一通り撮影が終わった。天井は手が届かないので諦める。


 もう一度部屋の周囲に索敵をかけ、魔獣の気配はないことを確認した。この部屋の出入り口も見当たらないので、自分がさっき開けた穴から出ることにする。


 ただこの部屋を作った人がいたわけで、出入り口が無いのは不思議だ。自分が出た後で入念に出入り口を塞いだのか。まさか中から塞いだ後で、自ら箱の中に入った?

 いやいやいや、怖い考えが頭に浮かんだので、慌ててそこから出た。


 さっき魔獣がうじゃうじゃいた部屋に戻るが、今はもぬけの殻だ。何度も浄化魔法をかけたおかげで、清々しささえ感じる。

 隣の魔石に引き寄せられ魔獣が寄って来たが、隣の部屋には入れず、そのうち階段も石で塞がって、あんなことになっていたのだろう。


 階段を昇って、緑のキラキラ部屋に着いた。このキラキラが魔石なのは確かなので、残して帰るのは勿体ないが、大量に採掘すると洞窟が崩れかねないし、ギルドに報告すると私の行為はすぐにバレるだろう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。