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アイテムBOXに北海道丸ごと入っているので、異世界でも食べるものには困りません  作者: 柚木 冬
第一部

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111/122

109*ウベールの森で洞窟を見つける

 まさか二週続けて森に来るとは思わなかった。

 やっぱり魔獣討伐しないと生きていけない体になってしまったのだろうか。

 いや、森の奥にあるらしいキレイな滝を見に来ただけだからね。


 索敵を薄く延ばして周囲を探る。ここら一帯には人はいない。そして魔獣はいるが点在しており、群れは見当たらなかった。


 折角だから滝があるらしい方角に向かって前進していこう。

 魔獣に出会ったらいつも通り水弾で倒し、魔石を拾っていく。


 小一時間も進むと、森の傾斜がきつくなってきた。

 獣道も無いところを草をかき分けて登っているので、さすがに体力の消耗が激しい……と言いたかったが、『体力の消耗って何それ美味しいの?』状態だ。


 何だろうこの体。アスリート並みだな。

 今だったら走って富士山登っても息切れしない気がするよ。

 魔力って凄い。完全に体力馬鹿になってきている。うーむ。


 魔獣を狩りつつ索敵を続けていると、西側に魔素の塊を感じた。また魔石かな。

 西方面に進むと、どんどん反応が濃くなって来た。

 出てくる魔獣も小型から中型に変わり、大型まで出てきた。


 そして、洞窟にぶつかった。


 どうもこの奥に何かいるらしい。洞窟かー嫌だなぁ、逃げ隠れ出来ないじゃん。

 洞窟のすぐ傍で奥に向かって索敵を伸ばした。


 何となく洞窟の形が頭に浮かぶ。細部まで索敵が行き届かないので洞窟の端っこは確認出来ないが、下へ続いているようだ。下に向かうにつれ、魔素が濃くなり魔獣らしきものがいるのを感じる。


 大分山道を登って来たので、麓に向かって伸びる洞窟と云うか、逆に麓から山頂まで地下を通る洞窟か。一本道の下り坂ではなく、蛇行して道がいくつか分かれている。


 もし落盤したらどうなる?

 崖から落ちても平気らしいから、この体は大丈夫なんだろう。


 狭いところに落ちたら?

 飛行魔法も無いのだから這い上がる手段も無い。


 土魔法や風魔法で何とかなる?

 救助を待っても誰も来てくれない。運営が救助するのは無理だ。



 あっ、帰還魔法がある!

 キーホルダーさえあれば帰還魔法で脱出可能だ。


 でもジェマのいる小屋は二時間も歩いた場所なので、またここまで来るのは大変だ。この近くに小屋を設置しておこう。

 洞窟入口近くの平らな場所に新しい小屋を出して、拠点登録を行った。

 先が長そうなので軽く食べておく。


 寝ているかもしれないが、一応ジェマに「今日は森の中で寝るから心配しないでね。ジェマも早く寝てね」と手紙を書いて、ジェマのフォルダに入れておいた。起きてから気付けばいいさ。


 帰還魔法で戻ったときの目印に、玄関にウサギのぬいぐるみを置いて、外に出てから小屋に保護膜とプロジェクションマッピングを張る。


 よーし、行こうか。



 光を打ち上げながら、洞窟の中を進む。

 まだ入ったばかりだと云うのに、洞窟ってめちゃくちゃ怖い。


 第7にはダンジョン無いって聞いてたけど、ダンジョンじゃないよね? ゴブリンとかいるんじゃないの? 最下層にドラゴンとかいないよね?


 先行隊でドローンでも飛ばしたいところだけど、生憎私がドローンの操縦なんて出来るとは思えない。すぐに壁や床に激突して終わりだろうな。そんなの操縦しながら索敵して魔獣を倒すとか絶対無理でしょう。


 もうひたすら魔獣を倒して数を減らして危険を減らしていこう。

 最下層に無限沸き魔道具とか無い限りは、リスクを減らせるだろう。

 無いよね、無限沸き、無いと言って。



 とりあえず最初のフロアの端っこまで到着した。

 殆ど魔鼠だったけど、さすが洞窟、魔蝙蝠もいたよ。上からぶら下がって飛んでくるのは今までいなかったので、思わず逃げました。


 そのうち水の連弾で一掃できるようになり、カノンはレベルが上がった(ような気がする)。


 今更だけど、レベルとか欲しいね。

「ステータスオープン」


 そういえば言ってなかった気がして唱えてみたけど、何も起きなかった。だよね。

 一度は口にしたい言葉だけど、口にしたら恥ずかしくなる言葉でもある。みんな気を付けて。


 多分今のセリフはユイにバッチリ聞かれている筈なので、坂口さんとかにばらされそうだ。恥ずか死ぬ。


 ここから続くのはまだ一本道だ。索敵をしながら、魔獣がいたら仕留めて行く。


 そして広い空間に出た。

 ところが、魔石は大量に転がっているのに魔獣の気配が少なすぎる。目につく限りの魔石をBOXに収納し、慎重に進む。

 横穴も索敵をかけていくが、大きな反応は無い。結局小型魔獣が10匹程度で他にはいなかった。横穴に潜む分も丁寧に狩っていく。


 大きな魔獣がいないのは良いが、大量に落ちていた魔石の意味が解らない。

 大きさから云って、小型~中型の魔石だ。時々骨も落ちているから魔獣の魔石に違いない。何らかの理由でここで息絶えたのだろう。


 大型魔獣にやられた? それとも毒とか? 私って毒耐性はどうなんだろう。保護膜に毒耐性あったかな。無かったら、帰還魔法持っていても終わりだな。


 広い部屋を抜けると、二つに分かれる道があった。

 どちらにも索敵を伸ばしていく。右の道が魔素が濃く、魔獣も中型以上がいそうだ。左も広そうだが魔素の気配は少ない。

 左も気になるが、ここはリスクを減らす意味でも先に右の魔獣を減らすことにする。


 右の道は、急な下り坂だった。勢いついたら止まらなくなりそうな急坂で、前につんのめりそうになる。

 つい歩きに集中してしまっていたら、右の横穴から魔獣が急に飛び出してきた。


 うおっ、魔犬だ。狼はいたけど犬は初めてだな。

 猫もいる? ジェマが嫌がりそうだ。

 ちなみに魔犬は前につんのめりそうになりながらも瞬殺しました。


 急坂を何とか下りると、とても広い明るい場所に出た。

 日光とか火とかライトとかそういう明るさではない。光で照らすとキラキラ光る。壁に光る鉱石が埋まっているのかもしれない。


 魔素の反応は壁からだった。

 つまりこのキラキラが魔石?


 一部をくり抜きじっくり見ると、緑色で、かなり小さな砂利程度のサイズだった。魔獣の魔石ならば魔鼠より小さな魔獣だろう。

 こんなに小さい魔石だと売るのは難しいが、砕いて地球に降り掛けるなら十分だ。魔石電池にも使える。

 BOXに入れてユイに鑑定を依頼しておく。


 今削った部分を10cm掘ったが緑の粒子はまだあった。一気に横穴を1m掘ってみたが、円柱状にくり抜かれた土の先には、まだ緑の粒子があった。


 でもこれ以上掘ると崩れる危険性がある。くり抜いた円柱はBOXに仕舞って、空いた穴に別の土を詰めて補強した。


 部屋の中に魔獣は見当たらないが、魔石以外にも魔獣の反応がさっきはあったので、どこかに穴が無いかを索敵しながら探していく。


 天井や床まで隈なく探すこと十数分、石が積み重なった辺りから下層の魔獣の反応があるのを、遂に見付けた。


 この下に魔獣がいるらしい。

 石を避ける前に、ユイに声を掛けた。


「さっきの何か解った?」

 10分位経ったので、当社比100倍だと1,000分だ。16時間40分。


「んーまだ。返事ない」

「そっか。謎魔石なのかな」


「こっちのサンプルには無いみたい。魔素溜まりの魔石ならバラバラじゃなくて固まっている筈だから、小さな魔獣なんだろうね、きっと」


「魔素には違いないから全部掘りたいところだけど、私が生き埋めになりそうだから今日は諦めるわ。今度考えよう。下に魔獣がいっぱいいるみたいだから先に行く」


「うん、気を付けなよ」



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