第2章 1話 金田家遺言書消失事件
「うへえ遠いな」と僕が言う。
「もうバテてるの?しっかりしなさい」と泉。
「駅から遠いし、バス路線からもはずれてるんだからしょうがないだろ」
「タクシー使うお金がないんだから、頑張って歩く」
「へーい」
ここは都心から離れた、とある街。
2人は金田家を目指して歩いているのであった。
話は昨日に戻る。
いつものように2人で探偵倶楽部に届く依頼をみている。
そして1つの依頼に注目をした。
依頼内容 遺言書の紛失の調査
報奨金 捜査をしていただいた探偵には2万円支給 成功報酬は30万円
場所 埼玉県○○市郊外 一軒家
注意事項 駅から徒歩50分 昼食は持参のこと
なぜ注目したかというと、場所が遠かったからだ。
前回は都内でありAランク探偵もやってきた。
せっかくトリックを見破ったのに、犯人を捕まえられて、僕たちが事件解決とならなかった。
徒歩50分なら高ランク探偵は避けると考えたのである。
今度こそは自分たちで解決してみせる。
そして今に至る。
「おい、イノシシ注意の看板があるぞ」と僕が言う。
「イノシシでたら私を守って死んでね」
「死ぬ前提なのか……」
「うん。私が無傷ならそれでいい」
「……今度はシカ飛び出し注意だってよ」
「野生動物いすぎでしょ」
そんな話をしながらやっとのことで目的地の金田邸に着いたのであった。
「ようこそおいで下さいました。片山様」と中年の執事のような人が言った。
「あなたは?」
「私は金田の秘書をしております。他の探偵様たちも、さきほど着いて、広場に集まっています」
「ありがとう」と僕は礼を言い、広間に向かう。
広間には6人の探偵がいた。
それぞれのコンビでわかれて座っている。
男2人、男女、女2人。
僕たちが入ると、3組の探偵がこちらへ視線を向けた。
この人たちがライバルか。
どんな探偵なんだろう。
秘書の方が「もうすぐ当主である金田が来ます。もう少しお待ち下さい」
そこで探偵たちは順番に自己紹介をすることになった。
「兄内と阿仁谷だ。ランクはB」兄内と言った男はアニメ絵のバッジがたくさんついているバッグを持っている。
いわゆる痛バというものだ。
阿仁谷と呼ばれた男は、アニメのアクリルスタンド(アクスタ)を手に持っている。
間違いない。
この2人はアニメオタクだ。
アニオタコンビと呼ぼう。
「次は僕たちだね。僕は大友。かわいい彼女は川井さん。ランクCだ」
どうやらカップルみたいだ。
カップルコンビと呼ぼう。
「紅野と茶頭です。ランクCです」
紅野と言う人は紅茶を飲んでる。
茶頭と言う人は日本茶を飲んでる。
お茶コンビだな。
最後は僕たちだ。
「片山碧です。こっちが妹の泉です。ランクはC」
やはり遠方。
ランクAは来ていない。
チャンスだ。
そうこうしていると、当主である金田さんが現れた。
「みんなよく集まってくれた。私が当主の金田だ。さて一昨日のことだが、私は家族と関係者を集めて遺言書を公開する予定であった。ところがいざ発表をしようとすると遺言書が無くなっていた」
そういうと探偵たちを見回す。
「そこで無くなった遺言書の調査を依頼したい」
するとアニオタの痛バの方の兄内が「遺言書はどこに仕舞っておいたのですか?」
「金庫の中だが、明け方金庫から出して、私の机の上に置いておいた。そこで無くなった。他に質問は?」
「遺言書の内容は、集まった人たちは知っていましたか?」紅茶を飲んでる紅野が聞く。
「これは新しい遺言書だ。以前にも遺言書を書いたのだが、今回書き直した。そのことはみんな知っている」
「新しく遺言書を書かれて、誰かに話した、又は誰かに見られたことは?」と僕が聞く。
「ないと思う。いや、金庫に仕舞う前には見られたかも知れないな」
「関係者以外の可能性はありますか?外部犯というか、例えば仕事関係で影響を受ける人とか」とアニオタコンビのアクスタの方の阿仁谷が聞く。
「それはないな。ただそう言われると、例えば盗みのプロを雇ったなら可能性があるが。ただ可能性はかなり低いと思う」
そこでみんな黙った。
以上で質問は終わりのようだ。
「ではよろしく頼む」と金田さん。
僕たちは調査を開始した。




