第1章 5話 重要書類盗難事件解決
みんながざわつき出す。
すると鹿撃ち帽を被った人が秘書の品川さんの背後を取り「観念するのだな」と言う。
「自供すれば罪は軽くなりますよ」とステッキを持った人が言う。
「何を言っているんですか」と品川さん。
「お前だけさっきから目が泳いでいるぞ。大方、逃げるかどうか迷っていたんだろう」鹿撃ち帽を被った人が言う。
「私は犯人ではないです」
「誰も犯人とは言っていないですよ」とステッキを持った人が言う。
「金か?」と鹿撃ち帽。
「放して下さい。私じゃありません」
「社長室のスペアキーが偽物なら、本物を保管場所から取り出せる人物は限られる。しかも社長が鍵を使わないことを知っている人物、さらに保管室の場所と書類の価値を知っている人物。条件に当てはまるのは秘書の品川さん、あなただけです」と鹿撃ち帽。
「俺たちは警察ではない。あらゆる手を使って吐かせてやる」とステッキを持った人。
品川さんが狼狽する。
「借金があって仕方なく……」
するとステッキを持った人が「犯人確保ですね」そう言った後連絡を入れる。
「竜造寺と円満堂です。犯人を特定し、確保しました」
僕はあっけにとられていた。
「何を言ってるんですか?トリックは僕のおかげで」
「何を言っているんだ?依頼内容を見ろ」と鹿撃ち帽の人が言う。
・依頼内容 重要書類が紛失したので犯人の特定
「トリックを見破ったものだと書いていないだろ」と鹿撃ち帽の人。
「ただの横取りじゃない」と泉
「君たちは犯人がわかっていたのですか?自供させられましたか?」とステッキを持った人が言う。
「くそ」僕はそう言うのが精いっぱいだった。
後日、3万円だけ振り込まれた。
契約書盗難事件は、ランクAの探偵、竜造寺と円満堂の2人が解決したのである。
事件は借金を背負った秘書の品川が社長が席を外した時に、鍵の型を粘土でかたどり、複製をした。
そして、スペアキーと複製をしたものを入れ替え、人がいない時間に保管室に入り、書類を持ち去ったのである。
品川は社長と何度か一緒に部屋に入っていたので、書類の場所も知っていたようだ。
なお書類は品川の自宅から発見された。
ちなみに3店のお店からお金を借りていたとのこと。
「はぁ、悔しいな」と僕が言う。
「あいつら最後だけじゃん」と泉。
帰り際に「いい授業料になっただろう」と鹿撃ち帽のセリフが忘れられない。
次は必ず解決して、報奨金を手に入れてみせる。
そう心に誓う2人だった。




