第12章 2話 三森さんと守田さん
ランクSと名乗った瞬間、誰もが驚きの声をあげる。
僕はランクSなんてあるんだと思ったが、ランクAの4人を見ると、明らかに萎縮してしまっている。
ランクAが一瞬で萎縮。
その存在と実力は一体どれほどのものなのか……。
すると名前を聞いて思い出した。
昨日泉と話していた、20件連続依頼を成功させている人たちだ。
昨日は犯罪心理学者かと思っていたが、どう見ても違う。
見た目は普通の女子大生だ。
そこへ、元探偵の依頼者が戻って来た。
「そろそろ自己紹介が終わった頃だと思ってね。依頼内容は探偵俱楽部に提出した通りだ。変に先入観を与えたくないんでね。是非黄昏ゆく牧場の事件を解決してくれ」
各探偵がそれぞれ相方と話し始める。
僕も泉と打ち合わせだ。
まずはネットで調べてみよう。
黄昏ゆく牧場。
絵の説明が続いている。
最後に20年前に盗難されたが、その後数日後、別の美術館で「黄昏ゆく牧場」が発見される。
鑑定の結果本物と判断され、再び美術館へ展示。
「盗難されたのに戻って来た?泉?」
泉は驚いていた。
そして急いでスマホを操作している。
泉はなにを見たのだろう。
すると「碧」と僕を手招き。
「これを見て」
「これは!!!」
泉が見せてくれたのは呟きサイトである。
そこに探偵三森・守田と書かれた鍵アカウントが。
「フォロワー10万人!」
さっきから三森さんのスマホが鳴っている。
どうやら情報が集まって来ているんだろう。
泉が僕に「偶然あの人達のアカウントが見えたの。黄昏ゆく牧場のことフォロワーに聞いてるみたい」と言う。
つまりこの2人は、事件のことを10万人に聞き、情報を教えてもらっているのだ。
僕らは作者と20年前に盗難され、戻って来たことを知っているだけ。
その間に彼女たちは一歩も二歩も、いやそれ以上に進んでいるのだ。
「これが20連勝の力か」と僕は思った。
早速2人は家を出ていく。
Aランクの2組はまだ事の重大さに気づいていない。
このままでは女子大生、いやSNSコンビの圧勝に終わるだろう。
かといって僕らも家を出て行っても何をしていいかわからない。
僕と泉は仕方なく、お互いネット検索をすることにした。
少しでも情報が欲しい。
何かきっかけが欲しい。
しかしいかんせん20年前の事件である。
なかなか情報は出てこなかった。
すると方針が決まったのか、オールドスタイルコンビと芸術家コンビが家を出ていく。
僕らは完全に取り残されてしまった。
これがランクの差なのだろうか。
昨日、浮かれていた僕らが滑稽に思えたのであった。




