第12章 1話 伝説の探偵からの依頼
「碧ちょっとこれ見てよ」と泉が言う。
「どれ?」
「この探偵倶楽部のデータベース。私たち、注目の探偵になってるよ」
「まあ最近、ずっと解決してきたからねえ。Aランクにもなっちゃうんじゃないの」
「Aランクは更に10件解決しなきゃいけないんだよ。ちなみに5件連続で解決できないと下がるから」
「なるほど、そりゃあみんな必死になる訳だ」
「でも上には上がいるもんだね。目下20件連続解決してる探偵もいるよ」
「なにその化け物」
「三森さんと守田さんていう人たちのコンビだって」
「どんな探偵スタイルなんだろう。例えば犯罪心理学者コンビとか」
「それすごそう。案外この2人、そうかもしれないね。20連勝なんだから」
と泉と話していると探偵俱楽部から連絡が。
「片山碧様と泉様に指名の依頼が来ております。ご検討下さい」だってと僕が読んだ。
「指名!ついにわたしたちも一流探偵として認められたわ」と興奮状態の泉。
「でもへんてこな依頼だったらどうしよう。この前見た埋蔵金を探してくれみたいな」
「それはいやだな」
「それで無差別に指名を送ってるとか」
「でも指名ってお金かかるんだよ。だから無差別はないと思う」
「まあとりあえず見てみよう」
依頼内容 未解決事件の解決(美術関係)
報奨金 成功報酬は1000万円
場所 東京都○○
注意事項 指名制
「1000万か」と僕が言う。
「破格の報酬だね」と泉が言う。
「ものすごい事件じゃないのかな」
「でも美術関係って書いてあるよ」
「有名絵画の盗難事件だろう」
「そうじゃない。じゃないとこの報酬に見合わないよ」
「それでどうする?」
「私たち注目の探偵だよ。もちろん受ける」
「わかった。早速申請だ」
そして直ちに受理された。
翌日僕たちは指定の場所に向かった。
ここは東京の23区内の一軒家。
僕たちはドアのチャイムを押し、中に入る。
リビングには6人の先客がいた。
その時僕は、戦慄のようなものが走った。
なにか異様だ……
「揃ったようだね。私が依頼者だ。知っている人もいるかも知れないが、君達と同じ探偵だ。元……だけどね」
そしてあたりを見回す。
鋭い眼光。
知的さを感じる大きめの頭。
この人はすごい探偵だったと思わされる。
「私は幸運にも探偵として成功したが、1つだけどうしても解けない事件があったんだ。非常に心残りでね。君たちに解決して欲しいんだ」
再び僕らを見る。
誰も何も言えない。
「20年前にあった盗難事件でね。盗まれたのは名画「黄昏ゆく牧場」だ。この事件を解決して欲しい」そう言うと元探偵は部屋を出た。
しばらく沈黙が流れる。
そして50代ぐらいの男が「どうだろう自己紹介をしないかい」と言ってきた。
誰も特に反対はなかったので、僕から話すことにした。
「片山碧と妹の泉です。ランクはBです」
誰も反応がない。
なんかコントをやれと言われてすべったような感じだ。
次に先ほどの男が話す。
「私たちはコンビだが、探偵はあくまで私、丸尾だ。そしてこちらが助手の和唐。ランクはA」
久々に来たAランク。
探偵と助手か。
オールドスタイルコンビと呼ぼう。
次は別の男2人組が言う。
「僕たちは君たちには悪いが趣味で探偵をやっている。芸橋と芸村だ。特に芸術的な事件に遭遇するのが楽しみでね。美術関係は大好物だ。ランクはA」
またAだと。
ランクを言うんじゃなかったと後悔した。
この2人は芸術が好きそうなので、芸術家コンビと呼ぼう。
最後は若い女性2人組。
女子大生といったところか。
「三森と守田。ランクはSです。よろしく」




