第11章 3話 犯人
僕は泉と捜査を開始。
歴女コンビは聞き込みを始めた。
僕は悪質レビューの投稿時間に注目した。
投稿されているのは営業時間内。
夜中には投稿されていなかった。
「基本的に昼間だね」と僕が言う。
「夜中に1件ぐらいあってもよさそうなのに」と泉も言う。
レビューには「体験価値」「構造的問題」という独特な表現が繰り返される。
これはホテル内部のマーケティング資料で永尾が使っていた言葉だった。
さらに複数アカウントは同じ社用ノートPCから切り替えて利用されていた。
投稿写真の一枚は、ホテルのバックヤードから撮影されたものだった。
撮影場所を確認したところ、この場所を自由に出入りできるのはホテル従業員だけとわかった。
僕は依頼主に言った「4人とも動機はあります。しかし、この4つの条件をすべて満たせる人物は1人だけです。」
「永尾ですか」と依頼主が言う。
「はい、そうです」と僕が言う。
依頼主が永尾を呼び出し、捜査の経緯を聞かせた。
永尾は罪を認めた。
最初はホテルの評価を上げるため、高評価レビューを書いていた。
しかし成果は出ず、上司から結果を求められる。
その頃、中村が紹介した炎上商法の成功例を見て、
炎上して注目されれば、最終的に予約は増える、と誤った考えを抱く。
永尾が「すみませんでした」と頭を下げた。
「片山碧と泉、ホテルの依頼完了しました」と連絡を入れた。
歴女コンビがやってきた。
「え?もう解決したの?桶狭間の戦いの織田信長みたいじゃん」と土方さん。
「そうだね。短時間で総大将を討ち取って勝利だもんね」と直江さん。
「たまたまですよ」と僕が言う。
「あんたみたいなのが天下を狙えるのかもね」と土方さんが言う。
永尾は退職をした。
ホテルの信用を守るため、表向きは一身上の都合による退職と発表された。
「あれあんた徳川じゃなくて信長でやってるの?」とゲーム画面を見ながら泉が言う。
「なにせ信長みたいって言われたら、そりゃあね」と僕が言う。
「はぁ単純なやつ」と泉が呆れている。
「でもネットは鵜呑みにするのは危険だね。見る方も注意しなきゃ」と僕が言う。
「そうね。誰でもなんでも書き込めるのは、良いことにも悪いことにもなるのね」と泉。
「うん。ネット時代でも本質は人間次第ってことさ」
「そうだ。私たちの探偵俱楽部のコメント欄みてみる」
「そんなのあるの?どれどれ。なんじゃこりゃあああああああ」




