第10章 4話 茶碗の行方
「「おはよう、ございます~↑」」とミュージカルコンビ。
朝からテンションが高い。
泉が言うには部屋で発声練習をしていたとのこと。
捜査に力を入れろよと思った。
そんな僕の心を察したのか、ミュージカルコンビが言ってきた。
「遺品目録に載っていないなら譲ったんじゃないの?」
僕と依頼主は顔を合わせた。
尾関さんの元に向かう。
そして誰かに譲っていないか聞いてみた。
「確かに父は体を壊してから、お世話になった人にいくつか譲っています」と息子さん。
そして奥へ行き、パソコンで色々と見ているようだ。
茶碗は長野の古道具屋に譲っていますね。
息子さんに礼を言って、長野に向かった。
長野の古道具屋に着くと、来訪目的を告げる。
茶碗のことを聞いてみたが、確かに送られてきたがその後がどうなったのか分からないと言う。
少なくとも手元にはもうないと。
そしてこう言った「リサイクル業者に委託したか、山奥のフリーマーケットに出したか」
僕たちは顔を見合わせた。
ミュージカルコンビが「君たちはどっちだと思う?僕たちはリサイクル業者だと思うな~↑」
「ならここで勝負しません。僕たちはフリーマーケットにします」
「これで勝負だね~↑。一緒に探してたんじゃ探偵の勝負にならないからね~↑」
「はい。それで」
「ではいい旅だったよ。発声の時は、照れない、キザに、そして声を張る。これが基本だ忘れないように」そういうとリサイクル業者の方へ向かった。
僕たちはフリーマケットをした人の元へ向かった。
依頼主はホテル近くで待つことになった。
古道具屋がフリーマーケットに商品を預けた人を見つけたので、茶碗のことを聞く。
「う~んあったような、なかったような」
外したかな、と一瞬思った。
「あっおばあちゃんと、小さい子供の2人に売った」
「本当ですか」
「うん300円で」
僕と泉はそのおばあちゃんと子供の家に行く。
山奥の集落だったため、「子どもとおばあちゃんの二人暮らしなら、あそこの家だよ」とすぐに教えてもらえた。
依頼主を電話で呼んだ。
しばらくしてやって来た。
そして3人で家に行き、チャイムを鳴らす。
「開いてるよ」と奥から声がした。
ドアを開けて中に入ると、おばあちゃんがきた。
「あんたたちは誰だい?」
僕は簡単に名乗り、茶碗の画像を見せて、「この茶碗はありますか?」と尋ねた。
「あるよ。孫がそれにご飯を入れて毎日食べてるよ」と言う。
僕は依頼主を見る。
「お邪魔しました。確認したかっただけですので」と言って僕らの肩に手を添え、帰ろうと合図をした。
外に出ると、「いいんですか、回収しなくて?」
「いいんだ。もうあの家から出ることはないだろうし、それに」
「それに?」と泉が聞く。
「茶碗は本来使われてこそだ。あの茶碗は役目を果たしている。それでいいじゃないか」
そのまま3人で駅前に戻っていった。
ミュージカルコンビがストリートショーをやっている。
僕らを見かけると「その顔はそっちが当たりだったんだね。おめでとう~↑」
そういうとそのまま、ストリートショーを続けた。
警官が来て「許可は取ったのか?勝手にやっちゃだめだ」と止められるまで。
一方僕らは探偵俱楽部に「片山碧と泉、茶碗の調査の依頼完了しました」と連絡を入れた。
家に戻ると、今回の事件の話をした。
そして僕があることに気づいたのだ。
「せっかく旅行系の依頼選んだのに美味しい食べ物食べていない!」




