第8章 6話 前田の自供
「お前は何故こんなことを」と依頼主は前田に言う。
前田は静かに立っていた。
逃げる様子はない。
抵抗もしない。
そして「止めなければならなかったのです。あの二人は……結ばれてはいけないと思った」と言う。
そこへ北大路家と西連寺家の隠居をしている2人がやってきた。
前田は2人が来たことに驚く。
この2人は前田が使用人をしていた時のそれぞれの家の当主であった。
前田は30年前に聞いてしまった会話の内容を話す。
「あの子のことは誰にも話すな」
「血筋だけは守れ」
「戸籍は処理済みだ」
2人は驚く。
しかし隠居をしている2人は、「あの子」は北大路家の隠し子であり、表向きは養子として別家に預けられた存在であったことを告げる。
血縁的にも法的にも完全に問題のない婚姻だったのだ。
前田はその場で静かに崩れ落ちる。
長い沈黙のあと、言葉を絞り出す。
「私は……間違っていたのですか」
一同が沈黙する。
少しして僕が言う。
「すべては誤解だったのです。偶然による。ただそれだけです」
三国志コンビと芸能コンビが悔しそうな顔をする。
そして三国志コンビには「兵は神速を尊ぶですよ」と言ってやった。
結婚式は予定より数時間遅れて執り行われた。
混乱は残っていたが、式は成立する。
参列者たちは誰も知らない。
その裏で、たった1人の誤解が30年間続いていたことを。
家に帰ってくると僕はベッドに横になる。
「結局結婚てなんだったんだろうね」と僕が言う。
「ね。いいもんじゃなかったでしょ」と泉。
「確かに今回の見ると、家同士の関係や、手続きのめんどくささが」
「あんたにはむいてないね」
「この人かわいい。結婚したい。このアニメの女の子は俺の嫁」
「あんたねえ」
「でもさ、新郎新婦はずっと笑顔だったじゃん。それならやっぱ結婚て良いのでは?」
「そう言われると」
「この宇宙人の子かわいい結婚したい」
「もう誰でもいいんかい!」




