第8章 2話 結婚式の異変
翌日、指定された場所に時間通り行くと2組の探偵と思われる人たちがいた。
「ぼくらが着くと、君たち、僕のことを知っているかい?」とややキザな感じの人が言う。
「知りません」と僕が言うと
「知るわけないじゃないですか」と泉も続けた。
「僕はこれでも元役者だよ。ロングラブストーリーとかドラゴン梅とかにも出てたんだけど」
「知らない」
「知りません」と僕と泉がもう一度言った。
「じゃあ僕のことは?」ともう1人が聞く。
「知らない」
「知りません」
「僕は年間300本出演したことがあるんだが」ともう1人
「年に300本ってものすごいですね。でもみたことないなあ」と僕が言う
「そうか。僕はエキストラだけど、たくさんのドラマにでてるから、見たことあるだろうと思ったんだけどなあ」
「エキストラなんですか」
「でもすごいでしょ?」
とりあえずこの2人は芸能コンビと呼ぼう。
「関雲長、参る!」
「燕人張飛ここにあり!」
「関羽と張飛さん?」と僕が聞く。
「先陣は譲らぬ」
「兵は少なくとも、志は砕けぬ」
「誰ですか?」と再度僕が聞く。
「なんだ知らんのか。有名なのに。楽進と郝昭だ」と関羽のセリフを言った人が言う。
「誰だよ」
「楽進と郝昭なんて一般常識レベルだろ」と張飛のセリフを言った人が言う。
「だよな。淳于瓊ぐらいでギリ一般人がわからないかもって感じだもんな」
「とりあえず、わかった。こっちの2人は三国志コンビだ」と僕は思った。
そうこうしていると、依頼主がやって来た。
「みなさんお集まりいただきありがとうございます。両家を代表して私が依頼主兼案内役とさせていただきます」
「それで異変と妨害かもとは?」と僕が聞く。
「実は不可解なことがいくつか起こりまして」
「どんなことが起こりました?」
「結婚指輪が不可解な移動をしたり、席次表が差し替わったり、結婚証明書が未提出扱いになっていたり」
「誰かが意図的にやったと?」
「私たちはそう見ています。そこで妨害と判断し、あなたちに依頼したわけです」
「わかりました。後ほど詳しく聞かせて下さい」と僕が言い、他の2組に目を向けた。
「こういうの僕もちょい役で出たドラマの、春より男子を思い出すなあ」と元役者。
「春より男子なら僕も出ましたよ。通行人で」と元エキストラ。
「敵ながら、見事な布陣よ」
「敵の采配、ただ者ではない」と三国志コンビ。
僕は2組がなんか言い終わるのを待ってから「では結婚指輪が不可解な移動の話から詳しくお願いします」と言った。




