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第1章 2話 4組の探偵

再び保管室に入る。


白衣とコックコートを着ている人が会話をしている。


「鍵がかかっていたんだろ?圧力鍋みたいなものだな」と白衣の男。


「圧力鍋なら圧力調整弁みたいのがあるだろ。この部屋にもあるのじゃないか?」とコックコートの男。


2人は部屋中を見て回っている。


「鍵がかかって閉まっていたのは気になるね」と僕が言う。


「そういうのって針金とかで開けられるんじゃないの?」と妹が言う。


「今のドアは針金では開けられないよ。もし開けられても閉める時どうするんだ?」


「あっそうか」


白衣の男とコックコートの男が再び話し出した。


「どうやらこれは密閉保存容器だね」と白衣の男


「それだと完全密封か」コックコートの男が残念がる。


なんでこの2人は料理に例えてばかりなんだろ?めんどくさい、料理人コンビと呼ぼう。


それでタンクトップの2人はマッスルコンビだ。


僕は心の中でそう呼ぶことにした。


僕は念のため奥の窓を見る。


こちらも鍵がかかっている。


何か声がするので外の下の方を見ると、鹿撃ち帽とステッキを持った2人組がいた。


僕たちも行ってみることにした。


なにせAランクだから考えがあるのだろうと。


外に出て保管室の下に行くと、鹿撃ち帽を被った人が地面を這いずり回っている。


僕たちが近づこうとすると、手を上げて制された。


「今、足跡を確認中だ。そしてたばこの吸い殻も探している」


「あの……このあたりは外での喫煙禁止区域ですが……」と僕が言う。


鹿撃ち帽を被った人が僕を(にら)む。


「ははは竜造寺(りゅうぞうじ)、1本取られたな」とステッキを持った人。


「そんなことで勝ち誇るなよ」と鹿撃ち帽を被った竜造寺さん。


「いえ、別に勝ち誇っては」と僕が言う。


「君たち、保管室が密室だったことはわかっているんですよね?」とステッキを持った人


「はい」


「では何型だと思う?」


「何型とは?」


「カー型かアリバイ型か心理型か」


「カー型?」


「やはり素人でしたか。推理小説では基本ですよ」とステッキを持った人


「推理小説?」


「私たちは何百という推理小説を読んできた。それに当てはめれば(おの)ずと事件は解決する」


「でもホームズとかと今では時代が違い過ぎでは?」


「確かに違う。だがなホームズの捜査は科学的で今の時代でも通用する」と鹿撃ち帽を被った竜造寺さん。


そう言うと2人は別のところに行ってしまった。


やっぱりこの人たちは推理小説オタクコンビだなと思った。


せっかく来たので、色々見ていく。


足跡はない。


梯子などを使った形跡もない。


これでここには用が無くなったので社長室へ向かった。


そこには料理人コンビがいた。


「確かにスペアキーはあるね」とコックコートが言う。


「そうだね。天ぷらとフィッシュアンドチップスのように同じだ」と白衣の男。


「では、やはり保管室をもう1度調査だね」とコックコートが言う。


僕たちもスペアキーを見た。


社長が言うには最近使われた形跡はないとのこと。


保管室の鍵は本鍵が一週間使われていない。


スペアキーも最近使われた形跡はない。


やはり密室の謎を突破しなければ。


中が荒らされてないのだから、内部犯の可能性が高い。


なんらかのトリック、または自分だけが知っている抜け道があるのだろうか。


そう考えていると、ノックがして女性の人が入ってきた。


「社長。会議のお時間です」そう言うと、その人は社長と一緒に部屋を出ていこうとした。


「あの、あなたは?」と僕が聞く。


「社長の秘書を務めています品川です」そう言ってお辞儀をした。


僕たちもお辞儀をした。


さて料理人コンビではないが、僕たちも保管室にもう1度行ってみよう。



4組の探偵は資料室に集合していた。


推理小説オタクコンビは梯子を持ってきて天井を確認している。


「金田一〇年の事件簿では、こういう経路があってね」とステッキを持った人が言う。


マッスルコンビは窓に注目しているようだ。


岡筋(おかすじ)のパワーなら、簡単に枠を外せるだろう」と灰色のタンクトップの男が言う。


筋永(すじなが)のパワーでも簡単だろう。よってここから侵入は可能だな」と黒のタンクトップの男が言う。


いやいや外せるのはあんたたちだけだろうし、外しても元に戻せそうも無いし、外に梯子をかけた形跡はないぞと僕は言おうか言わないか迷った。


「シンプルにドアを外したんじゃないか」とコックコートが言う。


「ふわとろオムライスのように真ん中を切るということか」と白衣の男。


いや意味わからん。


なんで納得してるんだと僕は思った。


僕たちは部屋全体を見回した。


「正直、どこからも入れそうに見えないが」と僕が言う。


「そうね。では別のアングルから考えましょう」と妹の泉が言う。


「別のアングル?」


「例えば、一週間以上前に盗まれていたとか」

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