第4章 1話 名前だけの依頼
「そういえばさ、ランクってどうすれば上がるの?」と僕が聞く。
「あんた説明聞いてなかったの?」と泉が言う。
「ゲームで説明書を読まないタイプだから」
「とりあえず事件を5つ解決すればCからBランクになるよ」
「へえ。Bランク探偵って結構すごかったんだ」
「BからAはもっと厳しいけどね」
「Bになるとどうなるんだろ」
「依頼が増える。例えば依頼内容にBランク以上とかね」
「なるほど。じゃあ今まで見てきた依頼って全部じゃなかったんだ」
「そうなるね。頼む側だって実績ある探偵の方がいいでしょ」
「そりゃそうか。じゃあ僕らも早くBランクになりたいね」
「そうね」
「じゃあ依頼を受けて、とっとと解決しよう」
依頼内容 友人を探して欲しい
報奨金 捜査をしていただいた探偵には1万円支給 成功報酬は別途20万円
場所 東京都○○
注意事項 依頼主は90歳
「これなんかどう?」と僕が言う。
「人探しか。なんでこれを選んだの?」と泉。
「だってすぐ近くじゃん。交通費浮くよ」
「あんたねえ。まあいいけど」
さっそく申し込みをした。
翌日依頼主の元へ。
そこにはすでに6人の探偵と思われる人物がいたのだが……
「泉、帰るぞ」
「ちょっとなんでよ」
「6人ともやばそうじゃん」
「そうだけど、来ちゃったんだし、帰ったらまずいでしょ」
仕方がなく、僕たちも部屋に入った。
半袖短パンのサッカーのユニフォームを着ている2人組。
とんがり帽子に杖を持っている2人組。
そして覆面を被っている2人組。
ユニフォームを着ている1人が言う。
「遅いぞ、現代ではボールを奪ったら全員で連動して攻撃が常識だ」
「すいません。意味がわかりません」と僕が言う。
とんがり帽子と杖を持っている1人が「あなたのお願い叶えちゃいます」
「はい。特に願いはないです」と僕が答える。
覆面をしてる1人が「かかってこいや~」と言ってファイティングポーズを取る。
「いえ。お構いなく」
わかった。
この人たちは、サッカーオタクコンビに魔法少女コンビにプロレスコンビだ。
泉が「みなさんランクは?」と聞く。
サカオタコンビが「B」
魔法少女コンビが「B」
プロレスコンビが「C」
それぞれがランクを答えると、泉も「私たちはCです。よろしくお願いいたします」と言った。
そうして挨拶が終わったころ、依頼主が現れた。
「みなさん。高校時代の私の友人を探して下さい。私もこの先長くはない。最後に会って、昔話をしたいと思ってね」と依頼主。
「それで、探す人の名前は?」と僕が聞く。
「田中誠」と依頼主。
「探す手がかりは?」と僕が聞く。
「名前だけだ」
一同がざわつく。
「どの辺にいるのですか?」
「わからん」
「何か特徴は?」
「昔のことだから、今はわからない」
僕たちは困った。
「これでどう探せっていうんだ」
「それではよろしく頼みます」と依頼主は言って去っていった。
僕と泉が顔を合わせる。
すると、サカオタコンビと魔法少女コンビが部屋から出ていった。
さすがBランクだと思った。
プロレスコンビは何故かアイアンクローをやり合っている。
とりあえず、ネットで検索。
しかし、名前しかわからないため、ネットでの捜査は難しいとわかった。
いったいどうすればいいんだ。
僕と泉は途方に暮れた。




