第3章 5話 2つの路線
新しい写真が送られてきた。
事務所にではない。
出版社にだ。
名倉かおりの密会写真が雑誌に掲載されてしまった。
その結果、名倉かおりの出演映画は延期。
CMでのスポンサー離れ。
事務所は大混乱となった。
依頼主も我々探偵に非難をする。
一刻も早い犯人の特定が急務となった。
再び各探偵が独自の捜査を始めた。
戦隊ものコンビは先輩女優を疑う。
競馬コンビは同業他社の同じ若手女優を。
中二病コンビはマネージャーを。
僕は違和感を覚え、ネットを調べた。
それに対して泉は「私たちも犯人候補を探さなきゃ」と言った。
でも、僕は譲らなかった。
しばらく、ネットで調べたかったのである。
戦隊ものコンビの先輩女優と、競馬コンビの若手女優は完全に空ぶりだった。
2人とも別の仕事に力を入れていることと、何より名倉かおりの仕事が回って来ていない。
2組は別の人物を探して捜査を始めた。
一方中二病コンビはマネージャーに疑惑を深める。
理由は、大混乱となっている事務所の中で、落ち着いているからだ。
それは不自然なほどに。
中二病コンビの2人がマネージャーを徹底マークする。
そして僕はSNSなどを見ていって疑惑がさらに広がっていく。
事務所に残る、僕たちと中二病コンビ。
「人間よ。我は特別な存在だ」と黒田さん。
「ここから先は、選ばれし者のみが進める領域だ」と赤沢さん。
「つまりお互いがんばりましょうってことですか?」と僕が聞く。
2人はコクリと頷く。
「では負けませんよ」と僕が言う。
「貴様、カタストロフィを目指すのか」と黒田。
「我の思考に追いつける者はいない」と赤沢。
「はい。がんばりましょう」
マネージャーが辺りを見回してから、スマホを持って席を立った。
中二病コンビの黒田が尾行をする。
一方赤沢はマネージャーの席へ。
「私たちも追わなくていいの?」と泉が言う。
「それよりSNSだ」と僕が言う。
僕はどうしても引っかかっていた。写真を送った犯人より、その結果として起きている世間の反応の方が妙だったからだ。
両者は依頼主のもとへ向かった。
「マネージャーが出版社に電話をしていました。さらに席から出版社の住所が書かれたメモを発見しました」と中二病コンビ。
「おお。マネージャーが犯人だったのか。後は決定的な証拠だな」と依頼主。
「はい。我らを止められる者はいない」
「待ってください」と僕が言う。
「うん?何だ?」と依頼主。
「色々調べておかしなことがわかりました。出演映画は延期となり、スポンサーも離れています。そんな状況の中、何故か名倉かおりの人気が急上昇しています。これは一体どういうことでしょうか?」と僕が言った。




