第2章 7話 歴史や文化財保護
僕たちは弁護士のところへ向かった。
弁護士を見つけると、僕はストレートに聞いた。
「この家、売られるんですか?」
弁護士が慌てた「どこでそれを」
「探偵ですから」と僕が言う。
「私には守秘義務が」
「遺言書と関係ないでしょう?」
「いや、それは」
「関係あるんですか?」
「私には何も言えません」そういうと弁護士はどこかへ行ってしまった。
「どうやら関係あるみたいだね」と僕が言う。
「どう関係あるんだろう」と泉。
「例えばこの家の価値を知る為に見積もりを依頼した。それで誰に譲るかとか」
「あ~それありそうだね」
歩きながら喋っていると、昔からの友人と会った。
「君たちもおやつ?」と友人。
「いえ。でも食べたいです」と僕が言う。
「なんだ。言われてないならダメだよ」
「そうなんですか。小腹が空いて」
「でも君たちもうすぐ帰れるんじゃないの?」
「まさか、誰か遺言書を見つけたんですか?」
「あれ?まだ見つかっていないんだ」
「えっ?」
「それに新しい遺言書の内容みんな知ってるし」
「えっ?えっ?」
「あれ、まずかったかな?」
そう言うとどこかへ行ってしまった。
どういうことだ……
それから僕たちは、順番に部屋を見ていく。
どこかに遺言書があるはずだ。
しかし見つからない。
娘の部屋の前を通ると、お茶コンビとまだ話していた。
「いつまで話してんねん」と僕が言おうとしたが我慢した。
そして3人で台所でお茶を淹れようという話になったみたいで、僕たちの横を通って行く。
僕は何気なく部屋の中を見た。
茶封筒がいくつか見える。
いけないとわかっていたが、部屋の中に入り勝手に中を見始めた。
「ちょっと勝手になにやってんの」と泉が言う。
「あった」
「何が?」
「遺言書」
僕たちはそれを持って金田さんのところに。
「どこにあったんだ?」
「娘さんの部屋に」
「娘か……」
泉が「連絡」と言う。
「片山 碧と泉です。遺言書の調査終了しました」
横で聞いていた金田さんが「いやまだだ。何故娘が盗んだのかそこまでだ」
「え~」
「え~ではない。依頼は遺言書の紛失の調査だ。見つけることではない」
「片山碧と泉です。再調査になりました」
そう連絡すると、娘さんのところへ向かった。
娘さんはお茶コンビとお茶を飲みながら話している。
お茶コンビがいると、話が出来ない。
仕方がない。
「今、家の外で狭山茶配ってるみたいですよ」と僕が言う。
すると茶頭さんが猛ダッシュで外へ。
追いかけるように紅野さんも出ていく。
僕は娘さんに「あなたの部屋で遺言書を見つけました。どういうことでしょうか?」と聞いた。
「そう。見つけちゃったんだ。せっかく部屋から離れないようにしていたのに」
「遺言書の中身はみんな知ってたんですよね」
「そうね」
「何故こんなことをしたんです?」
「この家が慈善団体に寄付されるから」
「どういうことですか?」
「この家は広いけど、場所柄そんなに価値がないの。でも太い梁や柱は歴史や文化財保護的な立場から非常に価値があるの。それを手放すのが」
「そうなんですか」
「もし寄付されて、この家が解体されたり大規模な改修を受けたりしたら、文化的なものが失われる」
「だから盗んだのね。いや、正確には発表を邪魔したかったと」
「そうよ」
「金田さんに言えばいいじゃないですか」
「言ったわ。でもそんなものと言われて」
「じゃああなたが買ったら」
「それは言っていなかったわ」
「では一緒に行きましょう」
そして金田さんに事情を話した。
結果この家は娘のものになることになった。
慈善団体には申し訳ないが。
そして改めて連絡を。
「片山 碧と泉です。遺言書の調査終了しました」
「了承しました」
横でアニオタコンビとカップルコンビが悔しがっている。
お茶コンビには狭山茶が配っていないと怒られた。
こうして僕たちは、初めて自分たちの力で事件を解決したのである。




