第2章 6話 それぞれの疑惑
この後誰に話を聞くか相談していたのだが、遺言書が無くなった部屋を見ていないのに気づき、そちらへ向かった。
そこにはアニオタコンビがいた。
すでに部屋中を捜査したみたいだ。
僕らをみると「探偵アニメは人気があってね。そういう点では僕らは有利なんだよ」と痛バ兄内。
「いろんな事件があるからね。参考にさせてもらってるんだ」とアクスタ阿仁谷。
どうやら何かを掴んだようだった。
一足遅かった。
僕はそう思った。
「「真実はたぶんひとつ!」」2人は超人気作品のセリフを言って去って行った。
僕らも部屋中を探索した。
紙の資料もいくつか目を通した。
「でもこういうの資料って見ちゃっていいのかな」と僕が言う。
「見られちゃまずいのはそこの金庫の中に入れておくでしょ」と泉。
「そりゃそうだな」と僕が言い資料を見ていく。
しばらくして重要なものを見つけた。
この家の見積書だ。
売却査定の見積書。
この家を売る気なんだろうか。
遠方の徒歩50分が効いてるのか、値段は高くないみたいだ。
ただところどころにある太い梁や柱は趣があって良さそうなのに。
まてよ。
この家が売られると、お手伝いさんはどうなんだろう。
住み込みだから、契約解除になるのだろうか。
それはかわいそうな気がした。
もしこのことを知っていれば、お手伝いさんにも影響があったはずだ。
でも遺言書じゃないからどうなんだろうと思った。
しかし、重要なことだと思った。
その後歩き回っていると、台所付近で話声が聞こえる。
声は小さいが、男女の会話だ。
カップルコンビか。
「あの友人私に色目使ってたわ」
「あの野郎許せない」
「大丈夫。私は大友さんだけのものよ」
「ありがとう。考えてみれば君が素敵すぎるからね」
「まあ大友さんたら」
「今度色目使ったら、あいつが金に困っていることいいふらしてやる」
そして2人はどこかへ行ってしまった。
僕と泉は顔を見合わせた。
「あの昔からの友人の人、お金に困ってたみたい」と泉。
「理由はなんだろうね。そうだちょっとまとめてみよう」
・妻 自分専用口座あり
・息子 借金 ただし本人は否定
・娘 歴史や文化財保護にお金が欲しい
・秘書 解雇って噂
・お手伝いさん 住み込みで働いてる家が売られるかも
・友人 お金に困っているらしい
「こんなところか」と僕が言う
「となると、遺言書で自分がもらえるか、もらえるならどれくらいかは気になるね」と泉。
「今のところ、顧問弁護士以外は遺言書の内容が気になるだろうね」
「そうね弁護士は遺言書の内容知っているだろうから」
「後はどうやって調べるかだ」




