Episode1.陽の光
…きろ!…起きろよ!マヤ!
朝、起こされて目が覚める。
眠い目をやっとの思いで開けるとそこには見慣れた顔があった。
仕方なく体を起こす。
「…どうしたのさ急に、こんな朝早くに王子様が一般市民の家に訪ねて来るなんて…よくないよ?」
こんな朝っぱらから僕のことを強引に起こした彼は、僕の親友でありヴェイル王国第三王子でもある。ヘリオ・アーク・ヴェイル王子だ。
「そんなことはどうでもいいだろっ!!それより早く準備しろ!お母様がお前のこと呼んでんだよ!!」
ヘリオはかなり興奮気味に僕を急かす。
「アロメア様が?なぜこの一般市民の僕を??」
「白々しいぞ…お母様は忙しいんだから早くしてくれよ。」
「わ、わかったよぉ…ちょっと待ってておくれ。」
と言いながら僕の大切な体に毛布をかけて寝かせてあげる…
「お前ってやつは!!ぐぬぬぬ…」
ヘリオの拳をグググと握りしめる音が聞こえるが僕はすでに夢の中へ…
「…うわっ!!」
体が宙に浮いたような感覚になる。ヘリオがベッドごと僕を持ち上げたのだ。
「何するのヘリオ!?わかりましたわかりましたから降ろしてくださいぃーー!!」
「いいや降ろさない!!絶対また寝るだろ。」
ヘリオは高速で僕の着替えを済まし、歯も磨かせ顔を洗わされる。
あっという間に準備は終わり外に連れ出されてしまった。
眩しい陽の光が僕の目を焼き尽くすかのように襲ってくる。
「行くぞマヤ!!走れ!!」
ヘリオはすぐさま僕の手を引っ張って走り出した。
相変わらずの身体能力。鍛えられている僕の体でも追いつくのがやっとだ。だがヘリオはまだ余裕そうに走り続ける。
やばい眠い。このまま寝よう。
僕は寝ながら走り続けた…
……。
「良く来ましたマヤ。意外と早かったですね。」
王妃が真面目そうに笑った顔をこっちに向けてくる。
「僕が準備させて、走ってここまできたんだ。」
ヘリオはあんなに走ったのに全く息が切れていない。
「ゼェゼェ、ハァハァ、ゼェハァハァ!!このようなお見苦しい姿を…ハァ…お見せして…ゼェ…申し訳ございません、ししょ…アロメア様!!…ゼハァ〜…」
完全にやらかした!!今日は学園入学の許しを賜る日だった!!これは後で相当怒られてしまうだろう…
「いいのですよマヤ。こうしてきてくれたのですから…。」
そう言いながら王妃は僕に笑顔を向けてくれるが、目が笑っていない。
「そんなことより母上!!俺はマヤと一緒に学園に入学できるのか!?」
「ヘリオ。王族がそう人を急かすものではありませんよ。
このバカ弟子…いえ、マヤにはすこ〜〜〜〜〜し話があるから。
部屋の外で誰もこないように見張っててくれる?
ごめんなさいヘリオ…。」
「わかりました母上!それでは見張っております!」
キィーーー
「待ってヘリオ!!」
バタンッ!!
引き止めようとするがヘリオはそのまま外に出て行ってしまった…
「おい愚弟ぃー?いつまで私を待たせるのかしらぁ?」
あぁ…鬼ゴリラ理屈屋頭でっかちムキムキマッチョババ…じゃなくて、師匠の怒りを目覚めさせてしまった…
オワリダァ




