表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イズナ使いの虚誕 ~2人の緑さん関連の漫書〜  作者: 犬冠 雲映子
■(牛女の村 ―人か 魔物か 魔法少女か―)
154/155

牛女は報われず 村は報われず

「分かりました。やりましょう、案内人」

 わざわざ口にして、緑さんは意を決した。周りはハテナを浮かべたが、案内人は「リョーカイです!」と答える。



「変身、します!」



 緑さんがそう宣言すると、パッと身体が眩く──それこそ魔法少女のように輝く。地味なスエットが微妙に貴族風の装いに変身し、憤怒の狐面が一瞬顔に出現したが、半分ほど粉砕し、狐火となりノベオリを燃やした。

「ぐああああっ! 何が起きてやがる!? ぎゃああああっ熱い、あついっ!」

 火だるまになり、日本刀をパッと放した。その隙を狙い、狐面のオンナは鞘を握り怪しく燐光とノイズを伴う魔力を注いだ。

「お前の異能、食べさせてもらいまーす♡」

「止めろ! 仲間だろ?! オレたちは、」

ワタシタチ(・・・・・)はお前みたいな雑魚じゃない、まー、ある意味仲間かもしれませんねえ! その中身を喰う、バケモンとして!」

 満面の笑みで宣言すると、ザラついた刀をノベオリの──星雲寺 叶夢の遺体の眉間に突き刺した。

「叶夢っ! 叶夢ぁーっ」

 輝が泣きながら、草目に羽交い締めにされる。ノベオリは串刺しにされた瞬間、凍りつき、動かなくなった。

「うーん、あまり美味しくないですが、これが牛の怨念。ワタシよりなんと薄味な」

 牙を舌なめずりした『緑さん』に弓矢が刺さるが、彼女は気にしない。血も流れない。

 弓矢は吸収され、ギロリと奇妙な色味の瞳が輝たちを見た。

「なかなかにデリシャス。恨みがましいその心。食ってしまいたい」

「お前、緑さんに何をした! インベーダー!」

「インベーダー? 私は小林 緑ですよ?」

「うそだ、なぜ、法外な力を使える?? 普通なら、地球人なら使えなあはずだっ」

 草目もピストルを構え、カチリとボタンを押すとモードチェンジさせる。

「へえ、地球人防衛庁にも2足のわらじをしているとは! 君は面白い!」

「も、もう、やめよう……草目。私はもう、何もしたくない……。何も、」

 涙と鼻水を拭いながら、彼女は鋭い双眸で化け物をねめつけた。

「今すぐ目の前から消えてくれ」

「分かりました。その前にスペシャルサービスを追加しましょー! 空っぽの村に魔法をかけます! さあ、ショウターイム! アヅチの窓から星を降らせ! 硝子の箱を破壊せよっ! 白痴の霧瘴の名のもとに!」

 指を鳴らすと、空にひび割れが起き、元の世界が露見した。真っ黒い、何も無い世界。

「バカぁっ! 童子式神に見つかるじゃないっ!!」

「どうじしきがみ?? え?」

 思わず草目が聞き返した。


「見つけましたよ、山伏式神。見つけましよ、見つけました、よ。見つけました」


 ひび割れる世界の中、誰かの声がする。「深淵の兎よ! 空っぽの世界を喰いつくせ!」

「ハア〜〜~、ショウガアリマセンネ。契約の元、食べさせてもらいます。山伏式神、次こそはお前の番だ」

「ヒイッ」

 人間たちの後ろに隠れた少女を、でかい虚ろな目がとらえてはなさない。

「嫌よ! 私は逃げ続けてやるんだから!!」



 村が崩壊する──無かった事にされて、牛女を退治した陰陽師の、この悲しくも憎らしい説話は幕を閉じる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お読みいただきありがとうございます。

嬉しみ〜!

こちらもポチッとよろしくおねがいします♪↓↓↓

ツギクルバナー

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ