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イズナ使いの虚誕 ~2人の緑さん関連の漫書〜  作者: 犬冠 雲映子
■(牛女の村 ―人か 魔物か 魔法少女か―)
153/155

小林 緑は魔法少女へなるか?

 丁度その頃であった。

 草目たちがやってきた時には、星雲寺 叶夢の身体を支配した魔物は正体を表し緑さんと対峙していた。

「草目さん、近づいては」

 緑さんはあっという間に引っぱられ、武器として所持していた日本刀を突きつけられた。

「チェッ。せっかくシャバでのバカンスを楽しもうとしたのによぉ〜〜。魔法使いってのはハエンボ()みたいだな」

 日本刀は血臭い。彼女の身体を操って殺めてもいるのだろうか?

「緑さんを、はなして。また人を殺めたら罪が重くなるよ」

 魔法で武装したリボルバー拳銃を突きつけ、吊田崎 草目がノベオリを睨みつけた。

「ギャハハ! 元はと言えばお前ら人間が羽屋沸はぬやふつ姫芽(ひめ)を無下にしなけりゃ、オレは存在してねーんだ。罪なんて存在しねーよ」

「それは星雲寺一族の責任であって、私たちのものでない。責任転嫁をするな!」

 輝が怒り、同じく魔法で召喚した矢を構えた。

「こわ〜〜~。責任転嫁だとか、輝、アンタらしいな? 人の良い偽善者」

 緑さんはボソッと「自業自得ではないか」、と口にした。

「三ノ宮一族と同じです。外法陰陽師たちが祝部織の一族を絶やし、あまつさえ、善意を踏みにじるとは──」

 ノベオリはニタニタと笑う。

「それでこれ、オレサマの仲間だ! 分かるか吊田崎 草目! コイツは人間じゃねえのさ!」

「ハア。いや、一般的な感想を口にしただけですよ……星雲寺一族は三ノ宮一族に似ているな、と思わず」

「いいや、人間側の生ぬるい感情がお前には抜け落ちてる。ヒトの遺体を見ても何も思わず、自分自身が人質にされても何も感じない!」

「……うーん。遺品整理を生業にしていたりしますからね」

「カーッ、認めろよ! 半人!」

「普段の緑ならそんな事言わない。そりゃー、アンタの精神干渉の異能じゃないのお?」

 吊田崎 草目が珍しく怒りに声を荒らげる。ドライな彼女なりに人への思いやりがあるらしい。

「ハア? コイツにはそれが効かねえよ。──中身が人間じゃあ、ねえからな」

「失礼な」

「ノベオリ! 星雲寺(せいうんじ) 叶夢(かなた)の身体から出ていけ。死してなお彼女を侮辱するな」

「いいじゃないか? 食っちまったから、真似というよりはなり代われるぜ? なあ、輝?」

「いい加減にしろ」

「キャハハッ! まあ、お前らはオレに食われてしまいだ。あー、爽快だ!! たのしいなあ!」

(どうすれば良い? 案内人? )

(うーん。アレなら……、……、……)

 案内人が念話で悩みつつも口を開いた。

(この前のように、魔法少女にナリマショウ! )

(はあ?? )

 ──アナタにはスペシャルプレゼント! じゃ〜ん! スーパーマジックアイテム! お面デス!

 下手くそな狐面。画用紙にクレヨンで描いたのか……、絶妙なチープさを醸し出していた。

 ──ふざけているんですか?」

 ピントはずれなプレゼントにさすがに語気が強まる。

 ──いいえ〜? ワタシは本気! これを被ればあらァ不思議! 正体不明のヒーローに大変身っ!

 あの呪われた仮面は今も顔に張り付いている。大変身したら勝てるのか?

 また口車にのせられるのか?

(もう! 使いこなすトいう選択肢はナイんですか?? )

 あの時と同じセリフを吐かれ、イラついた。

 ──同化(ふゅーじょん)するンですよ。こう、二人三脚する様なモンでス。

(自分自身の現状維持ならば仕方ないか? けど、現状維持になるのか? 分からない。ともかく草目さんや輝さんが死ぬのは嫌だな……)

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