第二十五話 激戦の最中、窮地に現れた友!
「ずっと思っていた。己の肉体ばかりを顧みる者は、生命という枠に縛られた俗世の思想からまだ脱していない、とな」
「それが、お前が人間の魂を奪う理由か?」
「人間は常に愚かであり、自覚もない。彼らに共感するなど、人間が蟻を憐れむようなものだ。彼らの魂を奪うことが、この世界への最大の貢献だろう?」
「むしろ、人間が世界に最も貢献しているからこそ、お前は彼らの魂を奪うのではないのか?」
【聖光裁決・叉】
聖騎士が十字型の光刃を放つと同時に、ヒルドとの鎖を解き、【聖引】で彼の身体を引き寄せて地面に落下させないようにした。彼を地面に隔空で置いた後、聖騎士は顔を上げて悪魔を見た。相手は無傷でその場に立っていた。
「私に戦いを挑むのか?」
「協議が成立しなければ、お前と手合わせするしかない。まさか、お前は戦争が好きなのか?」
「戦争? 戦争を好む凡人は、皆この地獄に埋まっている」
【聖引】
「その小細工は、私には効果がないぞ、聖騎士!」
メフィストの胸が一瞬引っ張られたが、すぐに元の位置に戻った。聖騎士の開かれた左手は何の効果もなく、逆にメフィストが右手の【釈魂杖】を掲げると、その杖端から青い光の鎖が何本も現れ、聖騎士を地面に叩きつけた。
分崩離析! 聖騎士の背中が草原に激突し、周囲の黒森林が以前のように半分に切り倒された。ヒルドはその強力な衝撃波の影響で、空中へと吹き飛ばされた。
「うあああ!!! 聖騎士様――」
ヒルドは慌てて「雷風剣」を抜き、数本の稲妻を放ったが、何の役にも立たなかった。彼は頭を下に向け、すぐに地面に激突しようとしていた。
【電瞬!】
彼は目を閉じ、草むらへ瞬時に移動し、数回転がってようやく止まった。
【幽影疾避】
「大丈夫ですか、聖騎士様?」
【魔愈】
聖騎士は砕けた左腕の臂甲を修復し、魔力を刃に集中させた。【聖光裁決】の他にも、いくつかの攻撃方法を開発できる。
【反撃・雙光】
メフィストが横に身をかわすと、背後から飛来した二本の光刃が彼の左腕を傷つけたが、彼は即座に治癒し、同時に数百匹の透明な聚魂獣を呼び出した。
「どうやら、お前にも多少の腕前はあるようだ」
(「奴は新しい技を予測できないようだ」)
「ヒルド、自分を守れるか?」
「も、もちろんです!」
「頑丈なのだな。簡単に死ぬなよ」
聖騎士はヒルドの肩を叩き、高空へ瞬時に移動し、その身体で数匹の聚魂獣を貫いた。メフィストが火炎竜巻を放つと、聖騎士は【幻化】を使ったが、それでも兜は焼け焦げた。
(「死ぬほど痛い……やはり魂特攻タイプの攻撃か?」)
「一陣の風、なかなか良いだろう?」
「涼しさをありがとう」
さらに数匹の聚魂獣が聖騎士に拳を浴びせようと襲いかかり、彼は【幽影疾避】で攻撃を回避した。相手は魂を専門に狙う存在だ。だからこそ、自身の魂の強度を常に保たねばならない。
【聖愈】
【反撃・密光】
【瞭望之眼】
それらの聚魂獣の魂を狙い、聖騎士は連続で瞬時に移動し、聖剣でそれらを斬り散らした。連続で逆方向の光刃を放つことで、聚魂獣はもはや元の形を保てず、ついに大気の中へ消散した。
「戻れ!」
メフィストが「釈魂杖」を掲げ、残った魂を回収した。続けて、彼は左腕を伸ばして聖騎士の聖剣を防ぎ、付着した青い光の鎖で聖剣の先端を絡め取り、聖騎士を再び地面に叩きつけた。
【反撃・雙光】
「同じ手は通じんぞ」
メフィストは以前に現れた円鏡を創り出し、二本の光刃を反射させた。結果、その光刃は逆に聖騎士の背中に斬りつけた。
(「どうやら空間斬撃を見破られたようだ」)
【霊箭万發】
メフィストが右手の権杖を掲げると、数万本の魂を宿した矢が聖騎士とヒルドに向かって飛来した。
【聖斥】
「私はその場に留まってはおらんぞ、聖騎士」
メフィストは聖騎士の右側に瞬時に移動し、「釈魂杖」の底部で彼の無形の斥力の盾を突き破った。聖騎士が聖剣を掲げると、再び相手に腕を阻まれた。
(「斬れない!」)
【神流・雷轟電爍】
メフィストがその場に硬直している隙に、ヒルドは彼の腰に向かって横薙ぎに斬りつけた。しかし聖騎士と同じように、彼の「雷風剣」もメフィストの外套に何の影響も与えなかった。
「お前たちは、私の魂がどこにあるのか全く掴めていない!」
【魂撃百里】
メフィストは左手を聖騎士の身体に当て、彼の体内の魂を深く傷つけ、同時に彼を数百メートルも吹き飛ばした。
【神流・雷轟電爍】
「何度も言っただろう、同じ手は通じんと!」
【魂影疾避】
メフィストは後方へ瞬時に移動し、聖騎士が後方から放った数本の光刃をかわした。
【反撃・複】
その数本の光刃が反射し、メフィストの身体に二本の浅い傷を刻んだ。
「魂特攻ならば、私もお前の得意分野で相手をしてやろう」
【幽影疾避・超】
【聖拳】
メフィストが左腕で聖騎士の拳を受け止めた時、その拳先に異様なエネルギーを感じた。それは右拳に魂を集中させた一撃であり、今回は彼も防ぎきれなかった。
(「俺の左腕が――」)
「お前の左腕は、もう何度も攻撃に耐えられないだろう?」
【反撃・三光】
メフィストは墨鏡で二本の光刃を防ぎ、残りの一本は聖騎士が【反撃・複】で跳ね返し、メフィストの目を撃った。
【魔愈】
(「短期決戦だ!」)
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「結構、結構。聖騎士よ、どうやらお前はこの戦いに本気になったようだ!」
【マザーランド】
【幽影疾避】
聖騎士はこの技をかわしたが、ヒルドはそうはいかなかった。彼はその魔鍵に吸い込まれ、聖騎士が以前入ったのと同じ幻術空間に入ってしまった。
「その鍵は、一人しか入れないのだろう?」
「目ざといな――」
メフィストが「釈魂杖」をしまうと、聖騎士も聖剣を収めた。至近距離で、二人は同時に格闘を選択した。魔力を魂の基盤とする構築として、聖騎士が先に右拳を振るった。
メフィストも同時に左拳を振るい、聖騎士の右拳と激突した。二つの強大なエネルギーが二人の腕の間で躍動し、メフィストの方がついに優勢となった。
幾度かの拳の応酬の後、メフィストは蹴りを入れ、聖騎士を遠くへ蹴り飛ばした。
「お前の魔力はまだどれだけ残っている? 私はまだまだ余裕だぞ――」
「五分五分だ。すぐに決着をつける」
聖騎士は聖剣を創り出し、両手で背中に掲げた。メフィストが接近した時、彼は全力で斬りつけた。
【反撃・折光】
斜めの光刃をメフィストは軽々とかわしたが、その回転と屈折の角度により、彼は身体を反転させざるを得なかった。
(「今だ!」)
【霊拳】
【聖拳】の魂特攻版、聖騎士はそれをメフィストの胸の前に放った。
【ライプツィヒ】
「ん?!」
(「奴は浮士德の技を使えるのか!」)
「そうだ。実際は彼が私の力を借りていたに過ぎない。そして今こそそれを披露する。これがお前の一撃への敬意だぞ、聖騎士!」
(「情報の差……この一撃は耐えられない!」)
メフィストは宮廷長剣を創り出し、一撃で聖騎士の心臓を貫いた。彼が長剣を抜くと、聖騎士は空中から落下した。
【聖愈】
「瞬移を選ばなかったのか?」
メフィストは急降下し、長剣を胸の前に構えた。聖騎士は聖剣を掲げ、魔力を刃に集中させた。
【聖光裁決・反撃】
前後から襲う光刃により、メフィストは別の場所へ瞬時に移動せざるを得ず、追撃を諦めた。聖騎士は再び地面に落下し、森の中へ身を隠した。
「隠れたか、臆病者よ」
魔力の気配を消した聖騎士は、数匹の魔角虫を斬り捨て、魔力を両目に集中させた。【瞭望之眼】を常時解放することで、【ライプツィヒ】の妨害を無視できるようになった。
【霊箭万發】
無数の魂の矢が森の中に射ち込まれ、同時に密集したエネルギーの波を放った。メフィストは聖騎士の正確な位置を特定できずとも、矢を通じてその姿を観察した。
聖騎士は地上を走り、自分とヒルドがこの領域に足を踏み入れた場所へと素早く向かった。
(「聖騎士様、追いつかれますよ!」)
(「心配するな、フラミ。策はある」)
「どうやら、私の勝ちだ!」
メフィストは「釈魂杖」を掲げ、大量の魂を権杖に集中させた。再び魂の火炎竜巻を使えば、聖騎士は黒焦げになるだろう!
【心隙窥神】
【心隙窥人】
「逃げるな!」
メフィストは火炎竜巻を放ち、聖騎士の全身を真っ直ぐに呑み込んだ。炎が消えた時、彼は権杖を下ろし、悠然とした態度を見せた。
【ライン飛梁斬】
「何だ?!」
メフィストの胸に大きな傷が刻まれた。予想外の人物が参戦したのだ!
「神遣い、相変わらずだな。一言もなく私のところに来るとは~」
「すまない、しかし今はお前に頼るしかない」
「かかってこい!」
ガイウス・ユリウス・カエサル――聖騎士が瞬時に連結した領域を通じて、メフィストの魂を直撃した。
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「Veni, vidi, vici」
カエサルは短刀を抜き、少なくとも十二刀を相手に突き刺した。超高速の刺突にメフィストは反応しきれず、魂の火炎竜巻を放って相手を妨害しようとした。
カエサルが左手を振ると、背中のマントが彼の胸の前に広がった。炎が収まった時、彼はマントをたたみ、右手に「黄の死」を創り出し、それをメフィストの頭に重く叩きつけた。
(「英霊は本来、魂特攻だ。だからあの男は大きなダメージを受ける……先ほど斬れなかったのは、聖剣に魂を完全に集中させていなかったからだ」)
「ここまでだ!」
カエサルは最後にメフィストの前に瞬時に移動し、左拳でメフィストの胸の魔鍵を粉砕した。
「えっ?!」
中に閉じ込められていたヒルドが天から落下し、辛うじて【電瞬】で地面に瞬時に移動した。
【反撃・複】
【幽影疾避・破】
聖騎士はメフィストの隣に瞬時に移動し、衝突を利用して彼の体勢を崩した。たとえ相手が光刃をかわせても、カエサルの最終一撃を防ぐことはできなかった。
【ライン飛梁斬】
ついにメフィストは地面に落下し、一面の森を押し潰した。
「すまない、無敵時間は一分間だけだ。だから後は任せたぞ~」
「お前は無傷でクリアしたいだけだろう?」
カエサルが空中に消えた後、聖騎士は身をかがめて急降下し、聖剣を頭上に掲げた。
【聖光裁決・幻化】
「思い上がるな、聖騎士!!」
メフィストが振り返ると、聖剣は頭をかすめた。
(「この最後の一撃に賭ける!」)
メフィストは「釈魂杖」を創り出し、すべての魂を杖端に集中させて聖騎士の胸に突きつけた。
「グサッ――」
「何だ?!」
先に傷を負ったのは、メフィストの頭だった。【ライプツィヒ】を自身に応用し、聖剣は逸れなかった!
「お前の技も少しは学ばせてもらった。どうだ?」
「参ったな――」
(権杖が地面に落ちる音)
(「まずい!」)
権杖が爆発する直前、聖騎士は即座に背を向けて遠くへ瞬時に移動した。魂が集中したことで引き起こされた巨大な爆発が森全体を包み込み、数万ヘクタールの大地が余波で青い炎に包まれた。
「逃げられたか……」
地面に座り込んだ聖騎士がうつむくと、耳元で重く沈んだ囁きが聞こえた。
「確かに、お前には腕前がある、聖騎士。しかし、お前はその頑なさと無知によって代償を払うことになるだろう!」
(「次はマモンのところへ行く。彼女に気づかせてやる、人の価値は計算できるものではないと」)
豆知識です。
[領域聯通]――自身を仲介として、二つの領域を相互に繋ぐスキル。このスキルには高度な情報感知能力が求められ、現状の聖騎士は【瞭望之眼】を常時解放していなければ使用できない。消費魔力は少ないが、その代わりに魂そのものを消費する(魂の強度がその容量を決定する)。領域を聯通した後、一定時間でその接続は閉じられる。開放者は誰が領域を越える権利を持つかを決定できるが、より強い魂を持つ者は強制的に貫通することも可能である。




