13. 学力テスト
なんか新学年始まると最初の方にやる学力テストです(たぶん)
朝、ふかふかのベッドの上で私は目覚める。
宿屋のベッドはこんなにふかふかだったけ?と考えていると
そういえば昨日、わたしはムーンストーン公爵家の人になったことを思い出す。
今日は学園の日だ。
どうやって行こうか考えていたら
「失礼いたします。
お目覚めでしょうか、ヴェール様」
と扉から声が聞こえた。
「うん、起きてるよ、ローシェンナ」
扉から聞こえてきた声で誰かなんとなく想像がついたのでその人の名前を呼ぶ。
「失礼いたします。
それではヴェール様の支度をお手伝いいたします」
私はローシェンナに支度の大半を手伝ってもらう。
自分でしたのは寝間着を脱いで肌着の上に薄手のシャツを着るという動作だけだ。
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支度が終わり食堂へ向かう。
食堂には養父上と養母上、義兄上、それとオパールがいた。
「おはようございます」
私は朝の挨拶をしてお辞儀をする。
「おはよう、ヴェール。よく眠れた?
今日は私達の家族になってから初めての学園じゃないか。
何かと苦労するかもしれないけど頑張ってね」
義兄上の言葉に私は頷いて席につく。
「おはようございます。
あ、お義兄様、学園に行くのはわたくしと一緒ですわ。
一緒に頑張りましょうね」
オパールがそう言うので私は
「うん、頑張ろう」
といった。
「おはようございます。
ヴェール、学園で素晴らしい成績を残してくれると
わたくしは信じているのでオパールとともに勉学に励んでくださいね」
「え、はい。あまり期待しないでくださいね。養母上」
なんかすごいプレッシャーを養母上にかけられたので
やめてくださいと返したら養母上はただ笑みを深めただけでやめてくれそうになかった。
「おはよう、ヴェール。
なんでも今日の学園の高等部は学力テストがあるそうではないか。
結果を楽しみにしているぞ」
「え...いや、ほんとに勘弁してください。
学力テストがあること私知らなかったんで、
きっと最下位ですよ。
ほんとに期待なんかしないでください」
養父上にも期待されているので本気でやめてくださいと願う。
みんなそんな私を見て微笑んでいた。
いや、ね?ほんとにテストがあるって知らなかったんよ。
そもそも知ってたらオールしてたよ。
勉強しなくていい点数取れるひとなんてそうそういないんですよ?
だから期待しないでくださいね!
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私とオパールは朝食後、学園に行く準備を整えて馬車に乗る。
馬車の中で私は必死に勉強をしていた。
「お義兄様、酔いますわよ?
そこまでしていい点数を取りたいんですか?」
急にオパールに問われたため私は一旦勉強の手を止めオパールを見る。
「当たり前だよ。人間勉強しないといい人生は歩めないんだ。
もちろん、例外もあるけどね。
それに、いい点数を取ったほうが嬉しいだろ?
変な点数を取ったら私の心は虚しくなるんだ。
そういうわけでオパールも追い込みをしておくといいよ」
私はそう言って勉強を再開する。
オパールの方をちらりと見ると本を読んでいた。
目は必死だった。
え?なんで?
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馬車を降りて学園に入る。
そして自分の教室に行き直ぐに席につく。
席についたら私は必死に勉強という名の追い込みをしていた。
隣の席に座っているオパールも多分勉強という名の追い込みをしているのだろう。
途中で何人か話しかけていたけれど今は悠長に話している暇なんてないので無視を決め込む。
先生が入ってきてホームルームが始まる。
ちなみに私のクラスの担任の先生の名前はアパタイト・シアン・サルビア。
女性だ。先生は青い。とにかく青い。
どういうことかというと、
アパタイトは青い柔らかい宝石の名前で
シアンは知っての通り三原色の青色担当で
サルビアはサルビアブルーという鮮やかな紫がかった色だからだ。
つまり青が沢山なのだ。
そして来てくる服も青系だという...。
だから青いのだ。
閑話休題
先生は教室全体を見回して
「おはようございます、皆様。
今日は学力テストの日です。
ご自分の学力と向き合う機会ですので
他人の答えを見たりするような
非常に残念な行為をすることなく望んでくださると嬉しいですわ。
勿論、わたくしは皆様がそのようなことをするはずがないと
信じています。
試験は…十分後です。
それまで自由時間といたします」
と言った。
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学力テストは拍子抜けするぐらい簡単だった。
というかこれでいいのか?!学園!!となるほどだった。
「お義兄様、本日のテストは非常に難しかったですわよね?
どのくらい解くことができたのですか?」
帰りの馬車でオパールにそう問われたときはものすごく驚いた。
だって難しかったんだってよ。
あの拍子抜けするくらいの問題が!
これでいいのか、学園!と思ってしまうほどの簡単な問題を!
正直どうするか考えて
「解くことができたのは全てだね。
なにか書けば当たるかもしれないから。
何も書かないよりは、なにか無理やりにでも書いたほうがいいよ」
とテストの難しさには触れずどのくらい解いたのかという質問にだけ答えた。
オパールは「なるほど」と言って私の方を輝いた目で見つめてきた。
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次の日、テストの結果が配られた。
私の点数はすべての教科で満点だった。
驚いた。だってあんな短時間の追い込みしかしてないのに満点だよ?
納得できなくない?
私はできないよ。
これじゃ本当に私の頭がいいのか学園の問題が簡単だっただけ...は考えられないね。うん。
一応廊下には上位10%の名前と点数が張り出されているようだ。
オパールはその張り出されている紙を見たあと私を見て駆け寄ってきた。
「す、素晴らしいですわ!お義兄様‼
あれほど難しかったテストなのに満点が取れてしまうなんて‼」
私のすぐ目の前にきたオパールはそういった。
それを聞いた私は急ぎ足で張り紙を見る。
1位は私で2位はオパールだった。
点数差はかなり開いている。
私の点数が100だとしたらオパールは47といったところか。
「え?」
その結果に唖然としてしまった。
頭の中を必死に整理しようとすると
「あら?あなた、平民の子じゃない?
なんであなたみたいな卑しい身分の人間がオパール様を差し置いて主席なのかしら?
一体どのような手を使ったの?
あぁ、もしかして採点者様が平民だからとお慈悲をおかけになったのね。
でないとあのような点数差はおかしいですわ」
と女性の声が聞こえた。
私は声の主を見つけて紳士の礼を取る。
「お初にお目にかかります。
ヴェール・ウィスタリア・ムーンストーンでございます。
ちなみに私は貴女の言う卑しい身分のでではありません。
そして学力を身分で決めつけるのはいかがかと存じます。
私の点数は私の努力の結果です。
テストでいい点数を取るための努力だけは決して無駄にはなりません。
オパールと私の点数差が開いているのはきっと
努力の仕方が違ったのでしょう。
オパール、後で効率的で正しい努力の仕方を教えてあげるよ」
「まぁ、ありがとう存じます。お義兄様」
自己紹介をして努力のについて力説していると
オパールを悪く行っていることに気が付いてすぐに取り繕う。
取り繕った際にでた正しく効率的な努力の方法に
見事にオパールが食いついてくれて助かった。
「あぁ、皆様は知らなかったのでした。
ヴェールお義兄様は先日、我が公爵家で養子として迎えたのですわ。
お義兄様の後ろには常に我が公爵家があるということを
十分にご理解していてくださいな」
そして、オパールはそう言い、みんなを地味に威圧していた。
私に嫌味を言ってきた令嬢ははじめましての挨拶もせずにおびえていた。
周りにいた学園の生徒達は私のことを色々と口走っていた。
風魔法で音を拾うのは得意なのだ。
風魔法は一番便利そうだったので一番最初に鍛えた魔法の属性だ。
とりあえず、今日でこれから
あんなたいしてうまくもない嫌味をを言われるのかと
少しめんどくさい気分で教室に戻った。
読んでいただきありがとうございます!
ヴェールの自己評価が低いと思うのは私だけでしょうか?




