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出会った美少女は秘密結社の姫巫女様  作者: 健野屋文乃
2章 地下街の秘密基地

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18/25

8話 家臣の心得

あるじのセーラー服の後ろの襟が、曲がっていたので、

綺麗にすると、


「ありがと」


と。


あるじの、その声はとても凛々しかった。

地下街に入って、あるじの振る舞いは、

凛々しさと美しさを増していた。


対外的なあるじの姿なのだろう。


その姿は、学校や職場に急ぐ人々の視線を集め、

僕に緊張を強いた。


僕はいざと言うときの逃走経路を確認した。



記憶も土地勘もない場所は、すべてが新鮮で、

好奇心を満たしてくれるが、

あるじを守る立場としては、不安に満ちていた。


地下街には、地上の鉄道とバスターミナルから、

人々が流れてきていた。


僕が注視しなければならない対象は、

まだあるじを狙っているかも知れない誘拐犯グプープと、

不運なあるじを襲うアクシデントの数々だ。


逆流してくる人の波に、

あるじは何度も衝突しそうになった。


あるじの運動神経なら避けられる筈だが、

何故かバックや傘や予想外の動きをする

スーツケースやキャリーバックが、

あるじ目がけて突っ込んでくる。


僕は、船の舵を取るように、あるじの腕を掴んで、

それらの衝突物を避けた。


しかし、なんちゅう不運な少女だ。


その流れから離れると、

石畳を叩いていた人々の足音が消えた。


静かな石造りの地下街は、

中世の城郭の回廊を思わせた。


その回廊の先に、小さなクリニックがあった。


「ここよ」


「えっ?」


「うん、私の家臣として、ちょっとした身体検査欲しいのです。

ほら、私は家臣くんが誰なのかも解らないし、

記憶喪失の事も含めて、ちょっと診断してもらおうと思って・・・」


「あるじが言うのであれば・・・。」


開院前のクリニックはまだ薄暗かった。


僕は、桃色の制服を着たナースに、

誘われて、診察室に入った。


「じゃあ、私は待合室で待ってるから」

あるじは、来慣れた様子で、

待合室に置いてある雑誌コーナーに向かった。


診察室には、白衣の女医が、

タブレットで何かを確認していた。


「ああ・・・君が例の・・・」


女医は僕を観察した後、告げた。


「とりあえず血液検査をしてね」


桃色の制服を着たナースは、

ほとんど痛みもなく、採血をした。


「それじゃ、これでうがいをして・・・」


僕は進めれれるままうがいをした。


「じゃあお口を開けてね」


女医は、綿棒の様な物で、

僕の頬の内側をこすった。


「これは・・・遺伝子検査ですか?」


「うん、まあ、そんなところ、

ところで君は黒い下着は好き?」


女医は、唐突に言った。

僕の小動物センサーが危険を察知した。


女医が、白衣を広げ中の黒い下着を見せた。

レザーではないけど、明らかにその種の雰囲気だ。


「僕はノーマルです!」


「今日まではね」


診察室の出入り口では、二人のナースが、

何かの道具を持って、待ち構えていた。



多分!多分!かなり危険な状態だ!


僕が強行突破を試みようと察した女医は、


「穂香に求められて、あなたは満足させられるの?」


「えっ?あるじに求められるって・・・」


「穂香は、姫巫女候補生。雑に扱われては困るの」


「姫巫女候補生?」


「穂香が、あなたを求めるかどうかは解らない。

でも、求められた場合、あなたは穂香を、

愛情的にも技術的にも満足してあげなければならないの。

あなたは、穂香を満足させられるの?」


僕は、待合室で待つ由良穂香の気配を伺った。

しかし、無音で何も察する事は出来なかった。


「私たちは、穂香を正しい方向へ導く義務があるの。

これは穂香の家臣としての心得の伝授と、

理解して貰えれば、有り難い。」


「家臣としての心得ですか・・・」







僕は、家臣としての心得を伝授され、診察室を出た。


待合室では、少女漫画を読んでいた由良穂香が、顔を上げ、


「検査、意外と長かったね。」


と、あどけない顔して言った。


「検査・・・うん、意外と長かった。」




つづく


秘密結社な小説への御来訪

ありがとうございます。 [壁]‥) チラッ

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