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出会った美少女は秘密結社の姫巫女様  作者: 健野屋文乃
2章 地下街の秘密基地

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17/25

7話 表と裏

「ぷふぁー♪」


ワゴン車の後部座席で瓶入りのジンジャーエールを、

一気飲みをした由良穂香は、満足な表情をした直後、

対向車線から赤と黒の憲兵隊カラーのオフロード車が、

見えて、素早く身を潜めた。


防諜機関でもある探題憲兵隊は、

一般人が関わることはまずない組織だが、

関わるとかなり面倒な組織だ。


【白夜のタルタルソース】と、

書かれた明らかな営業車は、

さほど疑われる要素が少ないらしく、

憲兵隊は何の疑いもなくすれ違った。


憲兵隊本部長の娘が、隠れるのも変だが・・・・


僕がそんな事を思っていると、



「家臣くん、家臣くん」


と早朝のパン屋で買ったシュークリームを食べながら、

由良穂香が僕を呼んだ。良く食うあるじだ。


「これから行くところの事を説明して良いですか?」


「うん・・・。」


「時代が、魚座からみずがめ座の時代に移行するのって知ってます?」


「多分・・・知らない」


「みずがめ座の時代はですね、

あらゆる既得権益が消えて、

完全な自由競争の時代になるのです」


「・・・」


「私が所属している【武者倶楽部】って言う倶楽部は、

その時代に対応する為の力を、

手にしようとする武者修行をする者たちの集まりなのです」


武者倶楽部・・・・一見すると、

剣道部や弓道部の集まりの様な名称だが、そんな倶楽部が、

自販機の奥に無線機を仕込んだりするだろうか?


「その倶楽部と、あるじが誘拐された事も、何か関係があるんですか?」


僕の問いに、バックミラーに映る由良穂香は、微笑んだ。

普通の女子高生がする微笑みの種類とは、違う微笑みだ。


が、あるじの頬にはクリームが着いている。

あるじは、じっと僕を見つめた。


「頬のクリームを取って!」と目で訴えていた。

「そんな恋人同士みたいなこと出来ません」的な視線を僕は送った。

「それなら黙秘します」あるじは目で言った。


信号で止まると僕は仕方なく、あるじの頬のクリームを取って上げた。

そして、指に着いたクリーム・・・


あるじは「お食べ」と目で命じた。


由良穂香の考えているあるじと家臣の関係性が良く解らないが、

僕がクリームを食べると、あるじは嬉しそうに納得して話を進めた。



「憲兵隊の娘だからって線も消えた訳ではないですけど、

憲兵隊がこの件で動いた形跡がないみたいだし、

今のところ【武者倶楽部】関係の可能性が高いと思われます」



話はより複雑になったって訳だ

ただでさえ記憶もないと言うのに・・・



7時を過ぎると、街は徐々に混雑し始めた。

あるじと同じセーラー服を着た女子高生の姿も、

見え始めた。


その姿を見かけると、あるじは素早く身を潜めた。


僕らは何をしようとしてるんだろう。


そんな疑問を持ちつつも、あるじに言われるまま、

地下街の駐車場に入った。


追われている身?として、地下に入るのは、

ちょっとした背徳の興奮が、身体を巡った。

赤のマントに煽られる闘牛の様に、

レンガの赤い壁がその興奮を後押しした。


一番奥に車を停めると、僕らは地下街に向かった。

地下街では、表の社会の人が、

表の学校や職場に向かっていた。


セーラー服を着たあるじとスーツ姿の僕も、

一見、表の社会の人間に見えないこともなかった。


でも、今から僕らが向かうところは、

あるじが「秘密の巣窟」と呼ぶ場所。



つづく





秘密結社な小説への御来訪、

ありがとうございます。[壁]‥) チラッ

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