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出会った美少女は秘密結社の姫巫女様  作者: 健野屋文乃
2章 地下街の秘密基地

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14/25

4話 お前は、最悪は免れた・・・

「なずなさん?」


由良穂香は、ワゴン車の後部座席で、

電源オフでも使える携帯電話で、

家政婦に電話を掛けた。


「うん・・うん、大丈夫。うん・・・ちょっと、

友達がフラれちゃって、慰めていたの・・・」


どうやら嘘の言い訳を告げているらしい。


「そう・・・うん解った。ありがとう。」


由良穂香は、電話をきると、ため息を着いた。


「どうでした?」


「私が誘拐された事を知らなかった。

でも、お父様が号泣しながら、

非番の部下の皆さんと私を探し回ってたって、

部下の皆さんももらい泣きして、大変だったって」


僕は、憲兵隊本部長が部下と号泣しながら、

娘を探す光景を思い浮かべた。


「じゃあ誘拐犯グループが、私を誘拐した目的は何?」


由良穂香は、唐突にじっと僕を見つめた。

そして、買ってきたダブルチーズバーガーを開き、

それにタルタルソースをタップリつけた。



・.。*☆彡・.。*☆彡・.。*☆彡・.。*☆彡・.。*☆彡


暖かな日差しから遠ざかり、

冷たい冷気に満ちた洞窟に入ったかのように、

由良穂香は鳥肌が立った。

そして、家臣くんから、パシリ感が消え、空気が冷たく重くなった。


「私も侮られた者だな。チーズバーガーに、

タルタルソースを付けたくらいで、

『誘き出せる♪』と思われているとは・・・」


彼は言った。


「誘き出せたじゃん♪」


「今回は前回分の初回特典で特別だ」


「あんたみたいな変な存在にも、

初回特典なんてあるんだ」


「初めての相手には優しくするもんだ。」


「質問なんだけど、

誘拐犯グループが、私を誘拐した目的は何?」


彼は「チーズバーガーを寄越せ!」と手を差し出した。


「欲しんじゃん」


「乙女が私の為に作ってくれたものを断る訳にはいかない。

それだけだ」


「ごめん、これは私用に作ったの・・・」


彼は失望した。

たかがタルタルソースを付けた、

ダブルチーズバーガーを食べれないだけで、

これほどの失望感を顔に出すとは、想定外だった。


そして、彼の失望の結果、

暖かな日差しからさらに遠ざかり、

地の底に引きづりこまれたかの様な寒さが訪れた。

あくまで精神的な寒さだが・・・


「ごめん、これあげるから機嫌なおして」


彼は、タルタルソースを付けた、

ダブルチーズバーガーを受け取ると、

その表情から失望感を消した。


ワゴン車内は、少しだけ暖かさを取り戻した。


彼は、満面の笑みで、チーズバーガーを頬張った。

そして、一息つくと、


「誘拐犯たちが、まだ怖いのか?」


「怖いよ」


「怖いからこそ誘拐犯たちの正体を掴みたい?」


「そう」


「そんなの警察やパパの憲兵隊に任せておけばいい。

それが常識的な判断だ。」


「怖いけど、私は誘拐犯たちの正体を暴く手段を持っている。

この件は自分でカタを付けたいの」


「残念だが私は、誘拐犯グループが何者なのかは解らない。

ただバックにいる連中も含めて、

当面あんたに危害を加えない。

加えられないと言った方が良いか・・」


「・・・じゃあやっぱり、あなたが誘拐犯たちを」


「理解が早いな、そう言うとこ好きだよ」


「ありがと」


「奴らの身体は今頃、

ゾンビの様に街を彷徨っているはずだ。

すでに奴らは奴らであって奴らではない。

ただの抜け殻さ」


「ゾンビ?抜け殻?」


「それ以上は、自分で調べろ。手段があるんだろ」


由良穂香は、食べ終えた彼に、ミックスジュースを差し出した。

彼は、一気に飲み干した。


「ありがとう、うん満足。

ところで牛肉と豚肉とではどちらが好きか?」


「どちらかと言うと牛肉かな」


「それは良かった。

奴らの魂は今頃、豚に転生の準備をしている頃だ。

また会いたくはないだろう?」


「え?」


「お前を恥辱しようとした結果、

奴らは、人間の資格を失った。自業自得だ。」


「人間失格・・・。」


「しかし、このパシリ人形に僅かだが良心が在ったのは、

お前にとって、不幸中の幸いだった」


「えっ家臣くんが・・・」


「お前は、最悪は免れた・・・」




・.。*☆彡・.。*☆彡・.。*☆彡・.。*☆彡・.。*☆彡



重く冷たい雰囲気は消え、軽く柔らかい家臣くんに、

静かに変わって行った。


「家臣くんの良心が私を救った?」


由良穂香は、パシリ感いっぱいの、家臣の頭を、

撫でてみた。


「なんです?」


「なんとなくだよ、私の家臣くん♪」



つづく 


いつも読んで頂き、

ありがとうございまする\(^▽^)/

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